1. はじめに
Tavily は、主に大規模言語モデル(LLM)や AI エージェント向けに設計されたリアルタイム Web 検索エンジンです。
情報検索の精度を高め、検索結果に信頼できる出典(citation)を付与することで、RAG(Retrieval-Augmented Generation)やその他の AI アプリケーションへの統合を容易にします。
以下のような課題をお持ちの方に最適なソリューションとなっています。
本記事では、LLM や AI エージェントを活用したサービスを開発しているエンジニアや、RAG や外部検索の活用で回答精度を高めたい AI 開発者、そして最新の Web 情報をリアルタイムに AI モデルへ組み込みたい技術担当者の皆様をペルソナとして想定しています。
Tavily の概要や特徴、各種言語での導入方法、LangChain との統合事例などを、すぐに活用できるようまとめました。
ぜひ参考にしてみてください。
2. Tavily の主な特徴
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AI エージェント向けに最適化
LLM が外部情報を利用する際に、誤情報(hallucination)のリスクを抑え、正確かつ事実に基づいた検索結果を提供します。 -
カスタマイズ可能な検索パラメータ
検索深度、対象ドメイン、取得件数などを柔軟に設定でき、用途に応じた最適な結果を得られます。 -
多言語対応と高速レスポンス
リアルタイムで最新情報にアクセスでき、複数言語にも対応。結果は API 経由で数秒以内に返されます。 -
統合の容易さ
Python や Node.js 用の SDK が提供されており、LangChain、LlamaIndex などの既存フレームワークと簡単に統合可能です。
3. API キーの取得と初期設定
Tavily を利用するには、まずアカウントを作成し、API キーを取得する必要があります。
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サインアップ
Tavily の公式サイトにアクセスし、アカウントを作成します。 -
API キーの取得
アカウント作成後、ダッシュボードから API キーを入手します。このキーは各種 API 呼び出し時の認証に必要です。 -
環境変数への設定例(Python)
import getpass import os os.environ["TAVILY_API_KEY"] = getpass.getpass("Enter your Tavily API Key: ")
4. 各言語での基本的な使用方法
4.1 Python
Tavily 用の Python SDK(tavily-python)を利用した例です。
from tavily import TavilyClient
# API キーを設定してクライアントを生成
tavily_client = TavilyClient(api_key="tvly-YOUR_API_KEY")
# 検索クエリを実行
response = tavily_client.search("Who is Leo Messi?")
print(response)
LangChain などと連携する場合は、以下のように簡単なコードで検索結果を取得できます。
from langchain.retrievers.tavily_search_api import TavilySearchAPIRetriever
retriever = TavilySearchAPIRetriever(k=3)
res = retriever.invoke("LangChainの最新情報を日本語で教えて")
print(res)
4.2 Node.js
Node.js 用の例です。
const { tavily } = require('@tavily/core');
const tvly = tavily({ apiKey: "tvly-YOUR_API_KEY" });
tvly.search("Who is Leo Messi?")
.then(results => console.log(results))
.catch(err => console.error(err));
4.3 cURL
API の動作確認やシンプルな利用例として、cURL を利用した場合の例です。
curl -X POST 'https://api.tavily.com/search' \
-H 'Content-Type: application/json' \
-H 'Authorization: Bearer tvly-YOUR_API_KEY' \
-d '{"query": "Who is Leo Messi?"}'
5. LangChain などとの統合
Tavily は LangChain や LlamaIndex との連携もサポートしており、AI エージェントの検索ツールとして利用できます。
たとえば、エージェントのプロンプト内で Tavily の検索結果をコンテキストとして組み込むことで、より最新かつ正確な回答を得ることが可能です。
また、Bedrock エージェントなどと連携する場合、Lambda 関数内で Tavily の API を呼び出して Web 検索を行い、その結果を AI エージェントへ返す実装例も公開されています。
6. ドキュメントとサポート
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公式ドキュメント
Tavily の使い方やベストプラクティスを確認する場合は、公式のドキュメントを参照してください。API リファレンス、SDK の使い方、各種ガイドラインがまとめられています。 -
コミュニティ・サポート
サポートはメール(support@tavily.com)や、GitHub、LinkedIn などで提供されています。また、無料プランも用意されているため、まずは試用してから導入を検討できます。
7. まとめ
Tavily は、LLM や AI エージェントが最新の Web 情報をリアルタイムで取得するための強力なツールです。
- API キーの取得から各種 SDK の利用、言語別の実装例 が公開されており、誰でも簡単に始められます。
- カスタマイズ性 や 信頼性の高い検索結果 により、RAG をはじめとするさまざまな AI アプリケーションへの統合が容易です。
- また、公式ドキュメント や サポート体制 も整っているため、初めての方でも安心して導入できる点が魅力です。
このように、Tavily を活用することで、AI エージェントの回答精度向上やリアルタイム情報の取得が実現でき、業務の効率化や新たなアプリケーション開発に大いに役立ちます。ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。