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Google Apps ScriptAdvent Calendar 2021

Day 11

[Clasp] Google Apps Script で npm install した package を利用する

Last updated at Posted at 2021-12-10

この記事は Google Apps Script Advent Calendar 2021 の 11 日目の記事です

はじめに

GAS に頼るのは最後の手段にしたいというのが個人的な考えですが、
google/claspにより TypeScript で記述できるようになったことで
自分の中で GAS に対するハードルがだいぶ下がりました。(TypeScriptの書き味が一番好きです)

今回はそんな clasp を使って、npm install した package を利用する方法を記載してみます。

前提

  • Node.js および npm を利用できること(本記事では npm を使いますが、yarn に置き換えられる方はそれでも大丈夫かと思います)
  • google/clasp がインストール済であること

注意点

  • 最後に GAS 上でプロジェクトを開くとわかりますが、1 つの JavaScript ファイルに bundle されるため、目当ての関数を探すのが面倒にはなります。
  • また、GAS 上コードを直接編集することはほぼできない感じになります。
  • clasp push する前には必ず、 npm run build (rollup 実行)が必要です。
  • 後から気づいたのですが、ドキュメントからのリンクのこちらにも完成形があります。本記事はそれを 0 からやっていく手順です。

手順

clasp プロジェクトのセットアップ

この辺りは初歩的なところなので読み飛ばしても OK です。また、clasp のスタート手順については、README を読むと情報が正確です。

# (未だの場合のみ) clasp の認証を通しておく
clasp login

# 適当にプロジェクトディレクトリを作成してnpm init
cd projectdir
npm init

# GASのプロジェクト構成を作成
clasp create --type standalone

TypeScript 化

これは本題とは少し関係がないところですが、TypeScript で書きたいのでドキュメントに従ってセットアップします。

次のコマンドで形定義を install して

npm i -D @types/google-apps-script

直下に tsconfig.json を作成すれば OK です。
tsconfig.json は clasp のドキュメントによると、変更するなという項目もあるので注意。
一例を載せておきます。

tsconfig.json
{
  "compilerOptions": {
    "target": "ES2019",
    "module": "None",
    "moduleResolution": "node",
    "esModuleInterop": true,
    "strict": true,
    "lib": ["esnext"],
    "experimentalDecorators": true
  },
  "include": ["src"]
}

スクリプトを記述

ここから本筋の、npm install した package を利用したコードを書いていきます。
とりあえず moment を使ってみるので install してコードを作成します。

moment を install して

npm i moment

src ディレクトリに index.ts を記述

src/index.ts
import moment from "moment";

const main = () => {
  const now = moment();
  Logger.log(now.format());
};

この時点で、 clasp push コマンドを打つと GAS をアップロードできますが、 clasp open で GAS プロジェクトを開いて実行しても、エラーになるはずです。GAS 上でも動かせる JavaScript ファイルになるよう、bundler を設定します。

module bundler (rollup.js) を設定

ローカルで書いたソースコードから、GAS 上でも実行できるファイルを生成するために rollup.js を使います。
ちょっと難しそうですが、clasp のドキュメントに書いてあることをやるだけです。

まず、rollup.js を install します。

npm i -D rollup

次に、rollup の config ファイル rollup.config.js を作成します。一旦ドキュメントからコピペするだけです。

rollup.config.js
import { babel } from "@rollup/plugin-babel";
import { nodeResolve } from "@rollup/plugin-node-resolve";

const extensions = [".ts", ".js"];

const preventThreeShakingPlugin = () => {
    return {
      name: 'no-threeshaking',
      resolveId(id, importer) {
        if (!importer) {
            // let's not theeshake entry points, as we're not exporting anything in Apps Script files
          return {id, moduleSideEffects: "no-treeshake" }
        }
        return null;
      }
    }
  }

export default {
  input: "./src/index.ts",
  output: {
    dir: "build",
    format: "esm",
  },
  plugins: [
    preventThreeShakingPlugin(),
    nodeResolve({
      extensions,
    }),
    babel({ extensions, babelHelpers: "runtime" }),
  ],
};

あわせて、babel の config ファイルを作成します。

babel.config.js
module.exports = {
  presets: [
    [
      // ES features necessary for user's Node version
      require("@babel/preset-env").default,
      {
        targets: {
          node: "current",
        },
      },
    ],
    [require("@babel/preset-typescript").default],
  ],
   plugins: ["@babel/plugin-transform-runtime"]
};

plugins はドキュメントの例にはありませんが、必要なので追加しておきます。

この状態で rollup を実行すると色々とエラーが出ることがわかるので対応します。(実行前にエラーがわかるようになりたい人生だった)

# 必要な依存関係を解決する (上記のjs内で使ってるplugin等々)
npm i -D @rollup/plugin-babel @rollup/plugin-node-resolve @babel/preset-env @babel/preset-typescript @babel/plugin-transform-runtime

babel.config.js に必要な plugin がないよと怒られるので編集追加します。

babel.config.js

+  plugins: ["@babel/plugin-transform-runtime"],

あと少しです。rollup.config.js に一部追加します。
node_modules 以下の package.json から main ファイルを解決してくれるのですが、 jsnext:main という様式で書かれている package があり、それに対応するための追記です。(jsnext:main 以外は ドキュメント記載のデフォルト値を入れてます。)

rollup.config.js
     nodeResolve({
       extensions,
+      mainFields: ["jsnext:main", "module", "main"],
     }),

ここまでできたら、package.json に build 用のコマンドを追加して実行してみましょう。

package.json
   "scripts": {
+    "build": "rollup -c"
   },
npm run build

成功すると created build みたいな出力になるはずです。

clasp のデプロイ

ここまできたらあと少しです。
bundle された js ファイル以外がアップロードされないように、.claspignoreを作成します。

.claspignore
# ignore all files…
**/**

# except the extensions…
!appsscript.json
# and our transpiled code
!build/*.js

# ignore even valid files if in…
.git/**
node_modules/**

そして以下のコマンドを実行するとアップロードできます。

# スクリプトのアップロード
clasp push

clasp open などで GAS プロジェクトを開き、 main 関数を実行すると、npm install した moment を使ったコードが実行できることが確認できるかと思います。
お疲れ様でした!

終わりに

今回のソースコード完成形はこちらにあります。 (https://github.com/suzukenz/sandbox/tree/master/advent-gas-2021)

記事にすると結構長くなりましたが、一度わかれば構築はすぐで、便利な package を使えたり
import / export が使えたりとメリットが多いので、自分は GAS を作るときはしばらくこれでやってみるつもりです。
また、clasp を使ってローカルに開発環境を作ることで、eslint などの便利なツールの恩恵も受けられます。その辺もいつか触れられたらと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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