Flutterで作成した　iOS アプリから NFCタグを読み込むのに、 nfc-manager パッケージを利用してみました。

読み込むタグの種類としては両方のOSで読み込むことができる　NDEF(NFC Data Exchange Format)を対象としました。

nfc-manager の説明によると、

Near Field Communication Tag Reader Session Formats Entitlements を追加
NFCReaderUsageDescription を Info.plist　に追加
com.apple.developer.nfc.readersession.felica.systemcodes と com.apple.developer.nfc.readersession.iso7816.select-identifiers を Info.plist に追加（必要なら）

と書いてあります。
今回は NDEF のみが対象なので、３つ目は不要かと思っていましたが、これが無いと　NFCタグ読み込みのポップアップが表示されません。

実装のポイント

Entitlements

com.apple.developer.nfc.readersession.formats を .entitlements ファイルに追加するのですが、xcode UI からは複数の選択肢があります。
今回は　NDEFが対象なので、"NDEF" を値として設定すれば良いかと思ったら、読み込みポップアップが表示せず・・・ "TAG" を値として設定しなければならないようです。
以下の　Apple のサイトを見ると、有効な値は "TAG" しか書かれてません。。。
https://developer.apple.com/documentation/bundleresources/entitlements/com_apple_developer_nfc_readersession_formats

ということで　com.apple.developer.nfc.readersession.formats　には　”TAG” を指定しましょう！

com.apple.developer.nfc.readersession.* の　Info.plist への追加

色々と検索すると、felica.systemcodes　と　iso7816.select-identifiers　を追加しないといけないと書かれています。それぞれのキーには多くの値が書かれていて、意味もよくわからないので、本当に必要か疑問でした。
様々なフォーマット（タグ？カード？）に対応するのであれば、その対応する値を書かないといけないようなのですが、今回対応したいのは　NDEF　のみです。
調べた結果、　felica.systemcodes　キーのみ、かつ値も１つあれば読み取ることができるとわかりました。（対象のNFCタグによっては不足する可能性は高いですが・・・）

Info.plist

    <key>com.apple.developer.nfc.readersession.felica.systemcodes</key>
    <array>
      <string>12fc</string>
    </array>

ちなみに、値の　"12fc" は、ソニーのドキュメントによると
NFC Forum が規定する NFC Data Exchange Format (NDEF)が格納されたシステム
とのこと。ただ、それ以外の値でも問題なさそうでした。
このキーがあることが必要なのかもしれません。

ということで、NDEFを読み込むだけであれば、最低条件として　com.apple.developer.nfc.readersession.felica.systemcodes　キーを追加。値は最低一つ。となりました。

後記

Android では割とすんなりと読み込めましたが、iOS は手こずりました。
対応するNFCの種類によって、色々と対応が異なるようで難しいですね。

追記（2023/1/9）

実装のポイントで書いた２点は、nfc-manager パッケージの中で NFCTagReaderSession を使っているためのようです。

com.apple.developer.nfc.readersession.formats　に "NDEF" を指定した場合は、多分　NFCNDEFReaderSession　を使うのではないかと。