テスト期間中は、開発チーム向けに進捗を報告していると思います。
このとき、テストケース消化率、本日の不具合報告数、未クローズのチケット数、などを機械的に報告してるだけになっていませんか?
こんな感じで。
本日のテスト進捗です
テストケース進捗:63%
本日作成したバグチケット数:10件
未クローズチケット数:55件
この報告だと、受け取った側は情報を読み取る必要が出てきます。というか、忙しいテストフェーズ時に、開発チーム側はそんな面倒なことはしないので、この情報は流れていくだけになってしまいます。
こちらの記事でも書きましたが、報告というものは、読み手に何かしら影響を与える必要があります。そのためには、数値を報告するだけでなく、「QAとしての意見」を添えるようにしましょう。
「数値」と「意見」を分けて伝えることの重要性を、例を2つほど挙げて説明してみます。
天気予報の例
テレビの天気予報を見ると、たいてい、下記のような流れになっています
1.気圧配置図と雲の動き
2.降水確率
3.気象予報士の意見
もし仮に1の情報だけを与えられたら、気象の専門教育を受けていない多くの視聴者はどう感じるでしょうか?
おそらく「それで?」と思って、おしまいです。
テレビ側もそれはわかっているので、降水確率を発表し、気象予報士の意見を伝えます。
気象予報士の意見とは、たとえば、
・今日は洗濯日和でしょう
・折りたたみ傘を持っていきましょう
・雪が降るので、交通機関が乱れるかもしれません
と言ったようなものです。
どうでしょうか、この意見を聞いた視聴者は、今日、何をすべきか(or しないべきか)の参考になりますね。1の情報を与えただけのときとは、行動が大きく異るはずです。
健康診断の例
健康診断の結果をみると、見慣れない数値がたくさんあります。手元の私の健康診断結果を見てみると、
BMI、眼圧、白血球数、赤血球数、HDLコレステロール、AST、ALT、LDH(旧)、γ-GTPなどなど。
医療の専門教育を受けていない人に、これらの数値のみを共有されたとしても、なんの参考にもなりません。
健康診断で我々が求めているのは、数値ではなく、「数値を元にした医療プロフェッショナルからの意見」です。食生活を見直しましょう、運動しましょう、通院して薬を飲みましょう、といった意見が欲しくて、健康診断を受けています。決して、数値が欲しいわけでは無いはずです。
テストに話を戻す
テストに話を戻すと、進捗率とか未クローズチケット数などの各種数値はQA以外のスタッフには、意味を見いだせない数値であることが多いです(無意味というわけではなく、意味を見つけきれない)。したがって、数値の意味をQAのプロが翻訳して、誰にでもわかる言葉で説明してあげる必要があるのです。
「順調です」とか「Aという機能で多くの不具合が見つかっており、検証の速度が上がらない。スケジュールに懸念」とか「Bという機能で多くの不具合がみつかっているが、他の機能と影響しない箇所なので、進捗には影響しない」とか。
情報をどう解釈するかにプロフェッショナルのスキルが介在すると思ってます。
日々の進捗方向ひとつ取っても、QA担当者次第で、プロジェクトに良い影響を与えられるはず!
それでは!