背景
仕事上でAnsibleを良く使って構築してますが、その後の設定変更対応や運用では使えてないことに課題感をもっており、もっと活用したいと考えておりました。日々の運用作業に活用する場合は提供速度も重要ですが、初期構築作業と比べ依頼数が格段に多くなるため、作業の正確性が重要となります。また、担当者間で作業分担することも増えるため、担当者のツールや案件の理解度に依存しないように運用を回す必要があります。しかしながらAnsibleはCUIのツールとなっているため、担当者の理解度に大きく依存してしまうため、誤った操作をする懸念があります。
そこで担当者の理解を補助するためにAnsibleのGUIツールの導入を考えていたところ、Red Hat Ansible Automation Platform(AAP)とそのコミュニティ版であるAWXを見つけました。
本記事ではAAPのGUI機能についてと、AWXの商用利用に制限がないかを調査した結果をご紹介いたします。
Red Hat Ansible Automation Platform とは
一言で言うと複数チーム向けの自動化ソリューションです。
公式ページでは3つの異なる立場のチームと9つの機能が挙げられており、それぞれのチームでどの機能を使うか紹介されております。
筆者の場合はAnsibleをGUIで使いたいが目的のため、公式ページ上の自動化管理者と運用チームで紹介されているAutomation controller と Ansible Automation Hub を利用することで目的を達成できます。機能の詳細については次回の記事で紹介させていただきます。
自動化管理者と運用チーム
自動化管理者と運用チームは、自動化プラットフォームとフレームワークの運用を維持します。彼らは Automation controller と Ansible Automation Hub の強力なツールを利用でき、共通言語と、エンドポイントで広範にアクセスできるコマンドライン・インタフェース (CLI)、グラフィカル・ユーザー・インタフェース (GUI)、テキストベースのユーザー・インタフェース (TUI) の組み合わせを使用して、自動化プロジェクトの管理と共有をより効率的に実行できます。
ライセンス
AAPはAWS向けだとプレミアサポート契約かつ100ノード単位のパックのみで、1年間で17,500ドル(約262.5万円)です。ノード数は管理対象ノードとのことで、いまいち抽象的で分かりにくいですが常識的に考えるとインベントリファイルに記載するホストと思われます。(要検証)
RHAAP Red Hat Ansible Automation Platform Premium. Sold in 100 node packs. $17,500
AWXはApache License 2.0のため商用利用が可能となります。またソースコードはGitHubで公開されております。
ライフサイクル
AAPの現在(2024年3月25日)の最新はバージョン2.4です。
2023年6月27日にリリースされてフルサポート期間は2024年6月27日まで、メンテナンスサポート(2回目)は2025年12月31日まで受けられます。そのためざっくりとしたサポート期間は通常は2年ほどのようです。
1.2系のような延長サポート付きになると5年ほどのようです。
なるべく延長サポート付きのバージョンを選びたいですが、1.2系の次の延長サポートバージョンの情報はありませんでした。
AWXの現在(2024年3月25日)の最新バージョンは24.0.0です。2週間ほどで新しいバージョンがリリースされるようですが、FAQの下記記載から安定版の概念は無いものと思われます。
Q: AWX はどれくらいの頻度でリリースされますか?
AWX チームは現在、約 2 週間ごとに新しいビルドをリリースする予定です。 AWX チームは、独自の裁量で特定のビルドに「安定」のフラグを付けます。 「安定している」という用語は、運用環境での使用への適合性や、いかなる種類の保証も意味するものではないことに注意してください。
まとめ
- AAPのAutomation controller と Ansible Automation Hub にGUI機能が含まれます。
- AWXはApache License 2.0のため商用利用が可能となります。
今後の予定
AAPとAWXの機能比較と実機検証を予定しております。