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日本→海外のリモート就職に失敗し、結果的に日本で理想の環境で働いている話

Last updated at Posted at 2022-11-06

センシンロボティクスで画像処理エンジニアとして働いている@ta-srと申します。
今の会社に入社する前、海外の会社にリモートワークで働こうとしばらく転職活動していたので、得た知見と現在の環境についてまとめました。

結果として実現できていないものの、海外(リモート)就活を考えている方の一助になればと考えたことと、
海外志向のエンジニアの方に、日本企業の多国籍チームで働くという選択肢があることをお伝えしたく、この記事を執筆しました。

概要

  • 日本に住みながら海外の企業にリモートで働きたかったものの、ロボット業界でフルリモートを叶えるのは難しかった
  • 日本企業でも、エンジニアの4〜5割が外国籍で、言語や文化を交換しながら技術的にも成長できる環境があった

海外(リモート)就活編

各要素に対する動機

ロボット関連の業界で働く

物理的に世の中の課題を解決できるという点でとても魅力的なので、ロボットに携わる仕事がしたいと考えています。

海外(の企業)で働く

  • 一度腕試し的に海外企業での勤務を経験しておけば、今後やりたいことが固まった時に海外企業という選択肢を選びやすくなる
  • 英語は多少話せることから、忘れるのはもったいないので使う機会が欲しい
  • 海外でSWEとして働くためにCSの修士を取ったので、きちんと活かしたい
  • 色んな国の人と一緒に働く方が楽しそう

ということで、当時から「今何としても海外で働く!」という意思はないように思います。

リモートで日本から働く

コロナ禍という情勢的にも、家庭の事情としても今日本から出ていくのは難しい状況でした。

  • 世界中の企業がコロナ禍でフルリモートに移行しているので、企業的にもリモートでの雇用に抵抗がなくなってきているのでは?
  • ロボット業界でもシミュレータを活用してリモートで働いているエンジニアもいるので、問題ないのでは?

という推測もあり、リモートでも雇ってもらえるのではと考えていました。

地域によっては待遇面でのメリットもありそうです。

ちなみに、日本から海外の会社にリモートワークで働く場合、日本に現地法人がない限り雇用形態はフリーランスになると思います。
各種補助が受けられない可能性があるので、ライフステージによってもこの辺りをきちんと考慮する必要があります。

海外就活(未遂)の様子

面接にもこぎついていないので未遂としています。

やったこと

応募先探し

興味のある事業をやっている会社のHPを片っ端から見ていくのと、Arcなどのフルリモートで働ける会社に特化した求人媒体の2軸で探しました。

英語面接の練習

ビジネス英語に特化していると言われるBerlitzでIT関係の仕事をしていた先生を探し、CVの添削や面接の練習をお願いしました。
また、大学院でも就職支援で面接の練習が受けられたので、こちらも活用しました。

後述しますが、応募した5社のうち2社は連絡が返ってきたので、
書類自体はしっかり通用する内容のものが用意できていたのだと思います。

コーディングテストの練習

海外の企業では基本的にコーディングテストは必須になると思います。
HackerRankのC++の練習問題をひたすら解いていました。

コーディングテストは企業によって、
内容(ex. アルゴリズム系のもの、簡単なサービスを作るもの)や、
形式(ex. その場で解くもの、持ち帰りで解くもの)のバリエーションがあるようです。

今回は使うに至りませんでしたが、Prampというサイトを使えば、サイトの利用者同士で英語でのコーディングテストの練習ができるようです。

ポートフォリオの作成

Web上に特に見せられるものがなかったので、急遽デモアプリを作ってgithub上で公開しました。

オープンソースへのコミット

付け焼き刃的にオープンソース(QGroundControl)にも小さなPRを出しました。確か就活を終えてからマージされた気がします。

海外の反応

自分の技術スタックとやりたいことに一致する企業を探し、
アメリカ・ヨーロッパのスタートアップ計5社に応募しました。結果は全敗です。

そのうち2社からは、およそ1週間以内に返事をいただきました。
1社からは「全員が現地に集まって働くことを大事にしているので、
現地に来ることがあれば連絡してほしい」とのことでした。

もう1社からは「ぜひ選考に進んでほしい」と連絡をいただきました。
日本からリモート勤務希望と伝えると、
「タイムゾーンの問題があるので社内で確認して折り返します」と返事がありました。
その後メールが返ってくることはありませんでした。

残りの3社からは返事がない、もしくは数ヶ月後にお祈りメールが来るといった状況でした。

反省点

今回感じた一番の障壁は、ロボットを扱うにあたり、企業としては実機を触れるエンジニアの方が欲しいのだろうなという点でした。
いくらシミュレータで動作確認ができるとはいえ、実際に実機を動かさないと分からないこともたくさんあります。
他に優秀な候補者がたくさんいる中で、極めて尖った技術を持っている訳でもない、フルリモートの人間はわざわざ雇わないなと改めて感じました。

また、自分の感触的にも、他の方々の経験談を読んでいても、海外企業への就活は日本での就活より時間がかかりそうに思いました。
就活を始める前に仕事を辞め、のんびり構えることができなかったのも敗因だと思います。
準備としてもどれも付け焼き刃で、日頃からやっておくものだと思いました。(転職を考えていない内から行動に移すのはなかなか難しいですが)

日本→海外フルリモート就職を考えるにあたり、私の場合は短期間かつ、業界や事業にこだわったため、このような結果になったと考えています。
業界などを選ばず、フルリモートで海外で働くことに焦点を当てれば、門戸はもっと広いので、実現は可能だと思っています。

方針転換

この段階で退職後の休息期間を含めてニート期間が2ヶ月に及ぼうとしており、
企業からいつ返事が来るか分からず、コロナ禍で社会との関わりも絶たれている状態でした。
「自分は世界から必要とされていない」という謎の壮大な絶望感を覚え、
このままではいけないと日本企業にも視野を広げて働き口を探すことにしました。

国内の多国籍チーム編

出会い

ニート期間が丸2ヶ月に差し掛かった頃、以下の点を満たす日本の会社を探しました。

  • ロボットを使って物理的に人の役に立てる
  • 多国籍なチームで働ける

結果、現職のセンシンロボティクスと出会い、ほぼ決め打ちで選考に進みました。
最終面接で「無職のため今日からでも働きたい」と主張したところ、翌日に入社させていただく運びとなりました。

受け入れを考えると完全に無茶だったと思うのですが、社長の決断スピードと
社員の方々のサポートのおかげで即日入社が叶いました。ありがとうございました。
このスピード感にも大変好感が持てました。

現職について

現職はセンシンロボティクスという、ロボットを使った業務の自動化を進めるソフトウェア企業で、
少子高齢化による労働人口の減少や、社会インフラの老朽化といった社会課題の解決を目指しています。(会社紹介資料

具体的には、地上走行ロボットやドローンを使って鉄塔やソーラーパネルをはじめとしたインフラの自動点検サービスを提供しています。

どの点で理想的な環境だったか

かくして入社した現職ですが、エンジニアとしては以下のような点で理想的でした。

業務内容

  • 社会課題の解決に直結する仕事ができる
  • POCで完結せず、実際に社会で使われるシステムを作ることができる
  • プロジェクトの進むスピードが早く、短いスパンで様々な技術を試すことができる

  • 経験値の高いエンジニアが多く、吸収できることが多い
  • 優秀かつ国籍含め様々なバックグラウンドを持ったエンジニアが集まっている
  • 信頼関係が構築できていて、相談や議論が気軽にできる

言語

  • 社内の公用語は日本語であるものの、プロジェクトやチームによって英語で業務を進めることができる
    • 参考までに、私が在籍するチームでは英語が会議の公用語として設定されていて(現状は英語:日本語が4:6ぐらい)、担当プロジェクトの一つではエンジニア間の相談は基本英語になっています

元々海外就活を目指していた理由のうち、以下は今の会社できちんと満たせています。

  • 英語は多少話せることから、忘れるのはもったいないので使う機会が欲しい
  • 色んな国の人と一緒に働く方が楽しそう

国内の多国籍チームで働く利点

弊社に限らず、国内に多国籍チームで開発を進めている企業はいくつもあります。
特に下のような事情がある場合、日本・海外勤務の良いとこ取りができるため
海外志向のエンジニアにとっては良い選択肢の一つになると考えています。

  • 育児や介護など、家の事情で日本を離れられない
  • やりたい事業が日本でしかやれない
  • 英語も使ってみたいけど自信がないのでまずは日本語と英語を併用したい

おわりに

日本企業の多国籍チームで働くのと、海外で働くのとは全く違うよ!というご意見もあると思いますし、実際そうだと思います。

海外就職を目指す目的は人それぞれだと思いますが、私の場合は

  • 英語を使える環境で働けること
  • 色んな国の人と働けること

という目的が達成できたこともあり、今の環境をとても気に入っています。

本記事としては、このような選択肢があることをお伝えできたら良いのかなと思います。
また、あわよくばセンシンロボティクスに興味を持ってくださる方が増えれば大変嬉しいなと思います。

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