第1部 リモート組織のメリットを読み解く
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第1章 世界最先端のリモート組織「GitLab」
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第2章 リモート組織によって得られるメリット
仲間意識を醸成するためにインフォーマルコミュニケーション(業務外の日常的な会話、
雑談、何気ないやり取り)が「意図的」に設計されています。
コーヒーチャットと呼ばれる社内メンバーとの雑談を毎週数時間行うことを推奨していたり、(中略)リモートワーク100%の会社に転職して思ったけど、 コーヒーチャットのような意図的な巡り合わせがないと話す機会がない人が多い。 コレは出社100%からコロナでリモートワークを始めたって文化の人たちはピンと来ないかも。
GitLabでは電話や会議など、揮発性の高い情報や複数の場所に類似した情報が混在している状態を良しとしていません。
関係者であれば誰もがアクセスでき、情報同士の関連性が可視化されている一元管理された揮発性の低い情報源に情報を集約するようにしています。
最新の正確な情報が1ヵ所にしか存在しないのはドキュメント文化を発展させる上で非常に重要な概念です。部署ごとにドキュメント管理ツールがバラバラとかはあるある。 出来るだけツールは1つで1箇所に集約させるのが公平で良いらしい。
「対面で直接顔を合わせないと愛社精神が生まれないのではないか」という懸念を持つ経営者や人事担当者がいるかもしれません。
しかし、答えはNOです。GitLabでは半期に一度「匿名」でエンゲージメントサーベイってのをやっていて、 結果が悪くても誰でも見れる場所に公開し、改善に取り組んでいく。 その透明性が従業員の満足度に繋がっていく模様。
採用ターゲットを増やすという意味ではグローバルな人材を採用できるようにすることが理想的ではありますが、日本国内に限定したとしても大きなインパクトを秘めています。
例えば東京におフィルを構える企業の採用を考えてみましょう。
一都三県の労働人口は約2200万人で、国内には約7000万人が存在しています。
単純計算でいくと人材のプールを3倍以上広げられることになります。それはそう!
経営者が組織のリモート化に抵抗を感じる理由のひとつとしてリモート環境ではメンバーがサボってしまうのではないか、という心配があります。
しかし、実態としては逆であり、リモート環境では何の価値も生み出さない仕事に時間が浪費されなくなるため、結果的にパフォーマンスが向上します。
リモート環境ではオフィスにいる必要がないため、必死に働いているふりをしても頑張っているからと評価してくれる人は存在しません。
そのため、周りにいるメンバーから評価されるためには何かしらの成果物を残したり、実際にチームにとって良い影響を与えたりと、目にみえる成果を出さなくてはなりません。従業員がより成果にフォーカスした行動を取るようになるらしいけど 評価への影響度合いによっては慣れが出てきそう。 前職ではコレくらいやれば、評価はコレくらいだろうと予想がついてたから手抜いてた。
リモート環境へと一度切り替えることによって、(中略)
オフィスの賃料が削減できます。(中略)
交通費、通勤時間、従業員数増加によるオフィス移転など、
事業とは直接関係のないコストも抑えられるようになります。それはそう!
実はオフィスワークであっても「非同期で仕事をする」ことは数多く存在してい流のです。
改めて考えてみると、オフィスフロアで隣り合って顔を合わせているメンバーが「同時に」
取り組まなければならない業務はほとんどありません。同期的に仕事をする、非同期で仕事をするというのは聞き慣れない人もいるかも。 同期的にとは、リアルタイムで仕事をすること。(ビデオ会議で話しながらとか) 非同期にとは、情報を伝えて返答までに時間がかかるもの。 (管理ツールに書き込むとか、メール等) オフィスで同期的に仕事をしているんだ!としても リモート環境で通話できたら解決な気もする。
第2部 世界最先端のリモート組織へ移行するためのプロセス
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第3章 リモート組織を構築するためのプロセス
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第4章 リモートワークで発生する問題と対策
オフィスワークの補完的要素としてリモートワークを捉えることをやめ、
「リモートワークに適した非同期業務のパフォーマンスを最大化させる」
という前提に立った上で組織を再構築すれば、リモートワークのメリットを
十分に享受できるようになります。オフィス前提でリモートワークをやるとパフォーマンスが落ちたように感じる。 当たり前だけど、オフィス前提の仕事のやり方はリモートワークに適してない。 仕事のやり方をかなり変えないといけない。 リモートワーク前提にしたらどう変わるんだろうか?を議論して自分たちにあった やり方を見つけていかないといけない。
リモート組織を効果的に機能させ、より良いリモート組織を実現するために
必ず実施して欲しいことがあります。
それは、経営者や上級管理職をまず強制的にリモート化することです。前職のコロナ期は、偉い人ほど会社に行ってた記憶が・・・・ 経営陣がリモート化において、必要な情報を収集する過程でツールやプロセスの問題に 気づいて見直しされていくことが大事っぽい。 また、オフィスに出社したがる上位層と、リモートワークメンバーがいる場合は 意思決定に関する透明性が下がる傾向が強いらしい。 タバコ部屋あるあるみたいな感じかな。
インフォーマルコミュニケーションが従業員のパフォーマンスを上げる
チームメイト間に共感や愛情、楽しい感情、尊重されている感情を交換させることで 高いパフォーマンスに繋がる模様。 「社会的受容」がパフォーマンス、職務への満足、組織コミットメント、 在籍意欲を向上させ退職のリスクを減らす効果があるとの記載あり。 ここが自分の居場所なんだと思ってもらうことが大事そう。
@リモートワークに共通して発生する問題
・働きすぎる
・テキストベースコミュニケーションに対応できない
・孤独感を覚える
・仕事と生活の境目が曖昧になり疲弊する
・新入社員や部署異動したメンバーがチームに馴染めない
・バーンアウト
@対策
・丁寧なオンボーディング
・関係構築のプロセスを整備
・効果的に働けるノウハウを全従業員に対して提供する
・オンオフの切り替え方ガイド、運動ガイドの提供
・コミュニケーションルールを整備するこれらの対策は事前に用意できるものが多いようなので 設計して取り組んでいく形で準備できる。
@ハイブリッドリモートワークで発生する問題
・情報へのアクセス格差が生じる
・キャリアと能力開発の機会に差ができる
・劣等感を与えてしまう
・罪悪感を与えてしまう
・見せしめになるリスク
・パフォーマンスのプレッシャーが高くなる
・オフィスを中心としたカルチャーが形成されやすい
・オフィスの特典を活用できない
@対策
・意思決定の場をオフィスではなく、リモートの場にする
・打ち合わせは必ず議事録に残し、打ち合わせ外で物事が決まらないようにするコツとしては責任を持つ人、判断をする人を強制的にリモートの環境にしたら リモートで仕事をするルールが作りやすい印象を持った。 逆に責任を持つ、判断をする人がオフィスにいる限りこのリモートの文化は一生育たないと思った。 仮にリモートのルールを頑張って整備しても、守らない上司がいるとなぁなぁになっていきそう。
オフィス回帰への欲求に対処する
オフィスに戻りたいという要望が発生する原因は大きく2つあります。
1つ目は孤独感の問題です。
リモート環境で他人の姿を見る機会がなくなることで断絶を感じ、人とのつながりを求めてオフィスに戻りたいという欲求が生まれます。
もうひとつはパフォーマンスの問題です。
リモート組織に移行した直後は、オフィスにいた時よりもパフォーマンスが低下することがあります。
今までは隣にいた同僚に質問すれば良かったことをドキュメントにしなければならず、作業時間がかかってしまうといったようなことです。
リモート組織への移行を担当する責任者は、こうした問題はリモート組織が悪いのではなく、リモート組織を効率的に運用するためのしくみが整っていなかったり、メンバーがまだ習熟してないことが原因であるという認識を強く持たなければなりません。
組織のキーマンやメンバーに対してリモート組織に移行してしばらくの間は違和感や非効率が発生することをあらかじめ説明し、1年程度は違和感があっても意思決定を覆さないコミットメントを求めておくことが重要です。当たり前の事かもしれないけど、リモートへ移行するためのルールが 事前に準備できていてもルールが変わっていくことによりメンバーの負担は上がっていく。 パフォーマンスは落ちる状況になる。 それが嫌でルールで縛るのをやめると不透明さがより増していく。 その構図がオフィス勤務よりもリモートの方が大変だよ?って操作にも繋がってる気がする。 ただし、透明性がある状況だと中途などの方は調べたら分かることが 多く立ち上げが早くなる気もするが、有識者が隣に座ってる方が早いと言われたら 否定できない気もするな。
第3部 GitLabが実践するリモート組織を活性化させるカルチャー醸成法
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第5章 カルチャーはバリューによって醸成される
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第6章 コミュニケーションのルール
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第7章 リモート組織におけるオンボーディングの重要性
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第8章 心理的安全性の醸成
カルチャーマッチではなく、バリューマッチが重要
皆さんご存知の通り、従来の採用では社風に合っているかどうかというカルチャーマッチを重視する企業が大半でした。
しかし、GitLabに限らずグローバル企業の採用トレンドとしては、カルチャーマッチではなくカルチャーアドという観点を重視するようになっています。
カルチャーアドとは、カルチャーが流動的なものであると捉えて、カルチャーをより良く成長させられる人材かどうかという観点で採用や評価を行うことです。カルチャーって絶対なものであり、不変で遵守なものだと思っていたけど、 確かに人間って変化していかないと成長しないんだから、 会社も変化を許容しなきゃいけないのは当然か。
確かに強固なカルチャーはその会社がビジネスで歴史的に経験してきた「勝利の方程式」によって培われています。
しかし、固定化されてしまったカルチャーは変化やチャンスに対応できず、サクセストラップを生み、経営にとって足かせになってしまうリスクが指摘されています。
カルチャーを「バリューを体現した結果として歴史的に構成されていく暗黙のパターン」であると考えると、「市場環境に適応した明示的なパターン」がバリューです。
つまり、勝負している市場において勝てる可能性を高くするためのアクション、優先順位、禁止事項などを具体的に示したものがバリューであるといえます。
このバリューを市場に合わせてブラッシュアップさせていくことで、より良いカルチャーに改善していくのです。日本ではあまり聞かない価値観だと思う。 言ってる事は正しい気もするが、カルチャーというものがレベル感があり 適度に言語化されていないと効果は感じづらい気がする。 とことん言語化、透明化されているGitLabとかだから適応できる採用基準という印象を持った。
GitLab Valueは、
・コラボレーション
・成果(Results)
・効率性(Efficiency)
・ダイバーシティ&インクルージョン、ビロンギング(Diversity,Inclusion &Belonging)
・イテレーション(Iteration)
・透明性(Transparency)
の6つで構成されています。
それぞれに対応したSlackの絵文字も用意され、日常的に使われています。絵文字だとハードルも低く簡単であり、コストもかからないので、賞賛が生まれやすくて良いと思った。 各Valueの詳細は思ったよりも当たり前のことが記載されていたので割愛。
コミニュケーションにおいて透明性を保つためには、逆説的に何を公開してはいけないのか定義することが重要です。
GitLabでは非公開情報を簡単に判断するために「SAFEフレームワーク」というガイドを作成しています。
・Sensitive(センシティブ)
・Accurate(正確な情報)
・Fi-nancial(財務情報)
・Effect(影響)
の頭文字を取ったもの。
該当する場合、適切な承認を得ずに共有してはいけません承認をもらったとしても全社公開とはせずに一部に公開しそうな気もするけどな・・・ そうなると一部の人からは一生非公開という状態なような。
リモート環境で効率良く非同期業務を進めたり、多様な価値観が存在したりする中で円滑なコミュニケーションを取るために重要なポイントが「ローコンテクストコミュニケーション」です。
「コンテクスト」とは、和訳すると文脈という意味を持ちます。
日本語は文脈を察することによって意味を補うハイコンテクストな言語であるといわれており、空気を読むことが求められやすい言語です。
それに対して、ローコンテクストコミュニケーションとは、相手に対して文脈や考え方を求めずに、言葉通りに解釈させるコミュニケーションであり、英語やドイツ語が代表されます。日本語がハイコンテクストな言語であり、 英語がローコンテクストな言語というのは知らなかった・・・
GitLabが実際にテキストコミュニケーションをうまく活用するためのヒントとして説明している内容を紹介していきます。
・短い文章を用いる。
・意味の薄いフレーズを削る
・形容詞をデータに置き換える
「ほとんど」、「大多数」といった表現を「全体の95%」など具体的な数字に変更します。
・曖昧な言葉を削除する
「ほぼ」、「おおむね」といった曖昧な言葉は論点がブレるため用いません。
・「So What?」を確認する
・副詞を避ける
たとえば「大量に増やす」を「サブスク会員を300人追加する」に変えます。
・客観性をもつ
・略語と専門用語
はじめて見た人が理解できない略語や専門用語は避けます。
たとえば「MR」ではなく「マージリクエスト」を用います。
・主語・動詞・目的語を明確にする。
特に日本語では主語が曖昧になることが多いため、主語・動詞・目的語を明確にします。
「誰」が「何のため」に、「何をする」のかを省略せずに書くようにします。
・能動態を用いる
・大文字強調を用いない
大文字だけでのテキストコミュニケーションは、大声で叫んでいるような印象を与え、
他人にプレッシャーを与えてしまいます。資料作成とかで意識している内容が多い印象。
Googleの元人事トップであるラズロ・ボックは「ワーク・ルールズ」(東洋経済新報社)の中で、
Googleの新入社員が一般的な社員と同じパフォーマンスを発揮できるようになるまで、
約9ヶ月の期間がかかると説明しています。
ハイパフォーマンスが求められたり、多くの関係者を巻き込んだりするような影響の高い役割ほど
周囲のサポートなしにパフォーマンスを発揮するのは困難です。
即戦力採用を行なっている企業では、採用した中途社員を重要なポジションにアサインすることがあります。
そうした企業では、お手並み拝見とバカリに独力で活動することを期待する様子が見られることがありますが、
重要なポジションであるからこそパフォーマンスを発揮させるためには周囲の支援が必要なのです。この事はもっと周知されるべき内容だと思う。。
第4部 GitLabが成果を出すために実践している人事制度や業務ルール
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第9章 個人のパフォーマンスを引き出す
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第10章 GitLab Valueに基づいた人事制度
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第11章 マネージャーの役割とマネジメントを支援するためのしくみ
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第12章 コンディショニングを実現する
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第13章 L&Dを活用してパフォーマンスとエンゲージメントを向上させる
GitLabでは、「9-BOX」(9ブロックとも呼ばれています)を用いて評価を行なっています。
縦軸に「パフォーマンス」、横軸に「成長力」をそれぞれ3段階ずつ分割し、9つのボックスに分けたものです。
「成長力」とは、特定の期間で生産性を高めたり、より大きな価値を発揮できるようになるための「行動を取っているか」を意味しています。
これは、成長とは才能といった曖昧なものではなく、成長を求める行動の結果でしか効果的な学習と能力開発にはつながらないためです。パフォーマンスは理解できるが、成長力についてはあまり考えてこなかった。 入社して10年も経つと大体の社員がフォローなく、部署の業務を回せるベテランになると思う。 そのフェーズになるとパフォーマンスはピークを迎え、成長力などなく、成長実感を感じない状態になると思う。 今思うと個人の意思で打開できるのが理想なのか。 常に成長するために行動を取らないといけない。 成長できる仕事を選ぶとは別の視点を持っていないと難しそう。
成長力の柱
・適応性
1.状況の変化に適応できていますか?
2.自分の役割でさらに成功するために新しいスキルを習得しようとしていますか?
3.プレッシャーの下であっても効果的に新しいことを学ぶ有能さを示していますか?
・拡張性
1.自分の役割の範囲外の領域にも関心を示していますか?
2.昇格や違う役割を担うために役立つ新しいスキルの習得に取り組んでいますか?
3.「ストレッチ」なプロジェクトや計画に自発的に参加していますか?
4.他のメンバーをコーチング、メンタリング、リードしていますか?
・一貫性
1.一貫して成果を出し続けていますか?
2.コミットメントを最後までやり遂げていますか?
3.頼りになりますか?
・セルフ・アウェアネス
1.フィードバックをルール通りに効果的に受け取っていますか?
2.自分の強みと改善点を認識していますか?
3.改善すべき領域のギャップを埋めるために取り組んでいますか?
4.意思決定において、健全な判断を示していますか?転職前の会社では、プライム企業の大きな会社だったのもあり 部や課が大量にある縦割りの文化で、技術職を極めるというより、業務ルールを覚える、 業務ルールを教えてもらって適応していくというスタイルだったような気がする。 業務範囲外の部分を拡張していっても評価されなかったというのが大きいのかな。 会社としては、課の業務を100%回してくれてイレギュラー対応できるのであれば それが出来るだけで年次で昇格していく感じだった。 そして上のポストが空いたら昇進していく流れ。 業務をやりつつ、業務外のAWS資格を全部取得しても 「なんか頑張ってるぽいね」という評価で、昇進にもボーナスにも影響がなく 部署異動を希望しても叶わなかった。