0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

あぐらぼスクラムチームの1年間の振り返り内容大公開!

Last updated at Posted at 2024-08-05

はじめに

AgVentureLabの藁谷です!好きなスクラムイベントはレトロスペクティブです。
アジャイル開発に従事して3年、SMとして2年が経つのですが、毎年チームメンバーが変わることもあり、どのようにして人やチームをアジャイルにするサポートができるのか、日々悩んでいます。。

先日、1年間の総決算、年度振り返りをしました!
そこで、この記事ではどのようなイベントをどのような意図で実施したのか、何がウケたのかを公開します!
加工してますが実際に使っているmiroの内容やらSprint0資料も含めて載せているので、何かの役に立てば幸いです。

特に読んでほしい人
・四半期、年度の振り返りについて他のチームの取り組みを知りたい人
・人員が頻繁に変更されるチームの方向性を維持できるか悩んでいる人

目次

  1. 振り返りの目的
  2. Sprint0資料の確認・見直し要否チェック
  3. プロダクト年表確認
  4. 第4四半期の振り返り
  5. 次年度へ向けた+/∆
  6. 新メンバーでの取り組み
  7. 終わりに

振り返りの目的

まず、私たちのチームはPO1人、Dev4人、SM兼Dev1人で構成されています(さらに1人、営業やユーザ対応関連作業を担当しているサブPO的ポジションの方がいます)。
しかし、2023年度末にPO1人とDev3人が離任することとなりました😭😭

Devの交代要員のうち2人が2月に着任しOJT中、1人は4月に着任するスケジュールです。
POは営業・ユーザ対応を実施していた人がそのままPO業務を引き継ぐこととなりました。

チーム自体が大きく変わることから、今回の振り返りでは、チームが継続的に改善するアクションを決めるのではなく、新たなチーム立ち上げに向けての作戦を立て、現在のメンバーからエールをもらいたいと考えています。

また、新しいメンバーを迎えるにあたって、チームの方向性を一致させるために、インセプションデッキなどSprint0のドキュメントが役立つと考えています。そのため、これらの資料を現在のメンバーで見直し、新しいメンバーが参入する際には、まずこの資料を使用して、チーム全体が同じ方向を向けるようにしたいと思っています。

次年度のチームビルディングや年度の目標策定のために、以下の内容を洗い出すことを目的としています。

  • Sprint0資料の見直し内容
  • 継続して取り組みたいチーム・プロダクトの要素
  • チーム・プロダクトが抱える問題

これを達成するために、打ち合わせの全体構成を以下のように設計しました。
なお全て対面での実施となります。
※全体で3h,(50min+休憩10min)×3

所要時間
振り返りでやることの説明 5min
Sprint0資料の確認・見直し対象投票 45min
休憩 10min
プロダクト年表確認・ディスカッション 50min
休憩 10min
3Q振り返り時の+Δ改善確認投票・ディスカッション 25min
次年度へ向けた+/∆ 20min
PO総評 5min
バッファ 10min

次章からは実施項目ごとにどのようなことをしたのか、説明します。

Sprint0資料の確認・見直し要否チェック

【使う資料・データ】
リーンキャンバス・インセプションデッキ
【狙い】
新年度での各資料の見直しポイント・議論すべき内容のメモ
チーム・プロダクト方針の向き直り(ピボット)

Sprint0資料については詳細はお見せできないので、解像度の低い図で失礼します。

スクリーンショット 2024-04-04 10.35.43.png

図だと分かりづらい思うのですが、私たちのチームではリーンキャンバスとインセプションデッキの一部を作成してSprint0資料としています。以下資料一覧
・リーンキャンバス
・我々はなぜここにいるのか
・エレベーターピッチ
・パッケージデザイン
・やらないことリスト
・「ご近所さん」を探せ
・トレードオフスライダー
・技術的な解決策

これらの資料について、現在の記載内容を簡単に読み合わせ、乖離が発生しているものや見直したいもの、ディスカッションしたいものについて投票を行いました。
その上で、どの観点で見直すべきか付箋に張り出し、ディスカッションしました。
新年度のメンバーはこの見直し観点をもとに、チームやプロダクトの方向性を合わせることになります。

プロダクト年表確認

【使う資料・データ】
年表(各Sprintの達成US、ベロシティ推移、ニコニコカレンダー)
メンバーごとタスク種類ごとの実施割合
【狙い】
”次年度へ向けた+/Δ”を実施する前のメンバーの頭の整理
(チームビルド/スキルの偏り/サイロ化などの観点を主眼に)

次にプロダクトの年表を作成し「各SprintでどのUSを完了させたか」「リリースのタイミング」、プロダクトには関わらないが我々のミッションの一つである「ワークショップ実施の実績」をまとめました。

年表作成にあたっては、miroのユーザーストーリーマップのテンプレートと、AzureDevOpsのクエリを利用して各SprintでDoneにしたUSを一覧化しました。

年表の下には各Sprintの達成ストーリーポイント数の推移とニコニコカレンダーを貼り付け、調子の良かったSprintとその時のメンバーの気持ちを並べることで、チームの健康とパフォーマンスを紐つけて見える化をしました。

そのほかに、年間で実施したタスクを集計して、我々のチームで主に利用しているVue・Java・Kotlinの各言語の実装作業をどのような割合で取っていたのかをメンバーごとに表示し、タスクに偏りがなかったかを確認しました。

スクリーンショット 2024-04-04 10.54.32.png

年表として1年間の取り組みを可視化したことによって、「この時が大変だったよね」「この頃の雰囲気良かったよね」など割とエモーショナルな意見から、「どのような状況でチームが大変になったのか」「チームの雰囲気と生産性」などの話し合うことができました。
また、タスク割合に関して、人により偏りがないか・得意苦手の傾向を把握することができました。期中にはスキル平準化のアクションなどを実施していたので、タスク種類の偏りが大きくはなかったことからアクションは機能したと言えそうです。

1年間のおさらいについては準備は大変ですが、記憶ベースではなかなか思い出せないようなところまで思い出し、振り返ることで”次年度へ向けた+/Δ”を実施する前のメンバーの頭の整理ができました。
このプロダクト年表確認は、1年の振り返りの中で最もメンバーから 「やってよかった」 と言われました。

ただし、このタイミングですでに一旦+/∆の付箋張り出しタイミングを挟んでも良かったか?とも思ったので、ここら辺は今後もいろいろ試してみたいところです。

第4四半期の振り返り

【使う資料・データ】
第3四半期振り返り時の+/∆
【狙い】
次年度メンバーへの引継ぎ事項の決定

2023年度の第3四半期振り返り時に以下のような+/∆が出ました。
image.png

これをグルーピング・ラベリングをして簡単に読み上げ、おさらいしました。
その上で、第4四半期ではできていたか、できていなかったかを投票してもらいました。
image.png
こちらについては結果は分かりやすく、+は今期も継続またはより発展して取り組めており、∆については部分的な改善に留まりました。
これは、第4四半期についてはプロダクトの製品版リリースやチームメンバー入れ替えに伴う対応により、新たな取り組みがあまりできず第3四半期と同じような結果になったものと考えられます。継続して改善することが重要なので、なかなか厳しい結果となりました。

次年度へ向けた+/∆

【使う資料・データ】
ここまでの振り返り結果
【狙い】
次年度メンバーへの引継ぎ事項の決定

これまでの振り返りをもとに、2024年度に向けた意見出しを行いました。
やっていることは+/∆なので、特別なことはやっていないのですが、付箋枚数が多くなりそうだったので普段よりも付箋を出す時間を長く取りました。
また、次年度メンバーにて検討や実施してほしい事柄について1人5票で投票を行い、引継ぎ事項を決定しました。
↓付箋多すぎで普段なら困ってるやつ。今回はアクション決めに別途時間を設けるのでヨシ
image.png

(年度明け追記)新メンバーでの取り組み

ここからは振り返りの内容ではなく、振り返り結果をどのように利用していったかというおまけです。
平たくいうと年間目標とそのアクションの策定及び、チームビルディングにも活用したよ、というお話です。

【使う資料・データ】
Sprint0資料(主にインセプションデッキ)
振り返り結果(アクション決定の元ネタ)
POのイメージする年間の方針
SMとして実現させたいチーム成長のイメージ
【狙い】
チームの向いている方角を一致させる
どのようなチームにしたいかの認識合わせ
チームの課題についての認識合わせ
四半期の目標・年間の目標作成

新年度になり、新規着任者を迎えたのでオンボーディング・チームビルディングを行いました。

今年度はとにかく主力級のメンバーが離脱した分を補う必要があるため、各メンバーには「技術力の向上」と「チームとして動くことの必要性・有効性」を意識してもらいたいと考えています。
そのためにも、全員が同じ方角を向き共通の課題意識を持ってもらう必要があります。

そこでチームビルディングの第一歩を以下のように設計しました。
※一気に実施したのではなく、各項目ごとに2週にわたって実施しました。

なお、事前のイベントとしてメンバー同士は偏愛マップを用いたアイスブレイクを行っています。

所要時間
Sprint0資料の説明・読み合わせ 45min
前年度振り返りのアクション決め 45min
ドラッカー風エクササイズ・
どんなチームにしたい?
60min
第1四半期目標・年間の方針策定 60min

(Sprint0資料の説明・読み合わせは前述と同様なので説明は割愛)

前年度振り返りのアクション決め

前年度の振り返りによって出した+/∆の投票結果を受けて、新しいチームにてアクションを決定することが目的です。

昨年度メンバーの+/Δを当時のディスカッションの内容を含め、今年度メンバーに説明。今年度メンバーからは積極的に質問もあり、チーム本格参入前のフレッシュな意見がとても有効でした!

決定したアクションの方針としては
・今までできていたものについては高度化を目指す
・課題であったチーム力の向上について以下の観点でアクションを実施する
 - 開発能力
 - スクラムイベント運営能力(ファシリテーションスキル)
 - スキル平準化・属人化解消
といった形になりました

SMの立場からすると、メンバー1人1人がチーム・プロダクトに主体性を持って向き合い、全員が自発的に行動を起こしてほしいので、こういったアクションが出る=問題意識を共有できているなと感じました。
image.png

ドラッカー風エクササイズ・どんなチームにしたい?
 →第1四半期目標・年間の方針策定

次に開発チームとしてのアイスブレイクや相互理解も兼ねてドラッカー風エクササイズを実施しました。これにより各メンバーがどのような意識を持って仕事に取り組むつもりなのか確認し、その上でどのようなチームにしていきたいのか、ブレストチックに意見を出してもらいました。
これを実施した意図としては「自分たちはどのようなチームであれば最大限の能力を発揮できるのか」を考えてもらいたかったからです。

その後、POより今年度のプロダクトの方向性とチーム目標および各クオーターに達成したいアクションが共有され、スクラムチームの今年度の目標を決定しました。

今後は振り返りのタイミングでこちらの資料を見返し、達成した目標を潰し込んでいくことによって狙っていた方向に進めているか確認するものとなります。
また、何らかの作業を目標に掲げているもののバックログにアイテムが無い場合には、そちらについても確認し新規で起票・第1四半期のスコープに入るよう優先順位を検討しました。
image.png

終わりに

やったことを背景や狙いも含めて説明しただけではありますが、読んでくださった皆様の何かのプラスになれば幸いです!
もしよければ皆さんのチームでの方針立てや振り返り・向き直り手法など記事にしていただいていたら読みたいと思いますので、ぜひコメントなどで教えてください!

0
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?