はじめに
本記事では、LangChainのRetrieval Augmented Generation (RAG)
機能をゼロから構築する方法を解説します。RAGは、大規模言語モデル (LLM) に外部の知識ベースを組み込むことで、より正確で詳細な回答を生成することを可能にする技術です。LangChainの提供するツールを活用し、独自のRAGシステムを構築する手順を詳しく紹介します。
想定読者
- LangChainの基本的な知識を持つ方
- LLMを用いた質問応答システム構築に興味のある方
- RAGの仕組みを理解し、実践したい方
実行環境
- Python 3.10 以上
- pip: langchain, openai, chromadb (必要なライブラリは適宜追加)
事前準備
必要なライブラリをインストールします。
pip install langchain openai chromadb
コード
GitHubリポジトリ: (作成予定)
コードの説明
1. データの準備
質問応答に使用するドキュメントデータを準備します。今回は、例としてWikipediaの記事を使用します。
# Wikipediaの記事を取得 (具体的な方法は割愛)
documents = [
Document(page_content="...", metadata={"source": "..."}),
# ...
]
2. ドキュメントのベクトル化
Chroma
を用いて、ドキュメントをベクトル化し、ベクトルデータベースに保存します。
from langchain.vectorstores import Chroma
from langchain.embeddings import OpenAIEmbeddings
# OpenAIEmbeddingsを使用してテキストを埋め込み
embeddings = OpenAIEmbeddings()
# Chromaを使用してベクトルデータベースを作成
db = Chroma.from_documents(documents, embeddings)
3. Retrieverの作成
ベクトルデータベースから関連するドキュメントを取得するためのRetriever
を作成します。
retriever = db.as_retriever()
4. LLMの設定
使用するLLMを設定します。今回は、OpenAI
のモデルを使用します。
from langchain.llms import OpenAI
llm = OpenAI(temperature=0)
5. RAGパイプラインの構築
RetrievalQA
チェーンを用いて、RAGパイプラインを構築します。
from langchain.chains import RetrievalQA
qa = RetrievalQA.from_chain_type(llm=llm, chain_type="stuff", retriever=retriever)
6. 質問応答の実行
構築したRAGシステムを使って、質問応答を実行します。
query = "..." # 質問
answer = qa.run(query)
print(answer)
参考情報
- LangChain公式ドキュメント: https://python.langchain.com/en/latest/index.html
- ChromaDB公式ドキュメント: https://docs.trychroma.com/
- rag-from-scratch:https://github.com/langchain-ai/rag-from-scratch
最後に
本記事では、LangChainを用いてRAGをゼロから構築する方法を解説しました。RAGは、LLMの能力を拡張し、より高度な質問応答システムを実現するための強力な技術です。ぜひ、ご自身のデータで試してみてください。
今後もlangchainのチュートリアル内容を参考に記事を追加していきます。