- 開発時におけるS3互換ストレージとしてMinIOを利用しています。
- 互換のためAWS SDKを利用することも可能であり、本番時と開発時では接続情報を変えるだけで良いので非常に便利です。
- 今回はDenoでaws-sdk-js-v3を利用してMinIOの操作を行う方法を記録いたします。
環境
- macOS 13.0
- deno 1.34.0
- Docker version 24.0.2
- ※MinIO構築用
- Docker Compose version v2.18.1
- ※MinIO構築用
手順
MinIO環境の構築
- まずファイル群を入れるためのディレクトリを任意で作成します。
mkdir ~/work/deno-minio-sample
cd ~/work/deno-minio-sample
- 次に必要となるディレクトリ及びファイルを作成します。
# コンテナ起動時に作成されるバケットに入れる初期データファイルを格納するディレクトリ
mkdir init_data
# コンテナ起動のための設定ファイル
touch docker-compose.yml
# MinIO情報ファイル
touch .env
- 作成後、以下の内容を
docker-compose.yml
に記述します。
version: '3.8'
services:
minio:
image: quay.io/minio/minio:latest
container_name: minio
environment:
MINIO_ROOT_USER: ${MINIO_ROOT_USER}
MINIO_ROOT_PASSWORD: ${MINIO_ROOT_PASSWORD}
ports:
- '9000:9000'
- '9001:9001'
restart: unless-stopped
command: ['server', '/data', '--console-address', ':9001']
volumes:
- minio_data:/data
mc:
image: minio/mc
container_name: mc
depends_on:
- minio
environment:
MINIO_ROOT_USER: ${MINIO_ROOT_USER}
MINIO_ROOT_PASSWORD: ${MINIO_ROOT_PASSWORD}
entrypoint:
- "/bin/sh"
- "-c"
command:
- "mc alias set myminio http://minio:9000 $MINIO_ROOT_USER $MINIO_ROOT_PASSWORD;
mc mb myminio/sample;
mc cp init_data/* myminio/sample;
exit 0;"
volumes:
- ./init_data:/init_data
volumes:
minio_data:
-
.env
にMinIOのエンドポイントやパスワード等を記述します。- ※MINIO_ROOT_USERは3文字以上、MINIO_ROOT_PASSWORDは8文字以上である必要があります。
MINIO_ENDPOINT=http://localhost:9000
MINIO_ROOT_USER=test
MINIO_ROOT_PASSWORD=testpass
- 起動時に作成されるバケットに初期オブジェクトを流すために
init_data
ディレクトリにデータファイルを追加いたします。
# init_dataディレクトリにfirst.csvとsecond.csvを追加
$ echo "aaa" > init_data/{first,second}.txt
# ファイル一覧
$ ls init_data
first.txt second.txt
# 中身
cat init_data/first.txt
aaa
- 必要なファイルが揃ったので、以下のコマンドでコンテナを起動します。
docker compose up -d
- 起動後、
localhost:9000
にアクセスしてMinIOのログイン画面が表示されることを確認します。
-
ログイン画面確認後、
.env
で指定した値でログインできることを確認します。 -
ログイン後、既に以下のバケットやオブジェクトが作成されていることを確認します。
- バケット : sample
- オブジェクト : first.txt,second.txt
- 既に作成されている理由として、
docker-compose.yml
内で指定しているようにMinIOをコマンドラインで操作可能なmcが扱えるコンテナを立ち上げ、その起動時に「バケット作成やオブジェクト追加」のmcコマンドを自動実行しているからです。- MinIO環境のみの立ち上げであれば、バケットやオブジェクトは存在しません。
Denoでの動作確認
- バケットやオブジェクトの用意が完了したので、DenoでMinIOを操作していきます。
- 今回はDenoでのAWS SDKの使い方なので、扱う操作はオブジェクト一覧取得のみとします。
- 以下で
app.ts
を作成します。
touch app.ts
- 以下の内容を
app.ts
に記述します。
import "https://deno.land/std@0.190.0/dotenv/load.ts";
import { S3 } from "npm:@aws-sdk/client-s3";
// クライアント生成
const minioClient = new S3({
region: "ap-northeast-1",
endpoint: Deno.env.get("MINIO_ENDPOINT") || "",
forcePathStyle: true, // MinIO利用時には必要そう。
credentials: {
accessKeyId: Deno.env.get("MINIO_ROOT_USER") || "",
secretAccessKey: Deno.env.get("MINIO_ROOT_PASSWORD") || "",
},
});
// sampleバケット内のオブジェクト情報取得
const objects = await minioClient.listObjectsV2({ Bucket: "sample" });
const contents = objects.Contents;
if (!contents) {
console.log("バケット内が空です。");
Deno.exit(1);
}
// オブジェクト情報を一覧として整形
const outputs = contents.map((content) => {
return {
name: content.Key, // オブジェクト名
size: content.Size, // オブジェクトサイズ
lastModified: content.LastModified, // 更新日時
};
});
// 出力
console.log(outputs);
- 以下のように、実行したら整形したオブジェクト一覧が正常に出力されAWS SDKの機能が利用できていることを確認します。
$ deno run --allow-read --allow-env --allow-sys app.ts
[
{
name: "first.txt",
size: 4,
lastModified: 2023-06-xxTxx:xx:xx.xxxZ
},
{
name: "second.txt",
size: 4,
lastModified: 2023-06-xxTxx:xx:xx.xxxZ
}
]
- またバージョン1.34から対応したnpmパッケージのcompileサポートも以下のように確認できます。
# コンパイル。appという実行ファイルが作成される
$ deno compile --allow-read --allow-env --allow-sys --unstable app.ts
# 実行。上記のdeno runと同様の出力
$ ./app
- 以上です。
まとめ
- MinIOを利用することでローカルでS3互換操作が可能なので非常に便利です。
- Denoではnpmパッケージもサポートしており、またバージョン1.34からはcompileにも対応したので更に活用できます。