1
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

Cuaの使い方を徹底解説:AppleシリコンMacで高速仮想マシンを動かす&AIエージェントも活用

Posted at

はじめに

Cua」は、AppleシリコンMacでmacOSやLinuxの仮想マシンを高速に実行できるうえ、AIエージェント機能も備えたオープンソースプロジェクトです。

この記事では、Cuaのインストール方法から基本的な使い方、主要機能、そして具体的な使用例までを順を追って解説します。


Cuaとは?

Cuaは、AppleのVirtualizationフレームワークを利用し、macOSやLinuxの仮想マシンを手軽かつ高速に実行できるツールセットおよびライブラリ群です。
さらに、AIエージェント機能を活用して、仮想マシン上での操作を自動化することができます。

特徴的な点は、コマンドラインツール(Lume)とPythonライブラリを用意していること。
CLI派の方でもPython派の方でも、用途に合わせた使い方が可能です。


インストール方法

1. CLIツール(Lume)のインストール

AppleシリコンMacで動作する軽量CLIツール「Lume」は、Homebrew経由で簡単にインストールできます。
ターミナルで以下のコマンドを実行してください。

brew tap trycua/lume
brew install lume

一行インストーラースクリプト

Homebrewを使わない場合、以下の一行インストールスクリプトでも導入可能です。

/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/trycua/cua/main/libs/lume/scripts/install.sh)"

2. Pythonライブラリのインストール

Cuaが提供するPythonライブラリを利用して仮想マシン操作をしたい場合は、必要なパッケージをpipでインストールします。

  • 仮想マシン操作用(Computerライブラリ)

    pip install cua-computer
    
  • AIエージェント用(Agentライブラリ)

    pip install "cua-agent[all]"
    

特定のAIモデルや機能のみを使用したい場合は、[anthropic][openai]などオプション指定ができます。


セットアップ手順

CLIツール(Lume)での仮想マシン起動

インストールしたlumeコマンドを使えば、仮想マシンをワンコマンドで立ち上げられます。
たとえばmacOS仮想マシンを起動する場合は、以下のように実行します。

lume run macos-sequoia-vanilla:latest

上記コマンドにより、あらかじめ用意されているmacOSイメージがダウンロードされ、Virtualizationフレームワークを通じて高速に仮想マシンを起動できます。
UbuntuなどのLinuxディストリビューションも、類似コマンドで起動可能です。

また、lume serveコマンドを実行すると、ローカルHTTP APIを立ち上げることができます。
これにより、外部からREST APIを介して仮想マシンを制御できるようになります。

Pythonライブラリでの仮想マシン起動

PythonからCuaを使う場合は、cua-computerなどをインストールしたうえで、以下のようにスクリプトを書きます。

from computer import Computer

computer = Computer(os="macos", display="1024x768", memory="8GB", cpu="4")
await computer.run()   # 仮想マシンを起動
# ... ここで各種操作を実行 ...
await computer.stop()  # 仮想マシンを停止
  • os="macos" のほか、os="ubuntu" など別のOSイメージを指定可能
  • displaymemorycpuなどで仮想マシンのリソースを調整

上記の例では、内部的にLumeが呼び出され、必要なイメージが自動でダウンロードされます。


主要な機能

1. 仮想マシンの高速作成・管理

AppleのVirtualizationフレームワークを利用するため、AppleシリコンMac上でほぼネイティブに近い速度で仮想マシンを実行できます。
CLIとPythonの両方に対応しているので、好みに応じた操作が可能です。

2. Computerライブラリによる操作自動化

Computerクラスでは、仮想マシン上での以下の操作がプログラム的に可能です。

  • マウスカーソルの移動・クリック
  • キーボード入力
  • クリップボード操作
  • スクリーンショットの取得 など

人間が行う操作を自動化できるので、GUIアプリのテストやバッチ処理がぐっと楽になります。

3. AIエージェントによる高度なタスク自動化

Cuaの目玉機能が、仮想マシン上での操作を支援するAIエージェント機能です。
Agentライブラリを使えば、複数のアプリやブラウザ操作を含む一連の作業を、自然言語で指示するだけで実行可能。

  • OpenAIやAnthropicなど、さまざまなLLMバックエンドと統合
  • OmniParserとの連携で画面のUI要素を認識し、自動操作が可能

具体的な使用例:AIエージェントでウェブリサーチ

例えば、次のようなタスクをAIエージェントに指示するとします。

  1. Safariを開く
  2. Wikipediaにアクセス
  3. 「Claude AI」を検索
  4. 内容を要約してコンソールに出力

すると、Cuaが仮想macOSを起動し、エージェントがSafariを自動操作してWikipediaをブラウジング。
必要な情報を収集して要約を返してくれます。

Pythonコードのイメージ:

from computer import Computer
from agent import ComputerAgent

# 仮想マシンを起動
computer = Computer(os="macos")
await computer.run()

# エージェントを初期化 (Anthropic/OpenAIなど好きなモデルを選択可能)
agent = ComputerAgent(computer=computer, model="anthropic")

# タスクの指示を渡す
task_instructions = """
1. Safariを開く
2. Wikipediaにアクセス
3. 「Claude AI」で検索
4. ページ内容を要約
"""

result = await agent.run(task_instructions)
print(result)  # 要約結果をコンソールに出力

await computer.stop()

このように、人間が手動で行うGUI操作をAIと仮想マシンの組み合わせによって自動化し、リサーチや情報収集・データ処理など幅広い用途に活用できます。


まとめ

AppleシリコンMacを使って高速に仮想マシンを動かしたい方、あるいはAIエージェントを活用してGUI操作を自動化したい方にとって、Cuaは非常に便利なプロジェクトです。
CLI・Pythonの両面からサポートされているので、自分のワークフローに合わせやすいのも魅力ですね。

ぜひCuaのGitHubリポジトリ( trycua/cua )をチェックして、ドキュメントやサンプルを参考にしながら試してみてください!

  • 公式リポジトリ: trycua/cua
  • ドキュメント: リポジトリ内のREADMEや各種ノートブック参照
1
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
1
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?