はじめてのカンファレンス参加
なぜ泣いたのか
技術というのは会社における人権保持のための階級闘争手段でしかなく、楽しいものだと思ったことがなかったから。
ブリリアントジャーク問題
私が新卒で入社した会社の文化は「バカは死ね」だった。
誰がバカであるかを認定するのは「技術的に優れているとみなされている個人」だった。
バカ認定されると「死ね」と言われたり下位性を社内に宣伝されたりする。
バカ認定されたくない人たちはバカ認定された人の話を無視するようになる。
これはいわゆるブリリアントジャークにまつわる問題である。
会社は目的を見失う
「技術的に優れているとみなされている個人」は、本当に技術的に優れているだろうか?
疑問に思うことがあったので、別の上長複数人に聞いてみた。
「確かに、これは変だと思う。でも、あの人は怖いし怒らせると面倒だから聞いておくんだよ。僕たちが我慢すればそれで進むんだよ。」
「確かに、なんでなんだろうね?でも、何か僕たちにはわからない考えがあるんじゃないかな。あの人も忙しいし、説明している時間がないんだよ。」
「大人になるってこと、覚えましょうね。」
この出来事を私は以下のように解釈した。
誰も「本当に技術的に優れている」かは審査していない。
ブリリアントジャークは裸の王様だ。
会社組織の行動目的が営利から裸の王様の優先に変わっている。
対策を打つ
「技術的に優れているとみなされている個人」の代替可能性を示す。
そのために技術の学習を熱心に行った。
一つも楽しくない。楽しくないとか、どうでもいい。
技術力は弊社において人権侵害を正当化する暴力だ。
その暴力を私も身につけて「裸の王様」ごっこを破壊したい。
技術が楽しい!と語る謎の集団に遭遇@MSDevDay
「この機能が推し機能!好き!」
「みんなと一緒にやることで前向きに頑張れる」
「人は成長することができるし、それを応援する人が集まっています」
こんなことが語られていた。
何言っているんだろう。そんなの嘘だ。
泣いていた。
自分が固執していた小さな認知世界は一蹴され、再構築された。
思考の自由の復権
技術コミュニティに参加しはじめた。
弊社で裸の王様が「これができないやつはエンジニアじゃないよ。ただのバカだよ。」と言って推奨していた内容は、技術コミュニティの中で笑われて信じられないといわれるようなものだった。
素晴らしく面白くなってきた。
私の認知世界は拡大する。
会社において人権保護と営利の両立ができるエンジニアとして働きたい。
サイコパスも恐怖政治も人殺しも簡単である。
それより難しく価値のあるほう、感受性を伸ばし論理的に秩序を構築し人を生かすことに挑戦したい。
ブリリアント演出に成功している裸の王様に悩む人へ
構造主義
クロードレヴィストロース『野生の思考』
ミシェルフーコー『監獄の誕生』
生物の環境応答
全体主義
ハンナアーレント『全体主義の起源』
依存症治療におけるイネイブラー(Enabler)概念
中井久夫『いじめの政治学』
ギュスターヴ・ル・ボン『群衆心理』
稲垣 佳世子/波多野 誼余夫『人はいかに学ぶか:日常的認知の世界』
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