LoginSignup
22
16

More than 5 years have passed since last update.

Mind で Neural Network (準備編2) 順伝播・逆伝播 図解

Last updated at Posted at 2017-04-02

概要

Mind で Neural Network (準備編1) 文字画像の読み込み の続きです。
実装を行うにあたり、ニューラルネットワークの 順伝播と逆伝播の処理内容を 図を作りながら調べました。
図に簡単な説明をつけて本記事として公開します。

背景

Deep Learning についての勉強をはじめました。
基本の ニューラルネットワークを 実装できる程度に理解することを 第一の目標としてます。
参考図書として

ゼロから作るDeep Learning ―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装
著者:斎藤 康毅

を用いてます。
この参考書では Python で numpy を用いて 行列で ニューラルネットワークの順伝播と逆伝播の処理を実装しています。
行列演算のない言語での実装では、参考図書の行列演算を、ループでの処理に展開を要します。
ループ内の個々の処理が、ニューラルネットワーク内でのどういう動きを示すのかを、図にしながら 理解していきました。
私と同様に ニューラルネットワークの処理内容を学ぶ方の 参考になれば幸いです。
本記事では 実装に必要となる式 を結果を中心に示しています。式の算出過程は、参考図書および他の記事に譲ります。

ニューラルネットワーク内の動き

NN01-01.PNG
隠れ層が1つの構成で示していきます。
図中ではパーセプトロンを〇で示しています。本記事ではパーセプトロンを"〇"の記号で略します。
入力層は 画像などのデータの格納を行います。
 $X_1$~$X_3$で示す〇は、画像の例では 画素(1点)の輝度値に対応します。
ニューラルネットワーク内を、
 入力層 → 隠れ1層 → 出力層 → 確率
 と伝播してき、判別結果が各確率 $Y_1$~$Y_3$ と算出されます。

重み

NN01-02.PNG

前層から次層への値の伝達は 重み をかけて行います。
図にて $B^{(1)}  B^{(2)}  W^{(1)}  W^{(2)}$ で示しす領域が 重み を示しています。
〇間の結線は 個々に異なる 重み をもちます。
個々の 重み に説明用に番号を付与します。(図中の赤線で例示)

この 重み の適切な値を求めることが ニューラルネットの学習 になります。
X → Y の流れを 順伝播と呼称します。
 入力値からニューラルネットワークを介し判別結果の各確率を算出します。
X ← Y の流れを 逆伝播と呼称します。
 正解(教師データ)と判別結果を比較し 誤差を求め、
 重みの値を調整し誤差を小さくするために、
 誤差を X←Yの方向に伝播させ、重みの微分値を算出します。

順伝播と逆伝播を図示していきます。

ReLU関数

本記事では ReLU関数を活性化関数に用います。
ReLU関数は、0以下の入力は0とし、0より大きい値はそのまま値を用いる関数です。
式を示します。

ReLU(x) = \left\{
\begin{array}{ll}
x & (0 \lt x) \\
0 & (x \leqq 0)
\end{array}
\right.

順伝播

入力層 → 隠れ1層

NN02-01.PNG
図の $H_1$に注目します。
$H_1$値は、バイアスと 前層の全$X$ から受けた値を、足し合わせ、活性化関数を行った値です。
式を示します。
$$H_1= ReLU( B_1^{(1)} + X_1W_{1,1}^{(1)} + X_2W_{1,2}^{(1)}+ X_3W_{1,3}^{(1)} )$$

$$ = ReLU( B_1^{(1)} + \sum_i X_iW_{1,i}^{(1)})$$

隠れ1層内の他の〇の値についても同様です。
$H_2$ ~ $H_4$ を図示します。
NN02-02.PNG


NN02-03.PNG


NN02-04.PNG


隠れ1層 → 出力層

NN02-05.PNG

出力層への伝達では、バイアスと 前層の全$H$ から受けた値を、足し合わせた値を用います。
活性化関数は用いません。
図の $A_1$の式を示します。
$$A_1= B_1^{(2)} + H_1W_{1,1}^{(2)} + H_2W_{1,2}^{(2)}+ H_3W_{1,3}^{(2)}+ H_4W_{1,4}^{(2)} $$

$$ = B_1^{(2)} + \sum_i H_iW_{1,i}^{(2)}$$

$A_2$、 $A_3$ も $A_1$と同様です、図示します。

NN02-06.PNG


NN02-07.PNG


出力層 → 確率

NN02-09.PNG

出力層の〇の値を全て使用し Softmax関数にて 確率$Y$を算出します。
式を示します。

{ Y_i=\text{softmax}(A_i) = \frac{\exp(A_i)}{\exp(A_1)+\exp(A_2)+\exp(A_3)}}
{= \frac{\exp(A_i)}{\sum_j \exp(A_j)}}

確率と正解の比較 誤差の算出

NN02-11.PNG

算出した確率$Y$と 正解値$T$を比較し、誤差を算出します。
正解値$T$は、正解の〇には 1.0 が格納され、他の〇には 0 が格納されてます。
($T_1$が正解の場合の例: $T_1$:1.0 , $T_2$:0 , $T_3$:0)

本記事では「交差エントロピー誤差」を用います。
式を示します。

$$E=-(T_1\log Y_1+T_2\log Y_2+T_3\log Y_3)$$
$$ =-\sum_i T_i\log Y_i$$

この値が小さくなるように 重み を調節するために、逆伝播を行っていき、重みの微分値を求めていきます。

逆伝播

順伝播で算出した値は 大文字 を用いてます。
対応する逆伝播値を 小文字 で示します。

出力層 ← 確率

NN02-12.PNG
出力層の逆伝播値 $a$ の式を示します。
$$a_i = Y_i - T_i$$
この式が単純化するよう、softmax関数 と 交差エントロピー誤差 の組み合わせで設計されてます。(すばらしい)

隠れ1層 ← 出力層 (重み微分値)

NN02-13.PNG

逆伝播値が、そのまま バイアスの重み微分値になります。
式を示します。
$$Δ b_i ^{(2)} = a_i$$


NN02-14w.PNG

前層〇との重み微分の式を示します。
$$Δ w_{i,1} ^{(2)} = H_1 a_i$$

$H_2$ ~ $H_4$との 重み微分の算出も同様です。図示します。

NN02-15w.PNG


NN02-16w.PNG


NN02-17w.PNG

隠れ1層 ← 出力層 (逆伝播値)

NN02-14h.PNG

前層〇の 逆伝播値 の式を示します。
$$h_1= W_{1,1}^{(2)}a_1 + W_{2,1}^{(2)}a_2+ W_{3,1}^{(2)}a_3$$
$$ = \sum_i W_{i,1}^{(2)}a_i$$

$H_2$ ~ $H_4$との 重み微分の算出も同様です。図示します。

NN02-15h.PNG


NN02-16h.PNG


NN02-17h.PNG

逆伝播 ReLU

順伝播時に0 となった〇は、逆伝播値を0 にする。

逆伝播 ReLU(h) = \left\{
\begin{array}{ll}
h & (0 \lt H) \\
0 & (H \leqq 0)
\end{array}
\right.

入力層 ← 隠れ1層 (重み微分値)

NN02-18.PNG

逆伝播値が、そのまま バイアスの重み微分値になります。
バイアスとの重み微分の式を示します。
$$Δ b_i ^{(1)} = h_i$$


NN02-19.PNG

前層〇との重み微分の式を示します。
$$Δ w_{i,1} ^{(1)} = X_1 h_i$$

$X_2$, $X_3$との 重み微分の算出も同様です。図示します。


NN02-20.PNG


NN02-21.PNG

ミニバッチ処理での 重み微分値

ミニバッチ処理では、複数枚の画像を用いて、重み微分値を求めます。
ミニバッチの開始時に 重み微分値をクリア、以後ミニバッチ期間内で累積した値で、重みを補正します。
ミニバッチ時の、重み微分値の累積を、バイアスと 〇 それぞれ1つ図示します。

NN03-02.PNG


NN03-03.PNG

重み更新

画像毎の順伝播と逆伝播を、ミニバッチの枚数分行い、加算していった $ΔB$ , $ΔW$ を用いて、$B$ , $W$ の値を更新します。

確率的勾配降下法(Stochastic Gradient Descent) 略称"SGD" での更新式を示します。

$$B=B-η ΔB$$
$$W=W-η ΔW$$

$η$ は学習係数を示し、0.01や0.001といった値を用います。

重み初期値

活性化関数にReLUを用いる場合、nを前層の〇数とすると、各$W$の初期値は$\sqrt{\frac{2}{n}} $ を標準偏差とするガウス分布が適すようです。

Mind言語でのガウス分布の生成は「Mind言語で 疑似乱数関数 を作ってみた」を参考下さい。

次記事

Mind で Neural Network (SGD)

22
16
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
22
16