はじめに
皆さんはソフトウェアの更新をしていますか。
ソフトウェアの更新と聞くといくつかの単語が出てきます。
それは「アップデート」・「アップグレード」・「バージョンアップ」です。
それぞれざっくりと以下のような内容になります。
※人によって解釈が違う場合があります。
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アップデート
ソフトウェアのプログラムやファイルの一部分を更新すること。ソフトウェアに大きな変化はない。
(小規模な更新) -
バージョンアップ(アップグレード)
ソフトウェア全体に対して大部分を更新・改良すること。ソフトウェアに大きな変化がある。
(大規模な更新)
「バージョンアップ」と「アップグレード」は厳密には違いますが、だいたい同じような意味合いです。
さて、今回はソフトウェアのバージョンアップ(アップグレード)についてお話をさせてください。
バージョンアップのメリット・デメリット
ソフトウェアをバージョンアップすると様々なメリット・デメリットがあります。
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【メリット】
- 新しい機能の追加や改善
便利な機能の追加や性能の改善などの恩恵が受けれます。 - セキュリティ性能の向上
定期的なアップデートやリリースにより脆弱性対策ができます。 - サポート期間の延長
ソフトウェアのアップデートを受けれたり、問い合わせ等のサポートを受けることができます。
- 新しい機能の追加や改善
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【デメリット】
- 既存のソフトウェアやハードウェアが対応していないことがある
例えばwindows11には対応しているがwindows10は未対応のような製品があったりします。その場合は別途OSのアップグレードを実施しないといけません。 - コストがかかる
バージョンアップに伴って新たに製品を購入する必要があったり、新しい製品の検証や導入に伴う学習コストなどがかかります。
- 既存のソフトウェアやハードウェアが対応していないことがある
逆にバージョンアップしない場合のメリット・デメリットとしては以下が考えられます。
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【メリット】
- コストがかからない
既存のソフトウェアを使用し続けるので、新しい製品の購入費用がかかりません。 - 新しい機能を覚える必要がない
既存のソフトウェアを使用し続けるので、学習コストなく運用できます。
- コストがかからない
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【デメリット】
- サポート終了
ソフトウェアの各バージョンごとにサポート期間が設定されており、古いバージョンの製品についてはサポートが受けられなくなることが多いです。
サポートを受けれないと問題が発生した際に問い合わせができない等のデメリットがあります。 - セキュリティリスクがある
サポートの終了したソフトウェアについては更新ファイルがアップデートされない場合があり、脆弱性を突かれててウイルスに感染したり不正アクセスに利用されたりする危険性があります。
- サポート終了
上記のように様々なメリット・デメリットがありますが、バージョンアップをする主な目的はサポートを受けれる点とセキュリティ性能の向上です。
バージョンアップをしないで脆弱性のある状態の製品を使い続けるとウイルスに感染する可能性があります。
ウイルスに感染すると膨大な損害が発生する可能性がありますので更新判断については慎重にしてください。
実際にソフトウェアのバージョンアップをした話
実際に体験したとあるソフトウェアのバージョンアップについてお話します。
社内のとある製品についてバージョンアップの話がありました。
オンプレミスの製品であり、自社サーバとクライアントPCぞれぞれにバージョンアップ作業が必要です。
ここで重要なことは、まずバージョンアップする製品の動作環境をよく調べることです。
例えば以下のような点に注意しましょう。
- 対応するOSやデータベースのバージョンはなにか
- サーバやクライアントPCが必要スペックを満たしているか
この確認作業を疎かにするとバージョンアップ作業中にエラーが発生したりして作業を後日に延期せざるを得ない状況に陥ります。
残念なことに今回担当することになった製品については、現行サーバに入れているデータベースのバージョンが動作環境を満たしていなかったため、新しいバージョンのデータベースをインストールする必要がありました。
さて、ここで現行サーバにそのまま新しいバージョンのデータベースをインストールして、その後新しい製品のバージョンアップ作業をすればよいかというとそういう訳にも
いかない状況がありました。
それは現行製品については営業時間中は常にソフトウェアが実行中の状況となるため、データベースの停止やサーバーのシャットダウンを容易に実施できないという点です。
そのため現行サーバと同等な環境を構築し、その環境に新しいバージョンのデータベースのインストールや製品のバージョンアップ作業を実施する必要がありました。
つまりは検証作業が必要という事です。
事前に検証を行うことで、問題なく製品がインストールされ動作できるのか、作業時間はどのくらいかかるのか等の必要な情報を集めることができます。
実際に検証をしてみるとうまくインストールできなかったり動作しなかったりなど問題が発生したのでサポートに問い合わせながら試行錯誤して解決に至りました。
この検証で集めた情報を基にバージョンアップ作業の手順書を作成し、当日手順書に沿って問題なくバージョンアップ作業を完了させることができました。
最後に
ソフトウェアのバージョンアップについてはセキュリティリスクやサポートの観点から基本的に実施した方がよいです。
また、ソフトウェアのバージョンアップを実施するときは以下の点に注意しながら対応してみてください。
- サーバやクライアントPCが動作環境を満たしているか。
- 十分な検証を行っているか。
- 余裕をもったスケジュールを立てているか。