はじめに
私はQAエンジニアとして仕事をしていますが、開発業務の中で周りのプログラマーの話についていくのが難しいと感じたり、周りの人の意見のほうが正しいに違いないと思ってしまうことがあります。
そんな中「アサーティブコミュニケーション」について知る機会がありました。概要を知っただけでしたが、なにか開発業務の中で活かすことができるのではないかと考え調べてみることにしました。
今回読んだ書籍はこちらです。
アサーティブコミュニケーション日経文庫
なぜ「開発業務に活かせるかも」と思ったのか
アサーティブコミュニケーションの考え方の中で、ある物事について「良い」「悪い」の二択ではないにもかかわらず、「良い」か「悪い」の二択で判断してしまういがちであるという話があり、自分はそのように考えがちだな、と思ったことがきっかけです。これは後述するバイアスが関係しているのですが、なんでも正解があると無意識に思い込んでしまっている節があり、それが脳に不要なストレスを与えているのではないかと感じたからです。この考え方を変えることができれば改善するかもしれないと思いました。
アサーティブコミュニケーションとは
ざっくり説明すると「対等な立場で意見を交換できるようにお互いの意見を尊重し、さまざまな価値観やバックグラウンドを持つ人と率直なコミュニケーションが取るために有効な方法」とされています。
自分の主張を持ちながら、相手も尊重する姿勢を持つことを重視する考え方です。
自己表現の3つのタイプ
アサーティブコミュニケーションの考え方では、人にはそれぞれ3つの自己主張のタイプがあります。
ノンアサーティブ、パッシブ(非主張型、受け身型)
- 特徴: 自分の意見や感情をあまり表現せず、相手に譲ることが多い
- 行動例: 「いいですよ」と相手の提案を受け入れるが、本当は違う意見を持っている場合もある
- 影響: 対立を避けることができるが、自分の気持ちが伝わらず、後からモヤモヤすることがある
アグレッシブ(攻撃型)
- 特徴: 自分の意見や感情を強く主張する一方で、相手の意見や感情にあまり配慮しないことがある
- 行動例: 「それは違う!」と強い口調で意見を伝えたり、自分の提案を押し通そうとする
- 影響: 自分の主張が通りやすい場合もあるが、相手との関係がギクシャクすることがある
アサーティブ(自他尊重型)
- 特徴: 自分の意見や感情を正直に伝えながら、相手の気持ちや立場にも配慮する。
- 行動例: 「私はこう思うけれど、あなたの意見も聞かせてもらえる?」と、意見交換を大切にする
- 影響: お互いが納得しやすく、対話を通じて信頼関係が築ける。
3つの内のどれかというよりは、実際にはグラデーションで、状況や相手によっても変わるものだと思いますが、自分は今どのあたりに当てはまるのか立ち止まって考えてみるだけでも勉強になりました。
参考リンク
https://www.mdsol.co.jp/column/column_122_896.html
アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)について
アンコンシャス・バイアスとは無意識の思い込みのことです。
- 自分は前に同じような状況で失敗したから今回もできないだろう
- 普通なら~なのに
- 著名なあの人の言うことだから間違いないだろう
というようなものです。
これらの思い込みは誰にでもあり、そのほとんどが悪気なく考えてしまっていることです。
ただ、無意識の思い込みによって、他人を傷つけたり、自己嫌悪に陥ったりすることがあるので注意する必要があります。
コミュニケーションにおいてはもちろん大切なことですが、QAとして仕事をする上でも大切なことだと思いました。
思い込みでシステムが正常であると判断したり、「きっと大丈夫だろう」という考えが思わぬ不具合を生んでしまうことが、起こる可能性があるからです。そのため、特に意識的になる必要があるなと思いました。
その他にも無意識の思い込みには様々なものがありますが、自分にとって身近だと感じたものを参考リンクに貼っておきます。興味がある方は是非調べてみてください。
・権威バイアス
https://sbsmarketing.co.jp/blog/whatis-authority-bias-2023-04/
・ネガティビティバイアス
https://imidas.jp/genre/detail/F-133-0080.html
・同調バイアス
https://www.pa-consul.co.jp/talentpalette/TalentManagementLab/conformity-bias/
まとめ
今回はアサーティブ・コミュニケーションについて調べました。さまざまな改善点が見つかった一方で、誰でもバイアスを持っているものなので、そのことで誰かを責める必要も、自己嫌悪に陥る必要もないのだということがわかりました。
開発業務の中においてはコミュニケーションはもちろん、思い込みでパフォーマンスを下げないように考え方を柔軟にしていきたいと思いました。