こんにちは!
ポーラ・オルビスホールディングスのITプロダクト開発チームでスクラムマスターをしている川田です。
私たちの開発チームではスクラムを使ってアジャイル開発を行っています。アジャイル開発の経験が無い状態からプロダクトをリリースするまでには紆余曲折を経験しましたが、その中でチームが実践しているプロセスや工夫している点についてご紹介します!
スプリントの全体像
私たちのチームではスプリント期間を2週間と設定して開発を進めています。スクラムで定められているイベントは一通り行っており、その他にチーム独自のイベントも実施しています。
これらのイベントをまとめると、1スプリントのスケジュールは以下のようになります。チーム独自のイベントはがついています。
Week1
Mon | Tue | Wed | Thu | Fri | |
---|---|---|---|---|---|
AM | スプリントプランニング |
ライトデイリースクラム デイリースクラム |
ライトデイリースクラム デイリースクラム |
ライトデイリースクラム デイリースクラム |
ライトデイリースクラム デイリースクラム |
PM | ミニレトロスペクティブ |
Week2
Mon | Tue | Wed | Thu | Fri | |
---|---|---|---|---|---|
AM |
ライトデイリースクラム デイリースクラム |
ライトデイリースクラム デイリースクラム |
ライトデイリースクラム デイリースクラム |
ライトデイリースクラム デイリースクラム |
ライトデイリースクラム デイリースクラム |
PM | スプリントレビュー スプリントレトロスペクティブ |
スプリントプランニング、デイリースクラム、スプリントレビュー、スプリントレトロスペクティブについては、概ねスクラムの型通りに実施しています。そのため、今回はチームが独自に行っているイベントについて詳細にご紹介します!
ライトデイリースクラム
私たちのチームでは、オフショアを活用して開発を行っています。現在協力いただいているのはベトナムにいるオフショアチームで、言語や時差(日本はベトナムより2時間進んでいます)が異なるという問題があります。
そのため、先に業務を開始する日本のメンバーだけでライトなデイリースクラムを実施しており、これをライトデイリースクラムと呼んでいます。ネーミングはそのままです!
ライトデイリースクラムのメリットは、日本とベトナムの時差を有効利用することで各チームの検査と適応を効率よく行える点です。日本チームにとっては業務を開始してすぐに軌道修正ができますし、オフショアチームに早くインプットすべき内容があるかについても認識合わせができるので、オフショアチームの業務開始にあわせてタイムリーに情報を提供できています。
また、日本チームにとっては2回デイリースクラムを行っているという感覚にはなりますが、コミュニケーションや検査・適応を行う機会が増えるという点では良いことだと考えています。スプリントイベントを待たずに状況に応じてチームでコミュニケーションを取って進められるのが望ましいですが、特にチームが立ち上がったばかりの場合は、プロセスとして明確に設定しておくことが効果的だと感じています。
ミニレトロスペクティブ
スプリントレトロスペクティブで振り返りを行い、その結果として改善のためのアクションをリストアップします。その内容がタスク化できるもの(例えば「〇〇の設計書を最新化する」など)であればチケット化して次スプリントで実施すればよいですが、チームのマインドに関わるような、チケット化しにくいものもあると思います。忘れないように目につく場所に記載しても、業務に追われて結局できなかった、となるとせっかくの振り返りがもったいなく感じてしまいますね
よってスプリント中間でミニレトロスペクティブを行い、改善のためのアクションの実施状況を検査するタイミングを意図的に作っています。その場ではアクションが実施できていない場合はどうすれば進められるか、また実施できている場合であってもより効果を上げるためにはどうするかといった点を議論します。
2週間のスプリントだと週次でミニレトロスペクティブかスプリントレトロスペクティブを行うことになりますが、検査の頻度としてちょうどよいと感じていて、改善のためのよい意識付けの場になっていると思います。また、アクションが増える一方で効果が感じられない状態になると、改善に対するモチベーションが低下し、何を言っても変わらない、面倒だから何も言わないでおこう、という悪循環に陥る可能性があります。頻繁に検査を行うことで、うまくいかなかった場合の迅速な修正や取りやめるという決断がスピーディーにでき、改善に対するモチベーションの向上につながると考えています。
最後に
チームの構成やカルチャーによる影響が大きい部分もあると思いますが、今回ご紹介した私たちの取り組みが同様の悩みを抱えるチームの参考になれば嬉しいです!