はじめに
今回は「C#(sharp)」を初心者向けにポイントを押さえて解説していきます。
そもそもC#言語とは?
C#はマイクロソフト社が開発した汎用のプログラミング言語です。
使用用途は、デスクトップアプリケーション・ウェブアプリケーション・ゲーム開発・クラウドサービス・Io・AIなど多岐に渡ります。
ただし、C#は強力で柔軟なプログラミング言語ですが、効率的なコードを書くためには、言語の特性を活かすことが重要です。
こんな人におススメ
◎C#でどんなことができるか知りたい
◎具体的な書き方が知りたい
◎守るべきコツを知りたい
以上について「10のヒント」と題して説明していきます。
10のヒント
ヒント①「var」の適切な使用
varを使うとコードが簡潔になりますが、すべてに使用するのは逆効果になる場合があります。可読性を優先し、型が明確な場合にのみ使用しましょう。
例(適切な使い方):
var customers = new List<string>(); // 型が明確
例(不適切な使い方):
var result = DoSomething(); // 戻り値の型が不明確
ヒント②「using」ステートメントの活用
リソースを確実に解放するために、usingステートメントを使用しましょう。コンパイラ側で自動的にリソースを破棄してくれます。特にファイル操作やデータベース接続で役立ちます。
using (var stream = new FileStream("file.txt", FileMode.Open))
{
// ファイル操作
}
ヒント③「StringBuilder」で文字列を操作
文字列の連結にはStringBuilderを使用しましょう。stringの連結は新しいインスタンスを作成するため、パフォーマンスが低下します
var builder = new StringBuilder();
builder.Append("Hello");
builder.Append(" ");
builder.Append("World");
Console.WriteLine(builder.ToString());
ヒント④「LINQ」を活用する
C#のLINQ(Language Integrated Query)は、データ操作を効率的かつ簡潔に行う方法です。以下ではSQLに似た形式でクエリを記述する方法です。
int[] numbers = { 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10 };
// 偶数のみを取得するクエリ
var evenNumbers = from num in numbers
where num % 2 == 0
select num;
foreach (var num in evenNumbers)
{
Console.WriteLine(num);
}
ヒント⑤「async/await」で非同期処理を簡潔に
非同期プログラミングを行う場合は、asyncとawaitを活用することで、コールバックの複雑さを回避できます。
public async Task FetchDataAsync()
{
var data = await httpClient.GetStringAsync("https://api.example.com/data");
Console.WriteLine(data);
}
ヒント⑥ 拡張メソッドを活用
既存のクラスに新しい機能を追加する場合、拡張メソッドを使用するとコードの再利用性が向上します。
public static class StringExtensions
{
public static bool IsNullOrEmpty(this string str)
{
return string.IsNullOrEmpty(str);
}
}
使用例:
string text = null;
if (text.IsNullOrEmpty())
{
Console.WriteLine("String is null or empty");
}
ヒント⑦「null」チェックの簡略化
C# バージョン6.0以降では、null条件演算子を使うことで、簡潔なnullチェックが可能です。
var length = myString?.Length ?? 0; // nullなら0を返す
ヒント⑧ 依存性注入(DI)の利用
DIを活用することで、テスト可能で拡張性の高いコードを実現できます。ASP.NET Coreでは、組み込みのDIコンテナを活用できます。
public class MyService
{
private readonly IRepository _repository;
public MyService(IRepository repository)
{
_repository = repository;
}
}
ヒント⑨ 例外を適切にハンドリング
例外は必要な場合にのみ使用し、通常の制御フローに使用しないでください。また、catchで具体的な例外を指定することが重要です。
try
{
int result = 10 / divisor;
}
catch (DivideByZeroException ex)
{
Console.WriteLine("Cannot divide by zero.");
}
ヒント⑩ コードアナライザーとスタイルガイドの使用
Visual StudioのコードアナライザーやStyleCopを使用して、コーディングスタイルを統一し、バグを防ぎましょう。
推奨ツール:
• Roslyn Code Analyzers
• StyleCop.Analyzers
• ReSharper
まとめ
効率的なコードを書くためには、C#の特性を理解し、適切なツールや技術を活用することが不可欠です。これらのヒントを日々のコーディングで実践することで、保守性が高く、パフォーマンスに優れたコードを書くことができます。ぜひ試してみてください!