Power Automate for desktop「Excelセルに条件書式を設定」

概要

前回に続き、視認性を高めるため条件によってセルの背景に色付けします。VBScriptの実行アクションを使い、複数起動しているExcelブックから任意のExcelワークシートの列に条件書式を設定します。

環境

• Windows 10 Pro 21H2 11 Pro 23H2
• Power Automate for desktop 2.16.215.22020 2.46.263.24194 インストーラー版
• Microsoft Excel for Microsoft 365バージョン2112ビルド16.0.14729.20254 Microsoft® Excel® for Microsoft 365 MSO (バージョン 2408 ビルド 16.0.17928.20114) 64 ビット

注意等

• Windows11では未検証です。
• あくまでサンプルとご理解ください。
• 自己責任でお願いします。
• 2022年1月2024年9月の情報です。

列に条件書式を設定して背景に色を付ける

%ExcelInstance%に1～100の乱数を10000個出力。50以上の場合セルに色を付けます。VBScriptで列に条件書式を設定します。

1. 乱数の生成
   

2. Excelの起動
   %ExcelInstance%を起動

3. Excelワークシートに書き込む
   

4. VBScriptの実行
   

   FormatConditionsオブジェクトに、AddメソッドでXlFormatConditionTypeとXlFormatConditionOperatorを設定します。サンプルでは(1,1,50,100)としています。セルの値が50~100という意味の条件になります。

   FormatConditions

   https://docs.microsoft.com/ja-jp/office/vba/api/excel.formatconditions

   XlFormatConditionType

   https://docs.microsoft.com/ja-jp/office/vba/api/excel.xlformatconditiontype

   XlFormatConditionOperator

   https://docs.microsoft.com/ja-jp/office/vba/api/excel.xlformatconditionoperator

   VBScript

   Option Explicit
   Dim XlApp
   Dim XlSheet
   Dim XlRange
   Dim XlCondition
   
   Set XlApp = GetObject("Book1").Application
   
   Set XlSheet = XlApp.Worksheets(1)
   Set XlRange = XlSheet.Range("A:A")
   '条件付き書式設定( 1=xlCellValue, 1=xlBetween ,50~100)
   Set XlCondition=XlRange.FormatConditions.Add(1,1,50,100)
   XlCondition.Interior.Color = RGB(184, 41, 117)
   
   Set XlCondition = Nothing
   Set XlRange = Nothing
   Set XlSheet = Nothing
   Set XlApp = Nothing
   

5.　Excelを閉じる
%ExcelInstance%を閉じる

まとめ

条件書式を設定することができました。他にも列や行の幅を変えたりといろいろできます。スクリプトをフロー内で管理できるのは良いです。

2024年9月追記

セルに色を付けるアクション「Set color of cells in Excel worksheet」が実装されています。VBSを使わなくてもセルに色付けすることが可能です。

おまけ

2024年9月現在は解決されています。

Excelの起動アクションを使った後、Excelを閉じるアクションを使わず閉じるボタンで終了させていると、プロセスが終了せず、どんどんたまります。「新しいExcelプロセスの配下にネストする」がONの場合ひどいことになります。

コマンドプロンプトでtasklist /v /fi "IMAGENAME eq excel.exe"などとするか、タスクマネージャーで確認できます。プロセスが残っている場合、たとえばVBScriptの実行アクションにGetobject(, "Excel.Application")を使っていたりするとエラーになります。

フローを初期化するときに

などとしてあげるとよいかもしれません。

参考

FormatConditionsについては

XlFormatConditionTypeについては

XlFormatConditionOperatorについては