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IAMロールとGitHub Actionsの統合によるデプロイのセキュリティ強化

Last updated at Posted at 2023-11-03

これまで、AWS SDKをLambdaにデプロイする際のクレデンシャル(IAMユーザーのアクセスキーとシークレットアクセスキー)管理について課題を感じていました。

環境変数からリソースの強い操作権限をもったIAMユーザーのアクセスキーを読み込む方法だと、キーが流出したときのセキュリティリスクが大きいので、IAMロールを利用する方法に変更しました。

本記事では、この変更を実施する際の手順を備忘録としてまとめています。

手順

GitHub ActionsのデプロイワークフローでGitHub SecretsからAssumeRole権限をもったIAMユーザーのアクセスキーとシークレットアクセスキーを読み込み、AssumeRoleでIAMロールの権限を引き受けるようにしました。

IAMユーザーの作成

コンソールやIaCツールからIAMユーザーを作成し、以下のカスタムポリシーを作成して関連付けます。
Resource欄については、IAMロール作成後にARNをコピペします。

{
    "Version": "2012-10-17",
    "Statement": [
        {
            "Effect": "Allow",
            "Action": [
                "sts:AssumeRole",
                "sts:TagSession"
            ],
            "Resource": "arn:aws:iam::<Account ID>:role/<Role Name>"
        }
    ]
}

追記
sts:AssumeRoleだけじゃなく、sts:TagSessionも必須です。

次に、「セキュリティ認証情報 > アクセスキー」からアクセスキー(およびシークレットアクセスキー)を発行します。

このアクセスキーは、GitHub ActionsのデプロイワークフローでAssumeRole(IAMロールの権限を引き受ける)際に必要となります。

注意
このIAMユーザーはリソースの操作権限を持っていません。
もしキーが第三者に漏れても、重大なリソース操作は行えないため、セキュリティのリスクは低いですが、それでも流出を防ぐための対策(キーのローテーションなど)が必要です。

追記 2024-01-07
OpenID Connectを使用すれば、IAMユーザーの作成は不要です。

OpenID Connectを使用してGitHub Actionsでアクセスキーレスなデプロイをおこなう

IAMロールの作成

IAMユーザーと同様に、コンソールやIaCからIAMロールを作成します。

デプロイワークフロー用のIAMロール

こちらのポリシーには、デプロイに必要なリソースの操作権限(CloudFormation, API Gateway, Lambda, ECR, IAMなど)を付与します。

次に、IAMロールの「信頼関係」タブに移動し、「信頼されたポリシー」の編集を選択します。信頼ポリシーでは、どのエンティティがロールを引き受けることができるかを定義します。

PrincipalAWSには、先ほど作成したIAMユーザーのARNをコピペします。

{
    "Version": "2012-10-17",
    "Statement": [
        {
            "Effect": "Allow",
            "Principal": {
                "AWS": "arn:aws:iam::<Account ID>:user/<User Name>"
            },
            "Action": [
                "sts:AssumeRole",
                "sts:TagSession"
            ],
            "Condition": {}
        }
    ]
}

Lambda用のIAMロール

こちらのポリシーには、アプリケーションで必要なリソースの操作権限(S3, SESなど)を付与します。

Lambda詳細画面の「設定タブ > アクセス権限」から、実行ロールとして作成したIAMロールを関連付けます。
これでアプリケーションのコード上でクレデンシャルを読み込む必要がなくなります。
スクリーンショット 2023-11-03 9.10.49.png

GitHub Secretsへの環境変数の登録

GitHubリポジトリのSettingsタブから「Secrets and variables > Actions」を選択し、「New repository secret」からワークフローで使用する環境変数(AWS_ACCESS_KEY_ID, AWS_SECRET_ACCESS_KEY, AWS_IAM_ROLE_TO_ASSUME)を登録します。

AWS_IAM_ROLE_TO_ASSUMEにはIAMロールのARNを入力します。

スクリーンショット 2023-11-03 8.58.14.png

GitHub Actionsデプロイワークフローの修正

以下がデプロイワークフローの一部です。
configure awsのステップで先ほど設定した環境変数を読み込んでいます。

name: Lambda Deploy
on:
  push:
    branches:
      - develop
    paths:
      - "**"
  workflow_dispatch:

jobs:
  deploy:
    runs-on: ubuntu-latest
    steps:
      - uses: actions/checkout@v3
      - uses: actions/setup-node@v3
        with:
          node-version: '18'

      - name: install dependencies
        run: yarn install
        working-directory: ./

      - name: configure aws
        uses: aws-actions/configure-aws-credentials@v1
        with:
          aws-access-key-id: ${{ secrets.AWS_ACCESS_KEY_ID }}
          aws-secret-access-key: ${{ secrets.AWS_SECRET_ACCESS_KEY }}
          role-to-assume: ${{ secrets.AWS_IAM_ROLE_TO_ASSUME }}
          role-duration-seconds: 3600

注意
role-duration-seconds: 3600の秒数はIAMロールの最大セッション時間以下に設定する必要があります。

ローカル環境での開発

Lambdaデプロイ後の環境ではLambdaの実行ロールでAWSリソースの操作が可能になりますが、ローカル環境(Dockerなど)では実行ロールがないため、従来通りクレデンシャルを環境変数から読み込む運用となります。

そのため、アプリケーションのコードを以下のように修正する必要があります。

  private createS3Client(): S3Client {
    const options: S3ClientConfig = {
      region: 'ap-northeast-1',
      ...(process.env.ENV === 'local' && {
        credentials: {
          accessKeyId: process.env.ACCESS_KEY_ID as string,
          secretAccessKey: process.env.SECRET_ACCESS_KEY as string
        }
      })
    }

    return new S3Client(options)
  }

おわりに

ECSにデプロイする場合も大体同じような手順です。
ECSタスク定義でタスクロールを指定することにより、ECSタスクが実行されるEC2インスタンスやFargate上で動作するコンテナがAWSリソースにアクセスできるようになります。
このタスクロールは、特定のAWSサービスやリソースに対するアクセス権限を定義するIAMポリシーをアタッチすることでカスタマイズ可能です。

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