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「スタッフエンジニア」を読んで 〜キャリア考察〜

Last updated at Posted at 2024-08-17

前段

スタッフエンジニア マネジメントを超えるリーダーシップ」という書籍を通して、改めてキャリアを考察し直しました。

本の大まかな構成

第 1 部では、「スタッフ」とはどういう役割なのか?またどのように活躍していけば良いのか?といったことが書かれています。

第 2 部では、名だたるテック企業におけるスタッフエンジニアの方へのインタビュー内容が収められています。

そもそも「スタッフ」とは?

キャリアフロー

「スタッフ」という言葉のイメージから、「上位」の位置付けであるという想定をしづらいかと思います。

が、本書では下記のような位置付けになっています。

「スタッフ(重要)」・「プリンシパル(主要)」・「ディスティングイッシュド(際立って優れた)」の3つを総称して「スタッフプラス」と呼び習わすようです。

「シニア(上級)」から「スタッフプラス」にいくのか、「マネジメント」にいくのか枝分かれするイメージです。

典型例(一部)

  • テックリード
    • チームを技術的な成功に導く役割
  • アーキテクト
    • 技術戦略・設計をリードする役割
  • ソルバー(解決者)
    • 複雑な問題を解決に導く役割
  • 右腕(ライトハンド)
    • 会社幹部の補佐を務める役割

本書で取り上げられていたパターンを上記に書き出しましたが、そもそも「スタッフエンジニア」という概念が認知されていない会社も多く、存在しても呼び名や役割がまちまちだったりするようです。

そして、その分かりづらさのため、スタッフではなくマネージャーを選んでしまい、やりたいこととのズレが生じて苦しむエンジニアも多い、ということでした。

大切だと感じたポイント(意訳)

  • 力の注ぎ先に留意する
    • スナッキング(簡単だがインパクトの弱いタスクの消化)を避ける
    • プリーニング(有能なリーダーのフリ)を辞める
    • ゴーストチェイシング(前職での状況に囚われた誤った戦略転換)を辞める
  • 自分の「得意」を活かす
  • インポスター症候群(自分の能力や実績を認められない状態)から脱する
  • 自分を「安全圏の外に」出す
  • 「肩書き」は、周囲からの「信用」を得るのに重要な役割を果たす
  • 役割にも依るが、「スタッフエンジニア」が「コードを書く時間」は減る傾向にある
    • コーディング力は現場から離れるほど衰えるが、そこが肝要ではないと心得る
  • 「スタッフエンジニア」にはコミュニケーション能力が重要であり、重要な技術的課題においても人に委任し育成する意識が肝要
  • 人によって「やりがい」を感じるポイントは異なるので、「肩書き」のために自分の気持ちを犠牲にすることなく、「本当にやりがいを感じるポジション」を目指す
  • 希望のポジションを得るためには「上位の役職者」や現場の「サポート」が必須であり、協力を得られる関係づくり・及び(自身の実績を知って貰う)アピールが肝要
  • スタッフエンジニアになるための「スタッフプロジェクト(重要・かつ難易度の高いプロジェクトにおけるリード)」は必須でないこともあるが、その経験があれば大きな財産になる
  • 「スタッフエンジニア」として重要なのは「個人」ではなく「チーム」として成果を出す、という意識
  • 「専門性」は、「細かいタスク選択」の積み重ねにより培うことも可能
    • なおジェネラリストを目指すか、スペシャリストを目指すかという、どちらの志向もある

感想

全体的にテクニカルな話はほぼ無く、心構えやメンタリティの話が中心でした。

また第 2 部などは丸々インタビュー形式ですし、人によって考え方もまちまちなので、体系的に捉えるのは少し難しく感じました。

ただ、そもそも「スタッフエンジニア」のキャリアというものはそこまで体系立った厳密なものではなく、周囲の力を借りながら自分自身で作っていくものである、と理解しました。

また各インタビュイーの話を読んでいると、マネージャーにいきたいと結論付けている人・マネージャーとスタッフを行き来している人・行くか迷っている人・行ったけどスタッフで行こうと決め直した人・絶対行かないと決めている人、と様々でした。

が、「スタッフエンジニア」は「人事権の無いマネージャー」というぐらい似通った要素が多々あるようでしたので、いずれにせよマネジメントについても学んでいくのが良さそうだ、と感じました。

それから、本書では度々「インポスター症候群」という言葉が出てきますが、どんなに優秀な人でも絶えず不安に駆られ自信の無さに苛まれている、ということがよく伝わってきました。

自分も、なるべく自信を持って、安全圏の外に出るような挑戦をこれからも行っていきたいと思いました。

今後もキャリアについては迷いながら進んでいくことと思いますが、この本を読む中で様々なヒントを得られたのがありがたかったです。

今後はそれらも手掛かりにしつつ、実際の仕事を通して、自分ならではのキャリアを築いていきたいと思います。

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