こちらは NEC デジタルテクノロジー開発研究所 Advent Calendar 2023 19日目の記事です。
はじめに
先日、2度目のSAP on AWS試験を受けて合格し、AWS認定12冠を達成することができました。
Solutions Architect Associate試験(SAA)で初めてAWS認定を取得したのが2019年6月のことなので4年半かかりました。長かったですね。
また、12冠を達成したことで既に公開されている2024 Japan AWS All Certifications Engineersの応募クライテリアを満たすことができました。来年2月からの応募を忘れないようにすることが当面の課題ですね。
この記事ではAWS認定12冠を達成の振り返りや勉強方法をまとめています。これから12冠を目指す方の参考になればと思います。
簡単な自己紹介
- 非情報系(物理系)出身→NEC
- 3年程度の通信分野でのソフトウェア製品開発エンジニアとしての経験
- 4年程度の研究開発部門でのリサーチエンジニアとしての経験
(セキュリティ、AI、プロトタイピング) - 4年程度のAWSの経験
- 開発環境としてAWSを利用するが、ガッツリAWS案件に携わっているわけではない
AWS認定を受験し始めたきっかけ
業務でAWSを利用する機運が高まり、当時のチームメンバーが「Architecting on AWS」というクラスルームトレーニングを受講し始めたのが最初のきっかけになります。3日間丸々使って行う研修で、受講費用もそれなりですが、会社の施策で部門負担なしで受けられたため、申込みの心理的障壁が低かったのが大きいですね。この研修にAWS認定を無料で受講するためのバウチャーが付属していたため、それを利用してSAAを取得しました。最終的にクラスルームトレーニングとしては「Architecting on AWS」「Advanced Architecting on AWS」「DevOps Engineering on AWS」の3つを受講しました。それぞれSAA, SAP, DOPの試験と緩く対応していますが、試験対策のための講座という訳ではないので、試験を受けるにあたって必須ではありません。とはいえ、AWS Japan社のTechnical Trainerの方から直接指導を受けられる貴重な機会になるので、受講して損は無いと思います。
AWSを勉強し始めた当時、非情報系出身者なりにITについて体系的に勉強しておこうとIPAの情報処理技術者試験をよく受けていたのですが(最終的にAP, NW, DB, SCを取得)、よく言われているようにIPAの試験は実務の内容とは少し距離があるため、コスパ(タイパ)の悪さを感じ飽き始めていたところでした。そんな中で出会ったAWS認定は、AWSの各種サービスへの理解・スキルを測る試験であるのと同時に、その裏にあるAWS Well-Architected Frameworkの概念・設計原則や、CI/CDやDevOpsなどのAWSだけに閉じないプラクティスや技術についても問われるため、ITを体系的に勉強したいという目的に合っていると感じました。
AWS12冠、そしてAWS All Certifications Engineers
AWS認定の有用さは感じていましたが、はじめから12冠を目指していたわけではありませんでした。
以下はこれまでのAWS認定の受講履歴です。
最初はProfessinalの2種(SAPとDOP)を取れれば良いかなくらいに思っていたので、受験ペースがかなりゆっくりですね。業務でバチバチにAWSを使っているわけではないので、そこまで至急性が高くなかったということもありますが。DOPに至っては1回不合格になってから再受験して合格するまでに1年以上間隔が空いています。
12冠を目指すに至ったきっかけは、昨年登壇させて頂いたJAWS Days2022のプレイベントですね。自己紹介スライドに取得したAWS認定のロゴを列挙するのですが、ロゴをずらずらと並べるより一言「20xx AWS All Certifications Engineer」と書いてあった方がかっこよくないですか?
AWS All Certifications Engineersについて簡単に説明しておきます。AWS JAPAN APNブログには以下の様に記述されています。
「Japan AWS All Certifications Engineers」とは、AWS Partner Network (APN) に参加している会社に所属し、「AWS 認定資格を全て保持している」AWS エンジニアの皆様を対象にした表彰プログラムです。AWS が認定する資格の種類も増え、AWS 認定資格を全て保持することの難易度は非常に高くなっています。そのような中、モチベーション高く AWS 認定資格取得にチャレンジされている方々を表彰致します。
All Certifications Engineersを受賞すると、同じくAWS JAPAN APNブログ上で会社名と氏名が公表されます。
Web上に名前が残るのは良し悪しありますが、AWSエンジニアとしてはかなりのアピールポイントとなりそうです。
そういう訳で2023 Japan AWS All Certifications Engineersを目指し、昨年度は怒涛の勢いでSepecialty試験や取らずにいたAssociate試験等を取得していました。そしてAll Certifications Engineersの応募締め切り目前の3/28に最後の試験、SAP on AWS試験を受験したのですが、余裕の不合格でした。SAP製品の経験が全く無い上に、試験の準備期間は1週間未満なので当たり前です。
試験の難易度は、体感では
ANS > SAP > DOP >>> PAS > DAS > DBS > MLS > SCS >>> SOA > SAA > DVA >>> CLF
でした。
AWS12冠を達成するための勉強方法
初期の頃は前述の通りクラスルームトレーニングを受講したり、ホワイトペーパーを大量に読んだりしていましたが、AWS認定についていえば問題集を繰り返し解くのが良いでしょう。
おすすめはCloud Licenseです。(このサイトは頻繁にサイト名が変わるので胡散臭い…。前は「AWS WEB問題集で学習しよう」や「koiwa club」と呼ばれていた所です。)
問題集は実際の試験内容に即していれば何でも良いですが、「問題を解いた後に解答と解説をすぐに確認できる」「間違えた問題だけを解き直すことができる」ものの方が使いやすいかと思います。問題集を購入したら、全ての問題と解答を覚えるつもりで繰り返し解きましょう。
問題を解いていて理解が浅いと感じた範囲があれば、対象のサービスのBlack Beltやユーザーガイドを読みましょう。これらを頭から通しで読むという勉強方法も初期の頃はよくやっていましたが、時間が掛かりますし集中力も続かないので、試験対策としてはあまり良い方法ではないなと感じました。まずは問題演習から始めるのがコツです。
ただし、AWS公式がAWS Skill Builderで無料で提供している試験対策コースは4時間程度で完了するボリュームでよくまとまっているので、試験の概要を把握するためにはじめに受けておくことをおすすめします。
AWSの公式問題集も以前は有償でしたが現在は無料で受けられるので、時間があれば受けても良いと思います。ですが、問題数が少なく範囲も限定的なので、この試験の結果は参考程度に留めておいた方がいいでしょう。
あと地味に大切なことは、初めに試験の予約を行うことですね。「合格できる自信が付いてから申込もう」と思っていると、集中力の低い状態でダラダラと勉強することになり、いつまでも受験できません。
AWS認定を通じて得られるもの
要件を聞いた時に、「それはAWSのこれとこのサービスを組み合わせればできそう」と当たりが付けられるようになります。逆に、実際にコンソールやCLIを触ってAWS上で構築を行うスキルはそれほど身に尽きません。結局はドキュメントと格闘しながら構築することになります。
12冠を目指す過程で、セキュリティや機械学習なども含めた広範な分野についての知識が身に尽きます。これらについてはAWSの設計と構築以外の業務でも役に立つでしょう。また、AWS Well-Architected フレームワークの 5 本の柱の概念とそれを実践するためのプラクティスが繰り返し刷り込まれるので、どの選択肢がコスト最適なのか、運用性に優れているのか、パフォーマンスに優れているのか、感覚的に判断することができる特殊技能が身に尽きます。
まだAll Certifications Engineersになっていないので実感はありませんが、AWS案件で社内外から声が掛かる、転職に有利、AWSコミュニティでドヤれる、等の錯覚資産としての効用もあるかもしれません。
AWS認定と弊社
NECは最も多くの AWS 認定累計取得総数 (アクティブな認定数) を達成されたパートナーに贈られる「All Certifications Champion」を5年連続で保持しています。
一方で、All Certifications Engineersはわずか4名といささか寂しい状況となっておりますので、もっと多くの仲間がAll Certifications Engineersを目指してくれればと思っています。
おわりに
あなたもAWS認定12冠を目指してみませんか?
2024 Japan AWS All Certifications Engineersの応募締切までは3カ月もあります。
まだ間に合います。
【参考】AWS認定のスコア
試験 | 1回目スコア | 2回目スコア |
---|---|---|
AWS Certified Cloud Practitioner | 853 | |
AWS Certified Solutions Architect - Associate | 788 | |
AWS Certified Developer - Associate | 867 | |
AWS Certified SysOps Administrator - Associate | 763 | |
AWS Certified Solutions Architect - Professional | 783 | 781(再認定) |
AWS Certified DevOps Engineer - Professional | 682(不合格) | 877 |
AWS Certified Security - Specialty | 785 | |
AWS Certified Advanced Networking - Specialty | 685(不合格) | 755 |
AWS Certified Database - Specialty | 787 | |
AWS Certified Machine Learning - Specialty | 821 | |
AWS Certified Data Analytics - Specialty | 789 | |
AWS Certified: SAP on AWS - Specialty | 729(不合格) | 791 |