初めに
アメリカ化学会に論文を投稿する際のLatexテンプレートとして、achemso style packageというものがあります。
Overleafにも標準で入っています。少しLaTeXに慣れるとMSWordで書くよりも全然快適だと思います。
これの書き方のメモです。
本文
Document Classの指定
テンプレートを開くと、一番初めに下記のような記述があるはずです。
\documentclass[journal=jacsat,manuscript=article]{achemso}
journalのところは、投稿したいジャーナル名に合わせる必要があります(どうもジャーナルによって微妙にルールが異なるらしいです)。
このジャーナル名の文字列は、投稿先のジャーナルのurlを確認すれば良いです。
例えば、この画像のようにACS Catalysisに投稿したい場合は、urlのpubs.acs.org/journal/
以下がaccacs
なので、これを指定すればOKです。
manuscript=
のところは、article
, note
, communication
, review
,letter
, perspective
から選べばOK
Authorの指定
maketitle
は不要です。
化学式の挿入
usepackageとして、下記のような宣言がテンプレートに書かれていると思います。
\usepackage[version=3]{mhchem}
文中で化学式を挿入するときは、
\ce{HSO3^{-}}
のように書けば、自然に HSO3-のように表示してくれるはずです。つまり、普通に数字を入れれば下付文字に、イオン価数などのように上付にしたいものだけ^{}
で入れれば良いです。
[]
で括ることもできます。
図など
図としては、figure
意外にも、scheme
として入れることもあります。下記のように入れればOK.
\begin{figure}
\centering
\includegraphics{figures/structure.pdf}
\caption{The structure of the molecule A.}
\label{fig:structure}
\end{figure}
\begin{scheme}
\centering
\includegraphics{figures/react_mechanism.pdf}
\caption{The reaction mechanism of the molecule A.}
\label{fig:react_mechanism}
\end{scheme}
Supporting Information
冒頭のdocumentclass
の指定のオプションにsuppinfo
を指定すればOKです。
表紙のタイトルの上にSupporing Information: と表示されるようになります。
また、Figureなどの番号が、Figure S1, Table S2... と行ったように番号の前にSが付加されるようになります。
\documentclass[journal=jacsat,manuscript=suppinfo]{achemso}
もし他のジャーナルに投稿するときなどに使う場合、ラベルを変える必要がある場合(例えば、RSC系列はFig 1, Fig2...と振られる)は、下記のような記述を書いておけばOKです。
\renewcommand{\figurename}{Fig.~}
SIの目次など
SIが長い際は目次を入れたほうが良いかと思います。(\tableofcontents
)
セクションのタイトルの前に番号を入れたいときは、\begin{document}
の前に\SectionNumbersOn
を入れる。
\SectionNumbersOn # セクション名の前に番号を入れる。
\begin{document}
\tableofcontents # 目次をタイトルページの次に入れる。
%省略
投稿するとき
投稿時は出力したpdf原稿だけでなく、本文のLatexソース一式をzipにして提出することが求められていますのでお忘れなく。