はじめに
セキュリティの世界には「バックドア」という概念があります。
バックドアは、攻撃者がシステムに忍び込み、知らぬ間に情報を盗んだり改ざんしたりするための裏口です。
自分自身、エンジニア同士の会話でしか聞いたことない程度でしたが、改めて調べるとエンジニアとして認識すべき知識が詰まっている概念だと思いました。
この記事でまとめてみたので是非読んでみてください!
バックドアとは
バックドアは、システムやアプリケーションに通常の認証手続きをせずにアクセスできる隠れた経路や手段のことを指します。
いわば、PCやサーバー、システム・アプリケーションなどに不正侵入するための入り口です。バックドアを仕掛けると、攻撃者はその後いつでも認証を回避して侵入できるようになります。
バックドアが利用される一般的な手法と具体例
-
ソフトウェアの脆弱性を悪用
- ソフトウェアの脆弱性を悪用してバックドアを設置する手法です。
- 脆弱性を狙った
SQLインジェクション
やOSコマンドインジェクション
などのサイバー攻撃は、バックドアを設置する手段としても有名です。 - パッチを適用されていなかったりゼロデイの場合にバックドアを設置されるリスクが高まります。
-
フィッシング攻撃
- メールの添付ファイルや、Webサイトからダウンロードしたファイルにマルウェアが仕込まれていて、ファイルを開くことでバックドアが設置されることがあります。
-
ハードウェアバックドア
- デバイスのファームウェアに意図的に設置されたバックドアより、攻撃者がデバイスをリモートで操作できるようになるケースがあります。
-
開発時に設置する
- 開発やメンテナンス時に開発者が自らバックドアを設置してテストを施し、除去せずにリリースしてしまうパターンもあります。
- これを攻撃者に発見されてしまい、被害を受けることもあり得ます。
- また、バックドアが設置されているオープンソースを利用することで被害を受けることもあります。
- 開発やメンテナンス時に開発者が自らバックドアを設置してテストを施し、除去せずにリリースしてしまうパターンもあります。
バックドアの被害
-
データが漏洩する
- 個人情報や機密情報、事業計画などの企業秘密が漏洩する恐れがあります。
-
操作記録が窃取される
- キーボードやマウス操作の記録を行う
キーロガー
と呼ばれるツールを仕掛けられる場合があります。 - キーロガー自体は悪質なものではないのですが、操作記録を盗まれることでIDやパスワード、カード情報などが抜き取られてしまいます。
- 結果としてアカウント乗っ取りやクレジットカードの不正利用などの被害につながります。
- また、ログからも機密情報が漏洩することもあります。
- キーボードやマウス操作の記録を行う
-
通信が傍受される
- メールやチャット、通話、Webミーティングなどの通信を傍受されて漏洩する被害もあります。
-
データやシステムが改ざん・破壊される
バックドアに対する基本的な対策方法
-
従業員のセキュリティ意識を高める
- 従業員がセキュリティ意識を高めるために、情報漏洩の危険性や対策の重要性を理解する研修や声掛けをしてリテラシーを教育する必要があります。
- 従業員のリテラシーを高めることで下記のリスクを軽減できます。
- 添付ファイルを開いてマルウェアに感染してしまう。
- 不審なソフトウェアを無断でダウンロードし、バックドアを仕掛けられる。
-
OS・アプリケーションなどを最新の状態にする
- ソフトウェアやOSの脆弱性を突かれて、バックドアを設置されるパターンがあります。
- 常に最新のバージョンにアップデートすることで、脆弱性を改善する修正パッチが適用され、安全性を保つことが期待できます。
-
セキュリティパッチの適用
- ソフトウェアやシステムの脆弱性を修正するセキュリティパッチを迅速に適用することが重要です。
- 脆弱性をついたバックドアの設置を防ぐことができます。
- ソフトウェアやシステムの脆弱性を修正するセキュリティパッチを迅速に適用することが重要です。
-
セキュリティ監査の実施
- 定期的にシステムやネットワークのセキュリティ監査を行い、バックドアが設置されていないかを確認することが重要になります。
-
多重防御の導入
- ファイアウォール、IDS/IPS、アンチウイルスソフトウェアなどの多層防御を導入し、複数のセキュリティ対策を組み合わせて使用することで、バックドアの設置や活動を防ぎます。
おわりに
バックドア、恐ろしいですね。だからこそ対策を入念に行って多大な被害を受けないようにすることが重要だと思っています。
対策が面倒になってきたら被害面に着目して改めて対策の重要性を認識してもらえたらなと思います。
参考リンク