はじめに
一家に一台 Kubernetes クラスタがある時代がやってきました。この時代に周りと差をつけるにはよりインスタ映えする Raspberry-Pi (以下、ラズパイ)クラスタケースをつくることです!ここでは、みんな大好き Kubernetes の形をした Kubernetes ラズパイクラスタケースのつくりかたを紹介します。
まだ配線できてませんが Kubernetes ラズパイクラスタを持ってきました。前の方に置いておくので懇親中にでもみてください😊 #k8sjp pic.twitter.com/2h3sIJrZRi
— Kazuki Suda / すぱぶら (@superbrothers) November 8, 2018
私は、つや消しクリアとつや消し黒で2つのクラスタケースをつくりました。アクリル板なのですが、つや消し黒はなんだが金属のような雰囲気がありかっこういいです。Kubernetes Meetup Tokyo に持っていった際はモテました。
つくりかたの概要とテンプレートのダウンロード
ケースは、アクリル板をレーザーカッターで加工してつくります。レーザーカッターは、設計図となるテンプレートのデータからアクリル板を切り出します。テンプレートデータの通り寸分の狂いなく切り出してくれるので、テンプレートデータさえ用意できればもうケースが完成したも同然です。このデータを作成するのが大変なのですが、素晴らしいことに Kasper Nissen さん(@phennex) がブログエントリの中でテンプレートデータを公開してくれています。つまり私はただ彼のエントリをみて格好よかったため、公開してくれていたテンプレートデータを使い加工しただけです。テンプレートデータは、次のリンク先 The template can be downloaded here. からダウンロードできます。
Awesome, seeing our template being used! 👏 The frosted one is cool!
— 𝙺𝚊𝚜𝚙𝚎𝚛 𝙽𝚒𝚜𝚜𝚎𝚗 (@phennex) November 8, 2018
レーザーカッターを探す
ブログエントリの中で、彼は業者に依頼して加工してもらったとあります。もし身近にレーザーカッターがない場合やブツがほしいだけで作りたいわけではない方は、同様に業者に依頼するのがよいでしょう。私は運良く身近にレーザーカッターがあったため自分で加工することにしました。最近は DIY の流行りもあり、レーザーカッターを借りられるところも多いようです。探してみると意外に近くにあるかもしれません。
自分自身で加工する場合、レーザーカッターによって加工できるアクリル板のサイズが決まっているため、アクリル板を購入する前に必ずレーザーカッターの仕様を確認し利用できるアクリル板のサイズを確認しましょう。また、テンプレートデータもアクリル板のサイズに合わせて編集する必要があります。データの修正には Adobe illustrator が必要です。
材料 (1クラスタ分)
材料です。ここでは1クラスタ分を記載しています。このサイズのアクリル板で6段のケースをつくれます。
材料 | 個数 | 価格 | URL |
---|---|---|---|
アクリル板 320x550x3mm つや消しクリア | 1個 | 2,266円 | https://hands.net/goods/2401016899806/ |
スペーサー M2.6 30mm (BS-2630E) | 50個 | 1800円 (36円) | http://hirosugi.co.jp/products/POM/BS-E.html |
スペーサー M2.6 6mm (BS-2606E) | 50個 | 1250円 (25円) | http://hirosugi.co.jp/products/POM/BS-E.html |
ネジ M2.6 6mm (F-2606-E) | 50個 | 200円 (4円) | http://hirosugi.co.jp/products/F/F-E.html |
ボルト M2.6 (FNT-26E) | 50個 | 200円 (4円) | http://hirosugi.co.jp/products/F/F-E.html |
アクリル板
ここでは、アクリル板をつや消しクリアで記載しています。写真にあるつや消し黒も同じメーカーから発売されていますので、好みで購入してください。先にお伝えしたとおり、アクリル板のサイズはレーザーカッターの仕様を確認して利用可能なものを選択してください。次に厚みについて、ここでは 3mm としています。当初 2mm のもので加工したところロゴの彫刻処理のせいかアクリル板が反ってしまいました。これは、加工の出力の調整によって問題ないようにできるとは思うのですが、念の為 3mm に変更してうまくいきました。
スペーサーとネジ、ナット
スペーサーは、ラズパイとケースの隙間を空けるためのもの(短い方)とケースを重ねるためのもの(長い方)が必要です。ラズパイのネジ穴は M3 で空けられているため、よく市販されている M3 のスペーサー、ネジだと同じサイズなのでうまく入りません。M2.6 のものは量販店に置かれていることが少ないのでスペーサーなどを専門で扱う廣杉計器さんで購入しています。50個からの注文となっていますので、身近の仲間と一緒に注文して分け合うとよいでしょう。
加工時の注意点
つや消しのアクリル板を利用する場合、つや消し処理されているのは一面だけなので、その面を上にして加工しないとせっかくのつや消しが何の意味もなくなります。私は一度これを間違えて加工してしまい残念なことになりました。必ずつや消し面を上にして加工しましょう。
また Kubernetes ロゴの彫刻(カービング)処理は、事前にアクリル板の余りそうなところを使って適当な図柄を使いレーザーカッターのスピードと出力を調整しましょう。もし近くにレーザーカッターの講師がいればその人に頼るのが一番です。私が加工した際の設定を公開してもよかったのですが、他のレーザーカッターを利用したことがなく同じ設定でうまくいくかどうか分からなかったのでやめました。ご自身で確認してください。
レーザーカッターさいこうだったから欲しい。 pic.twitter.com/C6cFYcfZEN
— Kazuki Suda / すぱぶら (@superbrothers) October 19, 2018
レーザーカッターは、当たり前ですが人間業じゃない精度でアクリル板を加工していきます。その正確さは眺めているだけで気持ち良いです。
レーザーカッター、前回のアクリル板の裏表を間違えるなどの失敗を乗り越えて完璧に仕上がった😎 pic.twitter.com/UGuHt3CJwY
— Kazuki Suda / すぱぶら (@superbrothers) October 29, 2018
Kubernetes クラスタの構築に必要な機材
ここでは、クラスタケースのみの作成だけを扱っていますので、もちろん Kubernetes クラスタを構築するためにはラズパイや LAN ケーブル、スイッチングハブ、USB 充電器などを購入する必要があります。それらについては他のエントリで十分に紹介されていますので、ここでは省略します。
- 3日間クッキング【Kubernetes のラズペリーパイ包み “サイバーエージェント風”】
- Raspberry PI と kubeadm で自宅 Kubernetes クラスタを構築する - Qiita
おわりに
ここでは、Kubernetes 型のラズパイクラスタケースのつくりかたを紹介しました。ちなみに私が今回加工に利用したレーザーカッターはヤフー株式会社の LODGE に設置してあり、社員は講習を受ければタダで利用できる制度があります。他の社員は、自作キーボードのプレートを加工している人などがいました。残念ながら社外の方は利用できないため、利用されたい方はヤフー株式会社またはゼットラボ株式会社に入社してください (ゼットラボ株式会社はヤフー株式会社の技術子会社です)
かっこういい😎 #kubernetes #k8sjp #yjlodge pic.twitter.com/Ox1hSwUwVe
— Kazuki Suda / すぱぶら (@superbrothers) October 19, 2018
このエントリは、弊社 Z Lab のメンバーによる Z Lab Advent Calendar 2018 の1日目として業務時間中に書きました。2日目は @Ladicle の担当です。