Scrum Inc.認定スクラムマスター(LSM)をこれから受ける方の参考になればと思い、概要や流れをご紹介します。
ScrumAlliance認定スクラムマスター(CSM)との比較ではありません
はじめに
【私の経歴と受験動機】
- 1995年にプログラミングに出会いソフトウェア開発の世界へ。
- 長年のSIer勤務を脱しプログラマを卒業後、現在は事業会社の社内SEの立場で要件定義に従事。
- 実務ではウォーターフォール開発経験しかなく、スクラムを良く知らなかった。
- 2021年3月、担当するレガシーシステムの将来的なアジャイル開発への転向に備え、役立てたいと思い取得。
- 2022年3月、失効期限が到来したため、更新。
認定スクラムマスター(LSM)とは
- 団体Scrum Inc.1が主催するスクラム研修と認定資格。
(詳しくはセミナーSclumInc参照) - セミナー受講資格の条件はなし(誰でも受講可)
- 2日間の研修を完了すると受験資格を得られ、オンラン受験後、認定証を与えられる
- 有効期限:1年
費用
- 受験費用:22万円(税抜価格20万円)/人
- 更新費用:$50(クレジットカード決済のみ)
申し込み
セミナーSclumIncの通り、常に3ヵ月程先まで満席(キャンセル待ち)状態。(2021年~2022年03月時点)
期間に余裕をもって申し込もう。
事前準備
- Scrum Inc.Japanセミナー事務局より、受講要項の案内メールが届く(約1週間前)
- ZoomミーティングID、スクラムガイドと用語集のテキストをダウンロードURLが記載されている
テキストは事前に目を通そう
研修時間
9:00~17:00(昼休憩12:00~13:30)×2日間
研修内容
受講メンバーがスクラムチームを作りワークショップ形式で学ぶ
【座学】
- 事前配布のテキストに沿って、講師による講義を聞く
【ワークショップ】
- 各スクラムチームごとにブレークアウトルームに移動
- ワーク遂行はホワイトボードツールMiro2を利用し効率的に
- ワーク遂行はカメラONで活発にコミュニケーション
- QAはMiroに質問を記入する方式で、他のスクラムチームのMiroも閲覧可能で沢山質問できたのが良かった
- 受講終了時に受験要領が説明され、直ぐに受験が可能となる
デュアルモニターで1面に全員のカメラ、2面にMiroを表示すると便利
(タブレットとPCの2台で入室も可)
受験
受験期限:セミナー受講後30日以内
1.ScrumLabにアカウントを作成
2.受験
問題数:30問(択一選択問題、4つの選択肢のうち、正解を1つ選択)
時間制限:なし
合格ライン:23問/30問
不合格の場合、1度だけ無料で再受験可、以降の再受験は$25/回
テキストを見ながらの回答OK
難易度は低い
(講師の話では8割以上の方が1発合格、2回不合格になる方は0名に近いそう)
3.認定証の発行
できるだけ記憶が新鮮なうちに受けよう!
更新
1.失効期限の1ヵ月前にメールがくる(英語)
2.ScrumLabにログイン
3.「達成実績」メニューより更新の手続きに進み、クレジットカード番号を入力
4.決済完了すると、更新試験の開始
問題数:12問(択一選択問題、4つの選択肢のうち、正解を1つ選択)
時間制限:なし
合格ライン:不明
不合格の場合、$50/1回で再受験可
メールを見逃さないようにしておこう!
(送信者メールアドレスのドメイン「@scruminc.com」で引っ掛けるとよい)
失効期限到来から失効まで
更新期限1ヵ月前のメールを無視して更新しないでおくとどうなるか追記します。// add 2023.03.28
「登録済みスクラムマスターの資格の有効期限が切れました。」というメールが送られてきます。(もちろん英語)
そのメールに続けて、下記のような記載があります。
「このメールからさらに60日間の執行猶予があり、期限内に更新すれば失効を免れることが出来る。
この60日執行猶予を過ぎてしまうと、再度資格を得るためには、高額な研修受講からのやり直しとなります。」
とのことです。
で、結局・・・「スクラム」とは何か
顧客に価値をデリバリーするフレームワーク
- 大きな仕事を小さく分解して、小さなチームで行う
- 2倍の仕事を1/2の時間で行う
- 短期間でアウトプットを顧客に届ける
これによりアジリティの高い組織にする
単なる開発手法の方法論ではない!
ソフトウェア開発だけでなく、製造業を始めあらゆる業種、現場で実践可能
「スクラム」のメリット
- 顧客満足度(価値)の最大化
- プロセスの無駄を排除(シンプルさを最優先)
- プロセスの可視化、属人化解消
- 問題を明るみにして対処する
- メンバー個々が互いに尊重しあう
- メンバーの幸福指数を大切にする(=スクラムでHappyに)
・・・etc・・・
資格を取ってみた感想
- 私が参加したときのメンバーのスキルセットは、実務でスクラム開発を始めた方と経験がない方と半々だった。
- 初対面でもワーキングアグリーメントのおかげで心理的安全が確保され、意見発信が活発になり、オンラインコミュニケーションでも十分にチームが一体となって取り組み、2日間で親睦が深まった。
- アジャイル開発のみならず、ウォーターフォールの現場でも部分的に取り入れ可能で、業務効率改善、タスク管理可視化、属人化解消等に非常に役立つスキルが満載だった。
- スクラムの素晴らしさに雷に打たれたかのように感動、とても充実した2日間だった。
ただし、実践は簡単ではないと感じた。
資格を取ればスクラム開発ができるというわけでなく、実践によって身に着つくと感じた。
組織が初めてスクラム開発を取り入れるならば、正しい知識を身につけなければ間違いだらけのなんちゃってスクラム開発(中身の実態はウォーターフォール)になるので、メンバー全員受講必須にするべきだと思った。
結論
Scrum Inc.講師の方に直接質問ができる絶好の機会ですし、
アジャイル開発している人もしてない人も、かなりお勧めの研修です