背景

C++ 側で thread 使うコード(e.g. OpenGL window を表示する)を書いていて, それを pybind11 で wrap したい.

普通にやるとクラッシュして何が原因なの? と半営業日くらい原因不明で悩んでしまいます
GIL の管理が必要です.

構成

以下のように, loop のある関数を C++11 thread で書いているとします
(実際は thread 化してなくても同様と思われる. また pthread など他のスレッド関数使っても同様)

void renderThread(std::atomic<bool> *quit) {

  while (...) {
    if (quit && ((*quit) == true)) {
      break;
    }

    draw();
  }
}

...

void start_opengl() {
  _quit = false;
  _th = std::thread(renderThread, &quit);
}

void end_opengl() {
  _quit = false;
  _th.join();
}

ここで start_opengl() や end_opengl() をそのまま pybind11 で wrap して呼び出すとクラッシュします.

GIL が原因でした.

にあるように, 実行が長くなるコード(or thread を起動するコード)には GIL release

py::gil_scoped_release guard;

を, thread が終了する(join() を呼ぶところ)には GIL acquire

py::gil_scoped_acquire guard;

をはさみます. C++ コードに記入だと pybind11 ヘッダのインクルードが発生して面倒なので, pybind11 binding のところで定義するのがよいでしょう.

m.def("start_opengl", []() {
  py::gil_scoped_release guard;
  start_opengl();
});

m.def("end_opengl", []() {
  py::gil_scoped_aquire guard;
  end_opengl();
});

のように.

ただ, C++ からさらに python を呼んだりと複雑な場合はこれではうまくいかなそうです!

上記 github issue にあるように, pybind11 GIL aquire/release は諦め, python multiprocessing で python 世界でスレッド管理するようにするのがよさそうです.

TODO

Python -> C++ thread へ中断やデータを渡すうまい方法を考える
- とりあえず中断とかは std::atomic<bool> でフラグでいけるが... JSON-RPC あたりで http メッセージ通信とかにしたほうがいいかも(C++ 側で JSON パースが面倒であるのと, そこまでやるなら C++ と python でプロセス切り分けたほうが良さそうであるが...)