Smalltalk Zoo は CHM (コンピュータ歴史博物館)にホスティングされた、歴代の特に1970年代のSmalltalk環境をWebブラウザ内で動かすことで体験することができるWebアプリケーション&関連資料集です。
2020年12月17日付けの同館ブログで紹介されました。
目玉は Simulations 欄にリンクがある Smalltalk-72、Smalltalk-78、Smalltalk-80 という三世代の処理系およびその環境ですが(Smalltalk-80 は残念ながら本稿執筆時点では動かせないようです…→ちょっと無理矢理ですが、なんとか動かす方法を書きました)、Papers 欄の論文や、Bootstrap Files 欄にある処理系起動時に読み込まれるそのバージョンの Smalltalk 自身で記述された基本的な定義が収められたファイル群なども是非参照してください。
このサイトからたどれる情報は、今年9月に開催されるはずだったACM(Association for Computing Machinery, 米計算機協会)のHistory of Programming Languages カンファレンス(通称HOPL IV)のためにダン・インガルス氏が書いた論文(Papers 欄にもリンクがある「The Evolution of Smalltalk from Smalltalk-72 through Squeak」)の背景資料を集めたものでもあるので、発案者であるアラン・ケイ氏から見た「The Early History of Smalltalk」とはまたひと味違った実装者視点からの Smalltalk の変遷を記した同論文をよりよく理解するのにも大いに役立つことでしょう。
現在の Smalltalk(Smalltalk-80 の子孫)とはずいぶん違った仕組みで動く Smalltalk-72 については昨年いろいろ書きましたのでこちらもよろしかったら読んで遊んでみてください!