株式会社で役員の重任を電子申告で処理するメモ #商業登記電子証明書

役員の重任など, 登記変更手続きを電子申告で処理するメモです.
つまり紙で申請書を書いたり, 法務局に赴くなどは行いません

普通はあまり登記の変更手続きはしないと思うので(あっても数年に一回くらい?)
適当に行政書士など探して代行してもらったほうが手間はかからないかもしれませんが,
今後のブロックチェーン行政を見据えて, 自前で対応できるようにしておきましょう!

対象

自身が代表取締役や, 代理の権限を保有している(法人代表印を扱う権限を持っている)
商業登記電子証明書を取得済みである　http://www.moj.go.jp/ONLINE/CERTIFICATION/
PDF に商業登記電子証明書で電子署名を付与する方法を確立している(もっとも手軽なのは会社で Adobe CC を契約しておいて, ついでに Adobe Acrobat DC を利用する. Windows or Mac ユーザ限定)

商業登記電子証明書(印鑑証明書の電子化みたいなもの)のメモ
https://qiita.com/syoyo/items/831ffa7950c814602ada

商業登記電子証明書による電子署名 = 基本的に紙への法人代表印の押印と同じ法的効果があります.

主に二つの手法があります.

登記・供託オンライン申請システムだと, 申請をオンラインで行えるだけのようです(実際の手続きは法務局に赴いて紙で処理)ので, 今回は申請用総合ソフト(Windows のみ対応?)で処理することとします. いずれは Linux あたりで処理できるようにしたいですね.

重任する項目を作成(これは申請用総合ソフト内の機能で添付テキスト作成できます)
- http://www.moj.go.jp/MINJI/MINJI50/minji50-01.html の http://www.moj.go.jp/MINJI/MINJI50/0009.txt
- 代表取締役も重任する場合は, 「取締役」と「代表取締役」とで二つ項目を作ります. 「代表取締役」の場合は住所も記載が必要のようです.
"株主総会議事録", "取締役会議事録"の PDF に商業登記の電子署名を行う.
- クラウドサインなどのサードパーティ(?)の電子署名では NG でした. https://www.cloudsign.jp/media/20180215-gijirokudenshika/
"株主リスト"の PDF に商業登記の電子署名を行う.(http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00095.html)
その他必要な書類(PDF)を作成し, 商業登記の電子署名を行う.

添付する pdf それぞれに, 商業登記電子証明書での電子署名が必要です

必要事項を記入しおわったら, 申請書類に商業登記電子証明書での電子署名を行い提出します.
(これは申請用総合ソフトの機能で行うことができます)

登録免許税の納付の情報が得られます.
重任の手続きですと, 資本金 1 億円以下は 1 万円の登録免許税, 1 億円以上は 3 万円になります.

Pay easy あたりで納付します(このあたり, Pay easy 対応の銀行などでオンラインバンキングが使えると完全オンラインで処理できます). ビットコインなどの暗号資産での支払いにも対応いただきたいところですね.

何かしら不備がある場合は、不備の理由が記載されたものが返ってきますので(私の場合は法務局の担当者さまから電話でも将来連絡いただくことができました)、「補正」して再提出します.

申請書類に不備などなければ, 早ければ当日中に登記簿に反映されるようです!

法務局に赴くことなく, また紙の書類を作ることなく, 手続きをオンラインで完了することができました.
おつかれさまでした.

ちなみに処理番号は 5,000 番台でした. これが 2019 年 4 月からの分なのか, オフラインでの申請の分もふくめなのか, 全国での申告の合計なのか, 管轄の法務局の分だけなのは不明ですが, そこそこ件数はありそうな感じがしますね.

完全オンラインだとなかなか達成感が湧かないので, たまには法務局にプチ旅行気分で出かけるのもよいかも.
各種申請書類を Markdown text にして, text に電子署名で行けるか試す.
Linux とかで対応できないか試す.
登記簿ですと(代表)取締役の住所とか丸見えなので個人情報保護法的にどうなの, という問題がありますね(あえて住所の詳細を書かないとか, 昔の住所を使うというワザもあるようですが...)
Adobe Acrobat DC, 無駄に重くてつらいので他のソフトを探す旅に出たい