12
3

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 5 years have passed since last update.

Rancher を使ってCloudProviderを使ってみた(on AWS)

Last updated at Posted at 2018-12-19

この記事は エーピーコミュニケーションズ Advent Calendar 2018 の 20 日目の記事となります。

はじめに

今回は Kubernetes(k8s) の CloudProvider の実装を説明します。
そもそも CloudProvider とは各種クラウドで k8s を実装した際に、各リソース(Volume や Service)をクラウドのリソース(ELB や EBS)を使って実装することができる機能となっております。
社内研修の一環として k8s / Rancher について学習した際に、検証として CloudProvider について調査を行いました。
今回は AWS の EC2 上に Rancher を使って k8s 環境を構築し、構築したクラスターに対し CloudProvider の機能を実装、合わせて利用方法について説明したいと思います。

サーバ構成

今回構築するサーバーの構成です。

  • Rancher x 1
    • インスタンスタイプ:t3.medium
  • Control & etcd x 1
    • インスタンスタイプ:t3.small
  • Worker x 1
    • インスタンスタイプ:t3.small
  • 共通
    • AMI:CentOS 7
    • docker:17.03.2
    • k8s:1.11
    • Rancher:2.1.1

※今回は rancher / k8s についてがメインとなりますので AWS の説明は省いております。
ご了承ください。

事前準備

AWS ( IAM - 全般 )

事前に以下のポリシーが付与されている IAM アカウントを用意します。
用意したアカウントでインスタンスを構築します。

  • PowerUserAccess
  • IAM Role の参照、EC2インスタンスへの付与が出来る権限(iam:PassRole)

AWS ( IAM - Role )

事前に以下のポリシーが適用されている Role を作成しておく。

構築

AWS 上に以下のインスタンスを構築していきます。

AWS インスタンスの構築(3サーバ共通)

【ステップ 1】: Amazon マシンイメージ (AMI):CentOS 7 (x86_64) - with Updates HVM
【ステップ 2】: インスタンスタイプの選択:サーバ構成のインスタンスタイプを指定
【ステップ 3】: インスタンスの詳細の設定:
 ・IAM ロール:事前に用意したロールを指定(今回は RancherRole という名前で用意しています)
img-01.jpg
【ステップ 4】: ストレージの追加:8 GiB / 汎用SSD ( gp2 )
【ステップ 5】: タグの追加
・Key = kubernetes.io/cluster/CLUSTERID
・Value = owned
※ CLUSTERIDは任意の識別子を付ける(3 台共同じ ID)
【ステップ 6】セキュリティグループを指定

※IAM ロールの指定、およびタグの追加以外は基本的な EC2 の構築と変わりません。

VPC(Subnet) / SecurityGroup にタグを付与

以下のリソースにも EC2 インスタンスに付与したタグを付与する

  • VPC(Subnet)
  • SecurityGroup

付与するタグ
・Key = kubernetes.io/cluster/CLUSTERID
・Value = owned
※CLUSTERID は EC2 インスタンスに付与した識別子と同じ値を指定する

Docker / Rancher 構築

Docker / Rancher の構築は弊社 T氏の以下記事を参考に構築します。
Rancher2.0を使って超高速にkubernetesクラスタを構築した時のメモ

k8s クラスタ構築

k8s クラスタの構築も上記 T氏の記事を参考に構築します。

【注意】

クラスタを構築する際に以下を指定してください。

クラスタタイプ

  • k8s サービスを利用せず、EC2 にインスタンスを構築して実装している為、クラスターのタイプで【 CUSTOM 】を指定してください。

img-02.jpg

クラスタオプション

  • クラスターのオプションで左下の【 CloudProvider 】の項目において【 Amazon 】を指定してクラスターを作成してください。

img-03.jpg

CloudProvider を使ったリソース作成

Service(LoadBalancer)

Rancher 管理画面から【ワークロード】⇒【YAML を インポート】より、以下で Deployment をデプロイしてみましょう。
※nginx の Pod と Service を定義しています。

apiVersion: apps/v1
kind: Deployment
metadata:
  name: my-nginx
spec:
  selector:
    matchLabels:
      run: my-nginx
  replicas: 2
  template:
    metadata:
      labels:
        run: my-nginx
    spec:
      containers:
      - name: my-nginx
        image: nginx
        ports:
        - containerPort: 80
---
apiVersion: v1
kind: Service
metadata:
  name: my-nginx
  labels:
    run: my-nginx
spec:
  ports:
  - port: 80
    protocol: TCP
  selector:
    run: my-nginx
  type: LoadBalancer

実行後、AWS のコンソールを確認してみましょう。
ELB に一台 LoadBalancer が追加されております。
これは CloudProvider によって Service(LoadBalancer) で定義されたリソースを ELB で実装された形となります。

PersistentVolume

PersistentVolume 作成前に PersistentVolume 作成用の StorageClass を作成します。

  • クラスターの【ストレージ】⇒【ストレージクラス】から【クラスを追加】でストレージクラスを追加します
  • 名前は任意で指定し、プロビジョナーを【Amazon EBS ディスク】を指定して作成します

image.png

それでは実際に PersistentVolume を作成してみましょう

  • 各プロジェクト(名前空間)の【ワークロード】⇒【ボリューム】から【ボリューム追加】でボリュームを追加します
  • 【ストレージクラス】を上記で作成した際のストレージクラス名を選択します
  • 【容量】は適当に指定します(まずは 1GiB 程度から)

image.png

実行後、AWS のコンソールを確認してみましょう。
EBS に一つ Volume が追加されております。
これは CloudProvider によって PersistentVolume で定義されたリソースを EBS で実装された形となります。
まだ、どこにも割り振っていない為、available の状態が確認できると思います。

Service 同様、PersistentVolume でも nginx の Pod を作成し実際にVolumeをマウントさせてみましょう。

apiVersion: apps/v1
kind: Deployment
metadata:
  name: my-nginx
spec:
  selector:
    matchLabels:
      run: my-nginx
  replicas: 2
  template:
    metadata:
      labels:
        run: my-nginx
    spec:
      containers:
      - name: my-nginx
        image: nginx
        ports:
        - containerPort: 80
        volumeMounts:
        - mountPath: /usr/share/nginx/html
          name: vol1
      volumes:
      - name: vol1
        persistentVolumeClaim:
          claimName: ###### <Volume名> ######

無事に Pod の作成、Volume のマウントが完了すると、EBS の available の状態から in-use の状態に変わったことが確認できると思います。

まとめ

CloudProvider の実装・利用説明については以上となります。
PersistentVolume を利用する際に、NFS等の別の機構を用意する必要が無くなり、マネージドなリソースが利用できるのはメリットとはなりますが、HA や運用については別途検討が必要と考えています。
また、Service についてはマネージドな LB である ELB を利用でき、自動でアタッチしてくれることはメリットと考えています。
AWS での k8s 実装は EKS が主流となりそうですが、機構を学習するという面ではよい勉強になったと思っています。
AWS での k8s 実装の参考になれば幸いです。

参考サイト

12
3
3

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
12
3

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?