はじめに
この記事では Kubernetes 1.14 における SIG Network の活動に基づく変更点を紹介します。変更点は以下のドキュメントから収集しています。
主要な変更点
- Windows ノード対応が Stable になったことに伴い、Azure-CNI や OVN-Kubernetes、Flannel によるネットワークに対応しました
- k8s 1.14 では Windows ノード対応が Stable に昇格したため、それに伴う対応になります
既知の問題
- クラスター DNS である CoreDNS が kube-apiserver に接続中に、kube-apiserver がシャットダウンすると CoreDNS がクラッシュする問題があります。これは CoreDNS 1.3.1 で発生し CoreDNS 1.4.0 で修正されています
- CoreDNS 1.4.0 は3月3日にリリースされました
廃止予定
- Ingress リソースは API
networking.k8s.io/v1beta1
で提供されるようになりました。従来の APIextensions/v1beta1
における Ingress リソースは廃止予定となり、v1.18 で削除されます。既存の保存済みデータは新しい API で提供されます (#74057) - API
extensions/v1beta1
における NetworkPolicy リソースの提供は v1.16 で廃止されます。APInetworking.k8s.io/v1
での利用に移行してください。既存の保存済みデータは新しい API で提供されます
機能変更
- ネットワーク関連のメトリクス名に含まれる
latency/latencies
はduration
に置き換えられました (#74418)- 名前が変更されたメトリクスに対して Prometheus のルールなどを設定している場合は設定の変更が必要です
- 新しいテスト
[sig-network] DNS should provide /etc/hosts entries for the cluster [LinuxOnly] [Conformance]
で/etc/hosts
に設定されたエントリー (Pod の FQDN とホスト名) を検証するようにしました (#72729) - Feature gate の1つである CustomPodDNS が GA に昇格し、有効化されました。この Feature gate は v1.16 で削除されます (#72832)
- CustomPodDNS の有効化により Pod 単位での DNS の設定が可能になりました
- メトリクスガイドラインを満たすために Proxy メトリクスの名前を変更しました (#72334)
- kube-proxy のメトリクスの一部の名前が変更されたため、Prometheus のルールなどを設定している場合は設定の変更が必要です
API の変更
- dockershim ランタイムを使用している時に Node で大量の I/O が発生していると、予期せず NotReady 状態になってしまう問題を修正しました (#74389)
- vSphere Volume に zone ラベルが自動で付与されるようになりました。この zone ラベルは PV で確認できます (#72687)
- kube-proxy が Windows でのオーバーレイネットワークと DSR に対応し、
network-name
、source-vip
、enable-dsr
フラグが追加されました (#70896) - Nodelocal DNS Cache において、否認したレスポンスの cache TTL 最小値を5秒に変更しました (#74093)
SIG からのメモ
- kubeadm: RequiredIPVSKernelModulesAvailable の警告メッセージを改善しました (#74033)