はじめに
この記事は女性エンジニア応援!エンジニアとしてやりがいを感じた経験談をシェアしよう! by パナソニック コネクト Advent Calendar 2024 20日目の記事です。
今までのキャリアの中で、女性特有の苦労や悩みと付き合ったり乗り越えてきた経験や、エンジニアになって良かったことについて綴りたいと思います。
「こんな人でもやっていけてるんだ」と思っていただければ幸いです。
筆者について
- 社会人12年目
- ソフトウェアエンジニア
- 文系卒
- 既婚子無し
- SESに新卒入社、現在は自社開発企業で働いています
苦労と悩み
個人の経験です。
エンジニアに限らない苦労もあります。
主人の転勤
結婚後、主人の転勤のため2回引っ越ししています。(大阪→静岡、静岡→名古屋)
パートナーの転勤によって、ついていくのかor単身赴任か、ついていくなら今の仕事は続けるのかor辞めるのかの選択肢が現れるかと思いますが、私の場合は「ついていくし、今の仕事は続ける」を選びました。
当時はSESだったため、営業マネージャーに「静岡(名古屋)で働き続けたいです」と相談し、現地の案件を取ってきてもらえるように掛け合いました。対応して頂いた営業の方々には本当に感謝しています。ありがとうございます。
コロナ禍前でリモートワークも根付いていない頃だったので、この選択肢を選べたのは非常にラッキーでした。
リモート可の職場であれば問題無さそうですが、出社回帰の昨今、「ついていく」「仕事は続ける」を満たすハードルはまた高くなっている印象です。
引っ越し先に事業所があればそちらに異動すればOKな場合もありますが、事業所があっても受け入れ部署が無かったり、そもそも事業所が無い(地方なら尚更)こともあります。パートナーの転勤を機に転職した、仕事を辞めた、というケースの方が多そうです。
体調
主に婦人科系の病気や症状について、周囲に相談しにくかったです。
手術・入院の際は自分が決めたことなので現場上長に事務的に報告できたのですが(逆にすごく気を遣われた)、生理の痛みに関してはコントロールできないため、「今日全然ダメだ!めまいがする!」という状態でも、報告せずに騙しだまし作業をしていました。
もしかしたら上長に理解があり、報告さえすれば帰らせてもらえたかもしれないですが、生理に関することを男性に話すのはやはり躊躇してしまいます…
あと現場によってはお手洗いに行きにくいところもあり、それに付随する辛さもありました。
家族の理解
場面によってあったり無かったりします。
残業で夕食を作るのが遅れるor作れない、といった時、主人はまったく嫌な顔をせず逆に気を遣ってくれますし、代わりに作ってくれることもあります。
しかし自己学習では、良い顔をされていない雰囲気です。資格勉強や読書をしていると、空気がピリピリしていくのを感じます…笑
なので隠れてコソコソやったり、試験前は了解を得たうえで勉強しています。
これは本当に人によると思います。パートナーも勉強が必要な職種や環境であれば、理解が得やすいかなと思います。
交流
同期の女性エンジニアは気が付けば全員が辞めており、先輩も数える程しか残っておらず、自社でのエンジニアの横の繋がりはほぼありませんでした。
勉強会も男性の参加者が多く、一通り終わった後の歓談タイムで和気あいあいと話されている方々を横目にそそくさと帰る…ということが何回かありました。
男性が多いってだけで勝手にハードル上げてるんじゃないか、それはお前がコミュ障だからなだけではないか、性別を理由にするなと自分でも思うのですが、実際にそのような機会に出くわすと一歩を踏み出しづらかったです。
エンジニアで性別なんて関係ない!と頭では分かっていても、です。えいや!と飛び込んでしまえば、実際そんなハードルなんて無かった可能性が高いと思っていても、なかなか…
ロールモデルがいない
女性エンジニアの母数自体が少ないため、自分の描きたいキャリアと近しい人に出会う機会がやはり少ないです。
ただこの点に関しては、以前参加した勉強会で「『パーツモデル』を探せばいいんだよ」とヒントを得たので、全部に合致している人を探すのではなく、トピックごとに探しています。
なぜ女性エンジニアが少ないのか
自分には無理だと思っている?
過去に客先常駐していた現場で、案件とは別でVBAによる事務作業の工数削減を依頼された際のことです。
成果物を事務担当の方(女性)に見てもらった時に、こんなやり取りをしました。
事務担当の方「すごいですね~プログラム書けるなんて」
私「勉強すれば○○さんにも書けますよ!」
事務担当の方「え~絶対無理!英語分かんないし」
そんな彼女に、私はVBAとC#の書き方を教え、私が作ったプログラムをベースに使い手目線での拡張機能を実装するまでになりました。
私がエンジニアになったきっかけは、「小学生の頃からPCを使ってインターネットで遊んでいて、馴染みがあったから」と、「(学生時代のバイト経験で失敗したので)接客業が向いていないから」です。
リーマンショック間もない頃に就活を行い、SESと、内定欲しさのあまりに受けた飲食業の2社しか内定が無く、「ここで働きたい」というよりかは「ここでしか働けないだろう」と後ろ向きな理由でSESを選びました。
その後、「入社までに資格取れなかったら内定取り消しするぞ」と令和の今では問題になりそうな言葉で発破をかけられ、半泣きで勉強して資格を取り、入社後も目の前の課題についてがむしゃらに取り組みました。
結果、ある程度コードを書けるようになりました。
言いたいのは、「やる前から無理って言うなんてもったいない!」です。
少しでもやってみて、それから自分に向いてるかどうかを判断してほしいです。
私の場合はお給料を稼がなければならなかったので、向いているかを判断せずにやってきて今に至るのですが…
エンジニアになって良かったこと
手に職をつけられる
入社したSESの企業説明会では、「女性もエンジニアになれば、手に職がつけられて長く働ける」と言われていました。振り返ると、確かにそうかもしれません。
前述の転勤の際も、「最悪案件が無かったら転職すればいいか」と考えられましたし、キャリアに関しても、技術職でもない他職種の方よりかは柔軟に考えやすいのかなと思います。
関わったものを使ってもらえる、見てもらえる
自分が関わったシステムを見たり使ってもらい、業務を回している様子を見るのはやはり嬉しいです。「工数が〇時間削減できました!」なんて言われると喜びもひとしお。
過去に自治体のWebサイト案件に参画した時、完成したサイトをたまたま母親が見たことがあり、「あんたこんなん作ったんやねえ…すごいねえ」と言われた際は、地味に嬉しかったですね…
女性エンジニアをこの先増やすためには
以前、女性エンジニアの集まりで「この業界ってどうしたら女性増えるんですかね~」と話したら、「私たちが辞めないことだよ」 との言葉を頂きました。
その通りだと思います。
自分はつよつよでもキラキラでもないエンジニアですが、凡人でも続けていれば、誰かのキャリアの選択肢になるかもしれない、と考えています。
何より私自身が、人生を振り返って「エンジニアになって良かったな」と感じられるように、精一杯頑張って続けていきたいです。
おわりに
書きながら、これらの悩みや喜びって性別関係無いかもな…と思いました。
たまたまIT業界では女性がマイノリティなだけで、界隈が変われば立場が逆になることもたくさんあると思います。
すべての業界で、性別によるギャップや対立が無くなれば良いなあと思います。