はじめに
近頃、TeXLive が 2020 から 2021 にアップグレードされました。
私は自宅の Mac 環境で[改訂第8版]LaTeX2ε美文書作成入門の付属DVDからインストールしてたのですが、この場合、TeXLive のインストーラのデフォルトとは異なるディレクトリ構成になります。
そこで、TeXLive 2021 にアップグレードする際、設定を少しいじってインストールしたので、
その内容をメモとして残したいと思います。
アップグレード前のディレクトリ構成
TeXLive の通常のインストールをした場合と美文書作成入門付属 DVDからインストールした場合のディレクトリ構成は以下のようになっています。(TeXWiki)
TeX Live 2020 / MacTeX-2020 | [改訂第8版]LaTeX2e美文書作成入門 | |
---|---|---|
基本インストール | /usr/local/texlive/2020 |
/Applications/TeXLive/Library/texlive/2020 |
TEXMFLOCAL |
/usr/local/texlive/texmf-local |
/Users/Shared/TeXLive/texmf |
TEXMFHOME |
~/Library/texmf |
~/TeXLive/texmf |
なお、自分の環境がどのような構成になっているかはターミナルで tlmgr conf
を実行するとわかります。
TeXLive 2021 をデフォルト設定でインストールすると TEXMFLOCAL
, TEXMFHOME
が TeXLive 2020 標準と同じ/usr/local/texlive/texmf-local
等になってしまいますが、私は/Users/Shared/TeXLive/texmf
以下に源ノ明朝フォントをインストールするなどしているため、変更されたくありません。
インストール先はデフォルトだと /usr/local/texlive/2021
で、これは特に問題ないかもしれませんが、2020 と 2021 が全く別のディレクトリにインストールされるのも気持ち悪いので /Applications/TeXLive/Library/texlive/2021
に入れたいと思います。
TeXLive 2021 のインストール
TeXLive のサイトからISOファイルをダウンロードしてマウントし、
sudo ./install-tl
を実行します。
TEXMF環境変数の指定
GUI画面が表示されたら、左下の[高度な設定]を押して、詳細設定の画面に切り替えます。
左側の真ん中あたりにある[さらに表示...]ボタンを押して、以下の画面に切り替えます。
インストール先ディレクトリ他の指定を以下のように変更します。
- インストール先: /Applications/TeXLive/Library/texlive/2021/
- TEXMFSYSVAR: /Users/Shared/TeXLive/texmf-var
- TEXMFSYSCONFIG: /Users/Shared/TeXLive/texmf-config
- TEXMFLOCAL: /Users/Shared/TeXLive/texmf
- TEXMFHOME: ~/TeXLive/texmf
- TEXMFVAR: ~/TeXLive/texmf-var
- TEXMFCONFIG: ~/TeXLive/texmf-config
tlmgr conf
の出力だと TEXMFHOME等の値に /Users/foo/... 等と表示されますが、ここでは ~ を使用して指定する必要があります。
そうでないと、各ユーザごとに切り替わるべき TEXMFHOME
がインストールしたユーザのホームディレクトリ以下に固定されてしまいます。
Path の設定
[インストール]ボタンを押して、インストールを開始します。
インストールが終わったら、/etc/paths.d/TeXLive
を編集して、インストールされた新しい TeXLive のパスを追加します。
/Applications/TeXLive/Library/mactexaddons/bin
/Applications/TeXLive/Library/texlive/2021/bin/universal-darwin
/Applications/TeXLive/Library/texlive/2020/bin/x86_64-darwin
ターミナルを開き直して、tlmgr conf
を実行し、TeXLive のバージョン、TEXMF...
の一群の環境変数が指定通りに設定されていたらインストール完了です。