背景
昨今はリモートワークも奨励されてきましたので, 商標登録をおうち or テレワーク作業スペースで申請してみます.
- 自社(or 自身)のサービス・製品・イラストを商標登録したい.
- 最近は電子申告できるので, 電子申告する.
法人が商標登録するのを想定しますが, 個人でも大きく手順は変わらないと思います.
(個人の場合, マイナンバーカードの電子証明書を使う)
自身でやるばあい, 登録料などの費用以外はかかりません.
1 商標で 3 区分でだいたい 8 万円くらいかかります(分割納付を使い, 5 年分だけにしたばあい)
状況
-
商業登記に基づく電子証明書を取得済みである
- 商業登記電子証明書(法人印鑑証明書の電子化みたいなもの)のメモ https://qiita.com/syoyo/items/831ffa7950c814602ada
- 取得自体は基本法務局に赴く必要ありますが, https://ttzk.graffer.jp/e-cert あたりのサービスを使えば完全オンラインで取得できるかも?
-
クレカで 3D セキュア(or 似たようなもの. オンライン二段階認証っぽいやつ)が設定済みである
* もしくは Pay easy 対応のオンライバンキングなど -
出願できました
- しかし出願の審査にまずは平均 13 ヶ月くらいかかるっぽい
- ただオンライン申請だと, 半年くらいっぽい?
-
特許庁で審査に通ったら(
登録査定
の通知を受ける), 実際に登録する - 登録費用の更新の自動通知を設定する
やり方
いろいろ頑張れば Linux とか REST で申請もできそうですが, めんどいのでとりあえず
電子出願ソフトサポートサイト(特許庁が運営?)するソフトを使います.
http://www.pcinfo.jpo.go.jp/site/index.html
(デザインが 90 年代インターネットな感じで古くてあやしくて不安になりますね...)
Windows or macOS が使えます.
文字化け
Windows 10 だと, システムの言語を英語にしていると, 文字化けするので注意です
さらに, 入力チェックでエラーがあった場合のメッセージも化けてしまします(????? ばかりになる)ので, 実質使い物になりません
残念ですが, システムの言語は日本語にしておく必要があります.
英語でないとうまく動かないアプリを利用していたり, Gdrive など使っている場合, 申請用には別 Windows を用意するしかないですね...
(Gdrive team drive は, システムの言語設定でパス名が変わる)
もしくは, 商標登録するのはそんなに回数ないと思うので, 商標登録時だけ言語を切り替えるかでしょうか.
(あと, 最近の Windows 10 ではアプリ毎に文字コードを切り替えできたような?)
手順
自力でやろう!意外と簡単な商標登録の5つのSTEP
https://tapit.co.jp/how-to-get-trademark-on-your-own
ありがとうございます.
商標を調べる
まず, 登録したい商標がすでにほかのだれかに登録されているか調べます.
機械学習で画像類似検索や, BERT などで NLP でよろしくぺろっと調査できるようにしたいですね.
登録区分を調べる
どの区分で登録するかも指定が必要です. これも NLP でよろしく調べてくれるのがほしいですね.
最初は ~3 区分くらいまでに抑えておくのがよさそうです.
申請書類を作る
数字は半角で書いてもよいです(申請ソフト側で全角に変換される).
Word 最新(Office 365?)で作成する場合,
履歴を使っている場合は off にし, save as ではなく export で html で filetered を選んで, 履歴および office 固有の情報を削除して html で保存します.
(save as だと履歴情報とかも保存されてしまい後続の申請ソフトで入力エラーになる)
また, 文字エンコードは UTF-8 ではなく S-JIS(!) にする必要があります.
(Windows で日本語(?) Office を使っている場合は, デフォルトでは S-JIS が選択されています)
電子申告する準備
電子証明書の取得
商業登記に基づく電子証明書の取得をまず行っておく必要があります.
商業登記電子証明書(法人印鑑証明書の電子化みたいなもの)のメモ
https://qiita.com/syoyo/items/831ffa7950c814602ada
その後,
を参考にして, 特許庁にユーザ登録みたいなのをします. そうしますと, 識別番号が発行されますので, 識別番号を商標申請書類に記載します.
審査料, 登録料などの手数料は Pay-easy かクレカにすると, 完全オンラインで完結して便利でしょうか.
今回はクレジットカード決済を使いました.
クレジットカードは 3D セキュア(or 同等のオンラインでの本人確認が入る機能を使っているクレカ)対応のものを使う必要がりますので, 事前に利用する 3D セキュア関連が設定されているか確認しておきましょう.
クレジットカードで納付の場合, 申請書に, テキストで以下のように記述をします.
【指定立替納付】
【納付金額】00000
金額は自動計算してくれるかもですが, とりあえず自前で正しい額を記入(数字は全角でも可だった)しておくのが問題がないかと思います.
一度クレカ納付しておくと, クレカ情報は(手元に?)記録されて次回以降入力の手間が減ります
(3D セキュア用パスコード入力は毎回必要ですが)
出願費用
減免措置は利用できない
商標だと減免措置ありませんでした. 減免制度があるのは特許だけでした.
一応参考まで.
中小企業(会社)を対象とした減免措置について(2019年4月1日以降に審査請求をした場合)
https://www.jpo.go.jp/system/process/tesuryo/genmen/genmen20190401/02_01.html
自治体なりで, 特定のスタートアップ向けになにか優遇策は探すとあるかもしれません.
すでに使いたい商標が他社他人にとられているが, 使っていないようなので無効の請求をしたい
電子申告でできるかしらん?
HTML(XML)で記載したい
特許庁のページでは, Word で書いて HTML でエクスポートが推奨されていますが, 最新 Office だとややめんどいです.
内部的には XML で処理されるようですので, HTML タグ手書きや, Markdown -> XML 変換とか得意な方は,
直接 HTML/XML を作成し, データ提供するとよさそうです.
XML/SGML変換データの仕様書が参考になります.
画像(イラスト)を登録する
カラー画像の場合, jpeg 形式のみです. 1181 x 1181 pixels が最大です.
progressive 形式が NG です
(Gimp では, jpeg export では progressive がデフォルト有効だったので, これを off にすれば OK. ほかの設定も off にしておいたほうがよい(対応していない付加的なメタ情報は申請ソフト側で削除される(警告が出る)))
画像データは, <img>
タグの src
で指定すれば, その画像ファイルを申請ソフトが取得してくれます.
カラーの場合, やはりカラースペースは sRGB を想定になるのでしょうか?
電子申告する
あとは, 申告ソフトに HTML を入力させ, 申告ソフトでのチェックがパスすれば
- 出願
- クレジットカード納付
で, 完全オンラインでいけます!
とりあえず出願まで完了できました.
問題が無ければ, 2~3 週間ほどすると特許庁のデータベースに反映されるようです(公開情報になる)
いろいろめんどくさいので丸投げしたい..
調べてみますと, オンラインで申請代行サービスも出始めていました.
商業登記に基づく電子証明書の利用とかどうなるのかしらん?
商標の早期審査
現在(2020/05)ですと, 商標の審査は 13 ヶ月(!)かかるようです.
すでに商標を取得したいものを自身のサービスや商品で利用している場合, 早期審査をリクエストすることができます(2 ヶ月くらいで審査してくれるっぽい)
早期審査のリクエストは、これも電子でできますが、いろいろと証拠資料を用意する必要があります.
(電子署名 + タイムスタンプつきの証拠データを用意しておくと, 確実そう?)
登録査定, 拒絶査定
出願した商標が無事許可されると, 登録査定の通知がきます.
「これから登録の査定をします」という意味のようですが,
(商標登録の査定)
第十六条 審査官は、政令で定める期間内に商標登録出願について拒絶の理由を発見しないときは、商標登録をすべき旨の査定をしなければならない。
実務上はあとは登録料払ったら商標登録できるよ(権利化できるよ)という感じでしょうか.
今回, イラストの商標は 5 ヶ月くらい, 呼称の商標は 6 ヶ月くらいで登録査定の通知(郵便書留)がきました.
リジェクトの場合は拒絶査定が来るようです.
商標登録料の納付
無事登録査定の通知がきましたら、商標登録料を同じくクレジットカードで納付します.
【登録料の表示】
【指定立替納付】
【納付金額】49200
のように, クレカ納付の場合は「指定建替納付」として申告書に登録料のセクションを追加します.
「登録料の表示」は「手数料の表示」など他の題目でもよい、と記述してあるサイトもありますが、電子申告の場合は「登録料の表示」でないとエラーになりました.
商標証書を受け取る
納付後 2 週間くらいで商標登録の証書が送られてきます.
このときは普通郵便で書留ではありませんでした(誤配送したらどうなるのかしらん...)
これでめでたく商標が登録されました!
商標権の更新
10 年経ったら, 再度更新が必要です(分割納付の場合は 5 年後に後期ぶんの納付).
更新期限が近づいても特許庁はとくにアクションをおこしてくれないので, 更新のタイミングを覚えて置く必要があります.
Google カレンダーとかで 5 年後にリマインド設定してみる.
最近特許庁でメールでの通知サービスをはじめたようで, このサービスを使ってみるのもよさそうです!
gmail とかだと ban されるリスクがあるので,
web3 で 10 ~ 15 年は続くメアドほしくなりますね.
まとめ
一回できてしまえば, あとはだいたい HTML データの作り方など, 勝手がわかってきてそんなに面倒ではないことがわかります.
とはいえ, たくさん商標登録する場合, Flutter とかで自前でおシャンティな UI を作りたくなってきますね(Then, HTML でエクスポート)
TODO
-
特許庁で審査され, 承認され登録に辿りつけるか見届けました
- 登録査定
- 登録料納付
- 登録(権利化)
- 早期審査を試す
- システムは同じなので, 特許などほかの申請も電子申告でしてみる
- HTML/XML で申請書類を直接作成する
- 商標チェックとかを, 機械学習で画像類似検索や, BERT とかの NLP で極めたい.
- Flutter とかで, 商標登録用申請データを作成するおシャンティな UI 作りたい.
- 商標更新のメール通知サービスを利用してみる