背景
GPU とかで仮想通貨をマイニングしている.
Nicehash とかでハッシュパワーを売る(相手先としてハッシュパワーを買う人がいる)市場があるが, ハッシュパワー買い手の利点はなにがあるだろうか?
Miner(ハッシュパワーの売り手) の収益
マイニング装置(e.g. GPU, ASIC)と電気代とインターネット通信費をかけ, 仮想通貨をマイニングして仮想通貨として収益を得る.
状況によっては直接マイニングするするより Nicehash に売ったほうが収益がよいときもある.
(あとは BTC のように GPU マイニングでは直接マイニングできないコインを得たいときとか)
Miner 側のメリット(行動パターン)はわかりやすい.
ハッシュパワーの買い手
1 BTC 投じてハッシュパワーを買い, それでマイニングして 1 BTC 以下(手数料など引いたのち)を得たのでは収益は出ない.
DeFi なりで貸出するとき以上のリターンが望めるのが必要.
第一と第二のルールで計算せよ, とある. 何かしら収益が得られるタイミングは存在するようである.
How to make a profit from buying hash power from nicehash?
https://www.reddit.com/r/NiceHash/comments/8sp305/how_to_make_a_profit_from_buying_hash_power_from/
diff が変わるときなどにハッシュパワーが大きいと得られるリターンも大きくなるときがある.
ハッシュパワーレンタル期間で difficulty が下がる(取り分が増える)のが想定されるときであろうか.
先物, オプション市場?
DeFi なりで, ハッシュパワーや仮想通貨の先物市場, オプション市場があり, 一定のハッシュパワーを買わないといけない状況にある顧客がいるのかもしれない.
HFT 市場?
「フラッシュボーイズ」のように, 短期的なハッシュパワーの変動(仮想通貨の価格変動)で鞘どりなどしているトレードプログラムがあるのかもしれない.
pool 運営者
ハッシュパワーが多いと reward が多くなる.
税務的なメリット?
nicehash などでは仮想通貨建てで決済するため, たとえば 1 BTC を保有したままではなく, 1 BTC を 利用 して 1 BTC を手に入れると, 同じ 1 BTC でも税務的なメリットがなにかあるかもしれない.
二次的市場?
日本でハッシュパワーを売るサービス(中身は nicehash に丸投げ)を提供する場合は, 消費税やサービス分を顧客から付加的に得られるかもしれない.
(たとえば日本円を受け取り対価としてハッシュパワーを提供だと, 仮想通貨交換業のライセンスはいらないような?)
その場合, サービス提供者はハッシュパワー購入においてはいくらか損をしてもかまわない.
51% 攻撃?
51% 攻撃など, 一時的にハッシュパワーが得られるとなにか得をする買い手がいるかもしれない.
また, ある程度資本があれば, 小規模な PoW コインのハッシュパワーを上げて価格を吊り上げ, つよつよコイン感を醸し出し, 価格が上がったところで売り抜けるというのもありうるかもはしれない.
(株式市場でいう仕手株みたいな)
GPU miner?
GPU マイナーからすれば, 実質的には GPU マイニングの収益で BTC のハッシュパワーを買っていると考えられるであろうか.
その他
機関投資家向けにビットコインのハッシュパワー販売、米ニューヨークの仮想通貨マイナーが開始
https://jp.cointelegraph.com/news/new-york-power-plant-sells-bitcoin-hashpower-to-institutional-investors
グリーン投資みたいなのをうたってハッシュパワーを売るときに, 自社マイニングファームがハッシュパワー足りなくなったときに nicehash とかでハッシュパワーを買っているのかもしれない.
BTCST(Bitcoin standard hashrate token)
ハッシュパワーを裏付け担保にしたコイン. 保有する(staking?)ことでマイニング収入が得られる. マイニングファームの資産(BTC miner)をトークン化したものと考えられるでしょうか. 自身でマイニングする場合に対して, マイニング機器値上がりのヘッジとして利用できるらしい.
nicehash や などと違い価格マーケットでの売買ではないため, ずっと保有しておくことができる.
ただ, マイニングファームの機材が古くなったり総ハッシュレートが上がるなどして, ハッシュパワーの価値が下がっていったらそのぶん BTCST の価格も下がっていくことになるでしょう.
まとめ
ハッシュパワーの買い手, いろいろ収益となるタイミングはありそうだが, 基本は大口のプール運営者や機関投資家がメインと思われ, 個人がメインで手を出すにはあまり向いていそうな気はしない.
(DeFi なり取引所なりのステーキング(Saving)を狙ったほうが楽そう)
収益源の一部として考え, AI でよろしくハッシュパワー購入と売却のタイミングを自動化して運用するアルゴリズム作りたい.