1. 育成ってどんなもの?
「育成」という言葉には、いろいろな意味や目的が詰まっています。
例えば…
- 「自分がしてもらったことを次の世代に返したい」
- 「仕事だから仕方ない」
- 「後輩がかわいいから」
- 「新しい世代を活躍させたい」
- 「自分も新人時代は失敗だらけだったから」
どれも立派な理由です。
でも、実際の現場での育成はそう簡単ではありません。
今回お話しするのは、インターン生としてリリース前から参画した彼が新入社員となり、一緒にリリースを走り抜けた話。
このエピソードを通して「育成とは?」を一緒に考えてみませんか?
2. OJT(という名の現場デビュー)
「OJT」という言葉、聞いたことありますか?
On-the-Job Training、つまり現場で実際の業務を通じてスキルを身につける方法です。理想的には、先輩が丁寧に教えつつ実践をサポートする仕組み。
ですが、現実は「お任せします!」と渡されることもしばしば…。
今回の舞台は、4人のシニアエンジニアがリリースに向けてやや忙し目の現場。
そこに飛び込んできたのは、今年入社した当時インターン生でした。
他の現場でも同じようなケースがあり、心あたりがあると思います。
「なぜ?」
当然、インターン生からだったので最初から戦力として期待されていたわけではありません。
この何故を噛み砕くすることが大事かなと思っております☝️
今回は、将来の戦力の育成期間と捉え完全にプロジェクトの進捗と分けて彼の成長を考えました。
社会人がもつ一定の厳しさを体験するというよりかは、
現場に慣れてもらうことや、現場に入るための新しい技術のキャッチアップに稼働時間を割り振っていました。技術やドメイン知識の習得によっていたと思います。
3. 学生から社会人へ、一歩ずつ
インターン当時から彼は技術的な知識やスキルの基礎がある状態でした。
具体、フロントエンド(Nest.js/TypeScript/HTML/CSS)の知識や、
各開発ツールを抵抗感なく使用ができるなどです。
でも、社会人として必要な「報告・連絡・相談(ホウレンソウ)」はまだ不慣れでした。
例えば、仕事の進捗を伝えるタイミングが遅れたり、内容が簡略化されすぎていたり。現場では「些細なこと」もチーム全体に影響を与えるため、早めの共有や内容が重要と。
信頼を積み上げていこうという話を常々していました。
入社しては課題を見つけては、改善できるようになるまでいろんな手法を試しました。
- 日々の1on1での報・連・相談の練習
- 見積と実際にかかった実績でのギャップの振り返り
- スコアをつけて成長度合いの可視化
- (会社の制度で)ななメンター
- 分報
など試しました。
4. 報告を習慣に:やさしい分報チャレンジ
「報告ができれば自然と仕事もスムーズになるはず!」と考えた私は、会社で導入されている「分報」という仕組みを取り入れました。
分報とは?
作業ごとに簡単な報告を行うルールです。最初は1時間ごと、慣れたら作業単位で柔軟に
最初のうちは「報告を忘れがち」なことも多かったので、丁寧に確認しながら進めました。報告の内容をどう書けばよいか、他の社員の例を見せつつ、少しずつ改善していきました。
うまく報告できれば、報告時間を伸ばし、
うまく報告ができなければ、報告時間を短くする。
結果的に、約1週間で「報告すること」が自然にできるように! もちろん、一朝一夕ではいきませんでしたが、彼の成長を間近で感じることができました。
それまでの課程でいろんな方法を試したのですが、
彼の場合は最終的に毎分報告をするのが一番効いたかなと思います。
それは、ノルマ型が合ったという話で、
展示会で30人に声をかけて、資料を説明しましょう と伝えると達成できます
逆に展示会で誰かに声かけて というとあんまりできなかったと思います
みたいな感じです。
過度なプレッシャーはよくなくて、本人にあった刺激を見つけてあげてそれを与え続けてたまに褒めるみたいなのがよかったのかなと。
5. 育成の本質ってなんだろう?
OJTを通して考えたこととして、育成は、ただ技術を教えるだけではありません。大切なのは、正しい習慣や考え方を身につけるお手伝いをすること。
今回の場合、報告を通じて「進捗を共有し、次の行動に活かす」を繰り返し成長を促すを目指しました。この経験から、以下のことを学びました。
- OJTはただの丸投げではなく、現場での即席プログラムとして設計することが大切。
- 基本的な習慣を徹底することで、短期間でも成長は可能。
- 一緒に向き合う覚悟があれば、育成はきっと成功する。
6. ぶつかり合いがあっても、その先へ
育成の過程でぶつかることもありました。報告を求めるときに私がイライラしてしまったり、彼がプレッシャーを感じてしまったり、現場のレビュワーが1PRに対して100コメントになって、コメントしたけど次のPRで同じ指摘をもらい雰囲気がピリつくことも…。
それでも、周りの同僚の支えや、彼自身の粘り強さのおかげで乗り越えることができました。報告が習慣化すると、ふとした会話で笑い話になることも増え、自然と距離が縮まっていきました。
最後に:育成って楽しいかも?
育成は大変なこともあります。
でも、信頼関係が生まれたときの喜びは、それ以上の価値があります。
「育成とはなんだろう?」という問いに対する私の答えはこうです。
「相手の強みも弱みも一緒に受け入れ、一緒に成長するプロセス」。
皆さんも、ぜひ育成の場で新しい発見を楽しんでみてください!