ドキュメントやテストコードなどで hoge.test.com
など適当なアドレスを例として使っていませんか?適当だからといっても誰かが使っているかもしれないので、それはダメです
「それ、違法です。」「test.comの無断利用 つかまるよ、マジで。」 という程ではありませんが、ITの常識として知っておくべきでしょう。
なぜか?
test.com
は実在する会社のドメインです。実際に使われているアドレスを他人が勝手に使うということは、自分の電話番号や住所などが勝手に便所の落書きに書かれているのと同じ状況なのです。
使われていないドメインであれば良いのか?
良くありません。現在使われていないとしても将来的に使われる可能性はあります。
使って良いアドレス
example.com を使いましょう。このアドレスはインターネットの聖書とも言える RFC
でテスト用のアドレスとして使うように定められています
3. Reserved Example Second Level Domain Names
The Internet Assigned Numbers Authority (IANA) also currently has the
following second level domain names reserved which can be used as
examples.
example.com
example.net
example.org
上記にある通り example.net と example.org も同様に使えます
他のアドレスも使いたい場合
上記の3つだけでは物足りない場合は、上の RFC2606 文書の中に以下のトップレベルのテスト用ドメインも用意されています。ただし、これらのドメインは使用方法がある程度決められているために、目的を意識して使いましょう
アドレス | 目的 |
---|---|
.test | テスト用に使う |
.example | ドキュメント等に例に出すアドレスとして使う |
.invalid | 繋がらないアドレスとして使う |
.localhost | 送信元と送信先が同じ(loopback)アドレスとして使う |
このルールに則って、 aaa.test
や bbb.example
、 xxx.invalid
、 itsme.localhost
などは気兼ねなく使えます
日本独自のテスト用アドレス
日本向けにも独自にテスト用のアドレスがいくつか用意されています
次の文字列のJPドメイン名は、例示としてご利用いただけます。
"EXAMPLE"を用いたもの
例: EXAMPLE.JP
EXAMPLE.CO.JP
EXAMPLE.NE.JP"EXAMPLE"の後に1桁の数字(""0""から""9"")がつく文字列を用いたもの
例: EXAMPLE1.JP
EXAMPLE2.CO.JP
EXAMPLE3.NE.JP次の日本語ドメイン名
ドメイン名例.JP (日本語JPドメイン名)
XN--ECKWD4C7CU47R2WF.JP (「ドメイン名例.JP」のpunycode表記)
実際にアクセスするわけではなくても
テストコードのバグなど何らかの拍子で実際に繋がってしまうかもしれません。間違った時に、誰かに迷惑がかかる可能性はあります。
- テスト用サーバーに対して負荷をかけるつもりだったが、実際のサーバーに負荷をかけてしまった
- 配信テスト用のメールを大量に送り付けてしまった
そんなことにならないように、誰にも迷惑のかからないアドレスを使いましょう。
テスト用だからどんなアドレスでも構わないというような考えだと、いつの日か「セシウムさん騒動」のような事が自分の身にも起きてしまうかもしれません。意図しなくても他のサーバーに迷惑をかけてしまえば、損害賠償や刑事責任を負う可能性は出てきます