生成AI利用にあたって、ご自身の所属する組織のポリシーを順守の上、ご活用願います。
はじめに
AIの進化は目覚ましく、その波はLinuxの世界にも押し寄せています。ITエンジニアにとって、生成AIは単なるツールではなく、生産性を飛躍的に向上させるパートナーとなり得ます。この記事では、Linuxを利用するにあたって私自身がどうやって生成AIを活用しているのかいくつかご紹介します。
今回利用するのはMicrosoft Copilotです。
活用法①ログ解析
Linuxを利用する中で、ログを見ることはよくあると思いますが、複雑な事象に遭遇すると、「ログの前後関係や別プロセスのログを見ないと、エラーを起こしている原因がわからない」なんてことがよくありますよね。
そこで私が活用しているのが、エラーを起こしていそうなプロセスに関するログを全て生成AIに入力し、前後関係の読み解きをしてもらって、原因になっていそうな設定を推測してもらうというものです。一見、見当違いな推測をしそうですが、かなり精度の良い推測をしてくれます。
活用法②一次情報の調査
Linuxを設定する際に個人BLOGを参考にすることが多くあると思うのですが、そのパラメータが正しいかの”根拠”が欲しい時、めちゃくちゃありますよね。根拠というと、公式のリファレンスマニュアルを元にすることが多いと思うのですが、自分が欲しい情報って中々見つからないですよね。そこで生成AIにパラメータと意味を聞くと、回答が出力されれ、必ず参照元を提示してくれるので、その中で公式のものを探していくという活用方法をしています。この方法を取ると調査にかかる時間をかなり削減できます。
活用法③スクリプト解読、出力
私自身、スクリプトを書くのがとても苦手でスクリプトを読むのも書くのも避けてきたのですが、生成AIが登場したことによって、だいぶハードルが下がったなと感じています。AIに入力すれば意味も教えてくれますし、実現したいこと・どんなプロセスを使ってというような情報を入力すれば、後は自分自身が細かいところを詰めればいいだけの状態で出力してくれるので大変重宝しています。
さいごに
今後、生成AIはますます進化を遂げ、私たちエンジニアにとって非常に有益なパートナーとなっていくことかと思います。ただし、非常に便利である側面、ハルシネーションを起こし、不確かな情報を出力することも多いので、自分自身がその情報が正確かどうか見極められるように技術力・知見を高めていくことが重要です。
また、生成AIの活用は、私たちの問題解決能力を補完するものであり、それに依存することなく、自らの判断と責任を持って行動することが求められます。Linuxの世界では、オープンソースの精神に基づき、共有と協力を通じて成長してきました。生成AIもこの精神を受け継ぎ、コミュニティ全体の発展に寄与することができるでしょう。
最後に、生成AIを活用する上での倫理的な考慮も忘れてはなりません。データのプライバシー保護、知的財産権の尊重、そしてバイアスのない公平な技術の開発と使用が、私たち全員にとっての責任です。エンジニアとして、これらの原則を守りながら、生成AIの可能性を最大限に活かしていきましょう。