86
108

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 3 years have passed since last update.

ChromebookのLinux開発環境構築

Last updated at Posted at 2019-10-22

ChromeOSでLinuxアプリが使える機能「Project Crostini」でLinuxの開発環境を構築したときの、セットアップの手順を記してます。
基本的に個人用のメモです。

Windows版は下記です:
Windowsを購入したら最初にすること|s2terminal|note

環境

Google Pixelbookなど、AMDアーキテクチャで最近発売されたChromebookならば、本稿の手順はほぼ同様に適用できると思います。

一方、ASUS C101PA (OP1)やLenovo IdeaPad Duet (MediaTek Helio P60T)などARMアーキテクチャのChromebookでは、本稿の手順は一部適用できない箇所があります。またASUS C302CA (Core m3-6Y30)など「"Crostiniに対応している"という情報が無い」Chromebookでは、そもそも本稿の方法でLinux環境を構築することはできません。もし今Chromebookの購入を検討している段階の場合は、機種のCrostini対応状況をよく調べてください。

Linuxを有効にする

Chromebook公式ヘルプのセットアップ手順を参考に、Linux(ベータ版)を有効にします。

セットアップできたら、まずはパッケージを更新しておきます。

$ sudo apt-get update && sudo apt-get dist-upgrade

日本語環境の構築

日本版のChromebookだったとしても、Crostini上ではデフォルトでは日本語は利用できません。

日本語フォントのインストール

文書用にIPAフォントと、コーディング用にMyricaを使います。

IPAフォントはaptでインストールできます。

$ sudo apt install fonts-ipafont fonts-ipaexfont

Myricaは、~/.fontsに配置することで使えるようになります。

$ mkdir /tmp/fonts; cd $_
$ wget https://github.com/tomokuni/Myrica/raw/master/product/Myrica.zip
$ unzip Myrica.zip
$ mv ./Myrica.TTC ~/.fonts/
$ fc-cache --force --verbose

日本語入力のセットアップ

fcitx-mozcを使います。

$ sudo apt install fcitx-mozc

インストールしたら、Chromeのアプリケーションシェルフ(虫眼鏡ボタン)から「Linuxアプリ」→「Fcitx」と起動します。そのあとfcitx-configtoolを実行します。

$ fcitx-configtool

「Input Method」に「Mozc(Japanese)」をaddします。

image.png

必要に応じて、Global ConfigでTrigger Input Methodも変更します。

設定が終わったら、下記コマンドでfcitxを起動します。

$ fcitx-autostart

ターミナルなどで日本語入力できるかどうかを試すと、設定がうまくいっているか確認できます。日本語入力と英数入力の切り替えはデフォルトでは「Ctrk+Space」ですが、「かな英数」キーでも切り替えができるようにして使っています。

dotfiles

自分用のdotfilesを取ってきて、読み込むようにします。

$ cd
$ git clone git@github.com:s2terminal/dotfiles.git
$ echo '. ~/dotfiles/.bashrc' >> ~/.bashrc
$ echo '[include]
  path = ~/dotfiles/.gitconfig' >> ~/.gitconfig

SSHホスト名やGitユーザ名などは別管理していますので、上記のようにincludeするようにしておくと複数の設定リポジトリやローカルマシンにだけ置く物(秘密鍵など)を共存させることができます。

$ echo 'Include ~/secret_dotfiles/.ssh/config' >> ~/.ssh/config
$ echo '[include]
  path = ~/secret_dotfiles/.gitconfig' >> ~/.gitconfig

参考: 設定ファイルを複数ファイルに分割して管理する構文のまとめ - Qiita

VS Code

VS Code公式のLinux用セットアップガイドに従って、インストールします。

$ wget -qO- https://packages.microsoft.com/keys/microsoft.asc | gpg --dearmor > packages.microsoft.gpg
$ sudo install -o root -g root -m 644 packages.microsoft.gpg /etc/apt/trusted.gpg.d/
$ sudo sh -c 'echo "deb [arch=amd64 signed-by=/etc/apt/trusted.gpg.d/packages.microsoft.gpg] https://packages.microsoft.com/repos/vscode stable main" > /etc/apt/sources.list.d/vscode.list'
$ sudo apt-get install apt-transport-https
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install code # or code-insiders

2020年9月のアップデートでLinux用ARMビルドが公式に提供されるようになったので、ASUS C101PAやLenovo IdeaPad Duetなどでも普通にインストールできると思います。

VS Codeの設定同期

2020年7月のアップデートで設定同期がVS Code安定版に入ったので、VS Codeのコマンドパレットから>Settings SYnc: Turn On...から有効化することで、他の端末と設定を同期できます。

なおGitHubアカウントかMicrosoftアカウントのどちらを使うか聞かれますが、Microsoftアカウントでの設定同期はLinuxで現状うまくいかないため、GitHubアカウントを使うほうがいいでしょう。

その他、問題が発生した場合は下記などを参考に対処します。

VS Codeの日本語化

日本語化するにはJapanese Language Pack for Visual Studio Codeをインストールする必要があります。VS Codeを起動してクイックオープン(Ctrl+P)にext install MS-CEINTL.vscode-language-pack-jaを入力します。

先に「日本語入力のセットアップ」の項で述べた日本語フォントをインストールしていないと、日本語化した時に豆腐になります。また、日本語入力のセットアップが完了していないとVS Codeでも日本語を入力することができません。

ターミナル

2020年夏頃のバージョンアップ(ChromeOS 81?)から標準のターミナルのデザインがきれいになって、タブ管理もできるようになりました。ChromeOS同士で設定も同期するので、基本的にはこれでいいと思います。

image.png

必要であればHyper™などのターミナルも、Linux版をインストールできます。

Firefox

Chromebookには当然ChromeがWebブラウザとしてデフォルトでインストールされていますが、それとは別にLinux版Firefoxをインストールして使うこともできます。
しかしaptでインストールしたFirefoxは Firefox ESR というバージョンになります。この Firefox ESR は動作がカクついたりと厳しいため、最新のLinux向けFirefoxを導入する方がいいです。
最新のLinux向けFirefoxを導入するには Flatpak というパッケージマネージャから導入するといいです。

$ sudo apt install flatpak
$ flatpak --user remote-add --if-not-exists flathub https://flathub.org/repo/flathub.flatpakrepo
$ flatpak install firefox

Firefoxはネットワーク設定がアプリ内で独立しているため、限られたインターネットアクセスにのみProxyを使いたい場合などにChromeとは別のブラウザとして利用できます。

Docker

Debianのインストール手順に沿って、ふつうにインストールできます。

参考

86
108
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
86
108

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?