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Tableau Readerがお勧めできない理由

Last updated at Posted at 2022-05-02

当社ではTableau Onlineを利用しており、Tableauを導入している顧客ではTableau ServerまたはTableau Onlineを利用してVizを共有していますが、やむを得ずTableauパッケージドワークブック(twbx)を配布してTableau Readerを配布していました。

現時点でも、Tableau ReaderでVizを見ていただくことはありますが、これは好ましいことではありません。Tableau Readerを使うことの課題を述べた優れた記事がすでにありますが、これに若干の補足を加えたいと思います。

リソース喰いで事務系のPCスペックでは足りない

企業においては、導入するPCのスペックが職種によって決められている例も少なくないと思います。たとえば、事務系ではメモリが少なく、ストレージがHDDであるというように。

しかし、たとえば64ビット版Windows 10であれば、経験上、メインメモリが6GB以上ないとディスクI/Oばかりが発生して処理が進まない「スラッシング」が頻繁に発生するようになり、ストレージがHDDだと仕事に支障が出てしまいます。Tableauのようにメインメモリを多く必要とするアプリケーションではなおさらです。

自分の体験としても、事務系のPCを使っている方から「ものすごく苦労して Tableau Reader をインストールしたのに、まともにvizを使えなかった」と直接苦言を呈されたことがあります。

アンチウィルスソフトが重いとさらに辛い

アンチウィルスソフトの処理が重い場合は、上記の現象はさらに顕著になります。モバイル機器にさらにセキュリティソフトがインストールされていると、二重苦、三重苦という様相を呈してきます。

このような状況では、「Excelブックを配られていたときには軽快に使えていたのに、なんでこんな目に遭わないといけないのか」という不平不満がさらに募ってきてしまいます。

Tableauを推進する方としては、より望ましい方向に進めているという認識があるだけに、利用者との認識の差がしばしば余計な軋轢を生み出すことになります。

巨大なソフトを頻繁にアップデートする必要がある

Tableauは年4回のリリースをコミットしています。現時点の最新版は2022.1系列ですが、これは2022年の最初のリリースという意味で、2022年中に2022.4までおおむね四半期ごとにリリースされることになります。

Tableau Desktopはside-by-sideインストール、つまり複数のバージョンを同一環境にインストールできますので、Desktopユーザーは最新版をインストールし、保険として過去のバージョンを使うことが多いと思います。つまり、Desktopユーザーのバージョン追随は早いと思われます。Tableau Readerのユーザーにとっては、どのバージョンのTableau Desktopが使われたかが問題になります。2022.1で作られたファイルは、それよりも前のたとえば2021.4で開くことができません。

Tableau ReaderはTableau Desktopから一部の機能を省いたデチューン版ですが、ソフトウェアの構成はほぼ同じだと思われ、サイズもあまり変わりません。したがって、Tableau Desktopとあまり変わらない大きなソフトを、Tableau Desktopと同じ頻度でアップデートしないといけないのです。リリースごとに機能追加が行われるので、Creatorライセンスをもつ人はTableau Desktopを最新版にする動機をもっています。過去の版を使えるという保険もあります。一方、Readerを使う人はバージョンアップの必要性を感じていない/わからないのです。

無料のTableau Publicアプリでデータがバレる

パッケージドワークブックにデータソースを含んでいる場合、Tableau Desktopでひらけばデータが分かります。そして、vizの作りも分かります。

Creatorライセンスを持つ人はTableau Publicサイト(ASP)にvizをパブリッシュできるのであまりご存じないように思われますが、Tableau Publicという同名のデスクトップアプリがあります。Tableau Publicは、ASP、デスクトップアプリとも無料で利用することができます。

Tableau PublicアプリはTablau Desktopの機能制限版で、一番厳しい制限は保存先をTableau Publicサイト(ASP)だけにしているという点です。Tableau Publicサイトは基本的に誰でもアクセスできるので、秘密のvizをパブリッシュすることはできません。(ダウンロードは禁止できますが、検索はしにくくできても閲覧できてしまいます。)

しかし、Tableau Publicアプリでは、データが抽出されたパッケージドワークブックを開くことができます。つまり、Tableau Desktopと同様に、パッケージドワークブックのデータやvizの作りがバレてしまうことがあるのです。

大きなデータソースのvizは配布しにくい

数100万行のデータソースだとファイルサイズも大きくなります。実体験として、500万行の販売データをvizにしたときには、パッケージドワークブックが60-70MBにもなりました。メールでのやり取りがしにくいサイズなので、クラウドストレージを使って配布するなどしていました。

結論:Tableau OnlineまたはTableau Serverでvizを共有しよう

2021年1月まではViewerライセンスの最低購入数が100で、買いにくいライセンス体系でした。(Creatorはサイトごとに最低1本必要で、Explorerの最低購入数は5でした。)しかし、2021年2月からはViewerライセンスの最低購入数が撤廃され、買い求めやすくなりました。一人社長の超零細企業である当社もViewerライセンスを追加し、お客様とTableau Onlineでvizを共有しています。

viz自体を共有してブラウザで見てもらうので、上述の問題がありません。データソースまたはvizに変更があったとしても、常に最新版を共有できます。

Tableauのアカウントは自由に作成でき、必要に応じてライセンスを割り当てられるのが良い点です。

以上のように、vizの共有はTableau OnlineまたはTableau Serverがお奨めです。

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