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WordとRE:VIEWとLaTeXで原稿書いてみたので比較してみる

Last updated at Posted at 2019-12-23

この記事は千葉大学Advent Calendar 2019 24日目の記事です.

千葉大学の大学院で色の研究やりつつ,おうちハックして遊んだりしています.

今年の9月に,技術書典7でおうちハック本出しました↓↓↓

image.png

BOOTHでも販売中です.

思えば,卒業論文は過去の先輩に習ってWord,この間の技術書典7ではRE:VIEW,そして今書いている進捗がヤバい修士論文は卒論のときのWordが使いにくかったのでLaTeXで書いているわけですが,それぞれ良いところ,悪いところあるなーと感じたのでまとめました.
アウトプットするときの執筆環境の選択の参考になれば・・・!

Word

概要

言わずと知れたマイクロソフトが開発しているワープロソフト.
サードパーティ製のソフトもあるが,基本的に有料.最近はサブスクリプションのOffice 365が主流.

良いところ

  • なんといっても直感的に使える

image.png

レイアウトを確認しながら書けるし,メニューから細かい書式設定ができるので,マニュアルがなくても大体操作できる.

  • 1つのファイルにまとめられる

後述するRE:VIEWやLaTeXは画像ファイルは別ファイルで用意したり,レイアウトの設定なども別ファイルになっていて複数ファイルから構成されるが,Wordならdocxファイル1つにすべてが集約されているのでメール添付などで便利

悪いところ

  • 書くことに集中できない

良いところの裏返しですが,文章を書いているときにレイアウトを気にしながら文章を書かないといけないため,書くことに集中しにくい

  • 図番号を付けたり参考文献の引用がしにくい

当然ですが,図番号を手動で書くと,後から図を追加するとずれてしまいます.
Wordには図番号を自動で割り振ってくれる機能が一応あります.

image.png

自分の使い方が悪いだけかもしれないですが,書いている途中で割り振りが解除されたりして正直使いにくかった・・・

RE:VIEW

概要

出版(その中でも技術書の執筆)に特化したシステム.
Markdownに近い記法で書ける.
テンプレートが豊富なので,凝ったデザインにもできる.裏ではLaTeXを使っているためLaTeXの環境が必須.

= 本書で用いている環境について

本章では、スマートホームシステムの構築にあたって利用しているハードウェア、ソフトウェアについて説明しています。
また、RaspberryPiで作成したプログラムを常駐させるためのsystemctlの使い方についても説明しています。

== 使用しているハードウェア

=== Raspberry Pi 3 Model B

//image[part2/raspi][Raspberry Pi]

本書のコアとなるハードウェア。
環境センサをBluetoothで接続し、ソフトウェア制御、AWSにアップロードする役割を果たします。
スマートロックシステムでは、GPIO端子を利用して、サーボモータを接続しています。
AmazonやRS Componentsで4000から5000円で購入することができます。

良いところ

  • 書きやすい
    Markdownに近いので,とても書きやすいです.一回書き方覚えればサクサク執筆できます.

  • 印刷所に出す形式でファイル出力ができる
    印刷所に原稿を出す場合,トンボと呼ばれる記号をつける必要があります.(裁断時のの目安になる)

image.png

RE:VIEWは出版に特化しているだけあって,設定ファイルを書き換えるだけで,出稿用,電子書籍用にPDFやepubなどの豊富なファイル形式で出力できます.

悪いところ

  • ドキュメントが少ない

まだまだ新しい執筆環境なだけあって,ネット上の情報が少ないです.

  • 論文とかには向かないかも

書籍を作るのには便利ですが,論文だと参考文献や図を複数並べたり,独特のルールがあるので適応させるのが大変そう・・・

LaTeX

概要

レスリー・ランポートによって1985年に開発された歴史ある組版処理システム.
歴史が長いだけあってネット上には無限にドキュメントがある.やりたいこと調べれば大体出てくる.

良いところ

  • 論文を書くには使いやすい

図番号の割り振りが自動でできたり,Mendeleyなどの文献管理ソフトとBiBTeXを組み合わせれば参考文献の引用も手軽にできたり,論文執筆にはこれ以上ない環境ができる

  • 書くことに集中できる

RE:VIEWもそうですが,文章を書いている途中で原稿のレイアウトを気にしなくても良いので,書きたい順に文章や図を並べて書いていけるのがメリット.一区切りついたらコンパイルしてみておかしいところ直せばよいだけ.

悪いところ

  • 最初の環境構築がめんどくさい

弊研究室は今までLaTeXで論文を書いた人がいないため,ノウハウ無しで1から環境構築しましたが,TeXのインストールで挫折したり,論文の体裁に仕上げるまでが大変でした.結果的にはWindowsはTeXLive,MacはMacTeXを使うと楽に環境構築できるみたいです.

論文のテンプレートは,
https://github.com/akira-okumura/MasterThesisTemplate
を参考にして,CicleCIで自動コンパイルできるようにしたりしました.

指導教員には,PDFの校正機能を使って直してもらいましょう・・・
https://blogs.adobe.com/japan/dtp-acrobat-pdf-kihon-04/

  • 書き方覚えるのが大変

RE:VIEWよりかは書き方が煩雑なので細かいことができる反面,慣れるまでが大変

千葉大学 Advent Calendar 2019 16日目でVS Codeを使ったLaTeX環境構築についてまとめてくれてたので,こういった執筆環境を整えることで補完入力ができたり便利に使えると思う.

まとめ

3つの執筆環境に触れてみて,

短めの文書(レジュメ,お知らせの文書)はWord
技術書はRE:VIEW
論文はLaTeX

が最適だと感じました.

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