2023年2月にMLSを受け、それがきっかけで月に1~2個のペースで他の認定資格を取り続け、9月にAWS認定全冠を達成しました。
資格取得に集中しすぎて仕事に影響が出ないよう、バランスを保つことに努めました。結果として、DBSやDOPなどの資格は業務に直接活かすことができ、非常に効率よく学習を進めることができました。AWS認定全冠はもはや珍しいことではありませんが、私の経験が皆さんの参考になれば幸いです。
私の経歴
エンジニア歴4年目。AI研究とインフラ再設計・構築を主に担当しており、アプリケーション開発(フロントエンド、バックエンド)もたまに行っています。
今の会社で働いてちょうど1年くらいになるのですが、前職までは主にモバイルアプリの開発をやっていました。
SQSやS3などの一部のAWSサービスを使うことはありましたが、本格的に利用し始めたのはここ4ヶ月間です。
この期間で多くのAWSサービスに触れ、豊富な経験を積むことができました。
EC2/IAM/VPC/VPC Endpoint/S3/ECS(Fargate)/ECR/Lambda/API Gateway/Route53/RDS/WAF/Config/GuardDuty/EventBridge/CloudTrail/CloudWatch/Amplify/Cognito/CodeCommit/CodeBuild/CodePipeline/Cost Explorer/Budgets/SNS/Systems Manager/SageMaker
全冠を目指した理由
会社が受験費用を負担してくれるなら、錯覚資産としてのコスパが高そうだと思ったからです。
今の会社に入ってからAI関連の業務を担当するようになり、また、福利厚生として資格試験の受験費用が会社から支給されるようになりました。これを機に、機械学習に関する知識を深めるためMLSの資格を取得しましたが、予想以上にスムーズに合格することができました。全冠取得により、一定の評価や認知が得られることは耳にしていたので、1資格を2〜3週間の勉強で取得できるのであれば全冠を目指す価値はあると考え、挑戦することにしました。
資格取得のスケジュール
以下が受験履歴です。
MLS~DASまでのSpecialty試験に連続で合格して、余裕ぶっこいてSOAを受けたら普通に落ちました。その他の試験は一発合格です。3~5月に人生の大きなイベントが続いたのですが、期間を空けずに試験を受け続けられたのがよかったです。
学習ツール
学習はWEB問題集中心に行いました。問題集の解説が理解しにくい場合に参考書を利用することもありましたが、大部分は問題集を解くことに専念しました。参考書の説明も難解だった場合はChatGPTに質問していました。
最初の方に受けたMLS, SCS, DBS, DASに関してはTeck Stock(Cloud Licenseに名前が変わってる!)の問題集を使いました。しかし、Tech Stockのみの学習でSOAは落ちたので、CloudTechの問題集に切り替えました。CloudTechは、解説の質や問題の的中率が非常に高く、SOA, DVA, SAP, PAS, DOP, CLFについては、この問題集のみで学習しました。
ただ、CloudTechのANS問題集は本番の傾向に沿っていないと感じたため、Tech Stockと併用しました。結果として、ANSに関してはTech Stockの方がより適切な対策ができました。
多くのAWS認定合格者が「Black Beltの動画は必見」や「英語の資料も確認した方が良い」とアドバイスしていますが、私の経験から言うと、ANSを除けば、それほどまでに時間を割く必要はないと感じました。多くの人が仕事と並行して学習している中で、効率的な学習が最も重要です。問題集を完全にマスターし、試験内容が直接業務に関連する場合のみ、追加の学習をお勧めします。
手こずった試験
私が感じた試験の難易度は、以下の通りです。
ANS>>>>>SAP>=SCS>SOA>DOP>>SAA>DBS=DAS>MLS>DVA>CLF>PAS
ANSとSAPは高難易度で有名なのでそれなりに対策をした(ANSはそれでもギリギリ合格)のですが、SCSとCLFについては舐めてかかったら足元をすくわれかけ、SOAについては実際に足元をすくわれました。
特に、SCSとSOAでは、2択からの絞り込みが困難でした。また、CLFでは、「Well-Architected Frameworkのどの原則に当てはまるか?」といった、より抽象的な問題が出題されます。CLFの上位資格であるSAAやSAPをもっているからといって油断してかかると本当に足元をすくわれます(大事なことなので二回言った)。
よかったこと
最も感じた利点は、実務への取り組みがよりスムーズになったことです。会社には、インフラに関する相談ができるメンバーがいなかったため、認定試験で習得した知識やChatGPTのサポートにより、作業の効率が大幅に向上しました。これにより、プロジェクトの進行速度を維持しつつ、より高度なタスクにも対応できるようになりました。
特に、運用、セキュリティ、データベース周りの業務をやっていったため、SCS、DBS、SOA、DVA、DOPの資格は、直接的に業務の質を向上させる助けとなりました。
勉強順
どの試験も2~3週間あれば受かるので、受験する順番はなんでもいいと思います。
私の場合、最初にMLSを取得し(SAAを取得したのはずっと前なので除く)、最後にCLFを取得するという、一般的ではない順番での受験となりましたが、これが特に非効率であったとは感じませんでした。各試験にはそれぞれの特性と要求される知識・スキルがあるので、自身の経験や得意分野に基づいて、受験順序を計画すればいいんじゃないでしょうか。
さいごに
AWSのサービスやインフラ構築について、まだ理解していないことが多く、全冠を達成したとはいえ、大きな達成感は感じていません。全冠達成は一つの節目ではありますが、これからも学び続け、深い理解を目指していきたいと思います。