2
4

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 5 years have passed since last update.

前回 に引き続きひな形について、今回は構造を見ていきましょう。

何を書けばどう動くのか

まずソースコードの全体的な構造です。
実際にソースコードをのぞきながら読み進めてみてください。

aurelia-hack02-001.png

index.html -> main.js

index.html がブラウザに読み込まれると aurelia-bootstrapper によって aurelia-app 属性に従ってエントリポイントが呼び出されます。今回は aurelia-app="main" の記述に従って main.js が読み込まれます。

main.js -> app

続いて画面の外枠と、内側に表示する画面のルーティングを行う app モジュールが読み込まれます。

src/main.js
import 'bootstrap';

export function configure(aurelia) {
  aurelia.use
    .standardConfiguration()
    .developmentLogging();

  //Uncomment the line below to enable animation.
  //aurelia.use.plugin('aurelia-animator-css');

  //Anyone wanting to use HTMLImports to load views, will need to install the following plugin.
  //aurelia.use.plugin('aurelia-html-import-template-loader')

  aurelia.start().then(a => a.setRoot());
}

この a.setRoot() が最初の画面を決定しますが、引数がなければ自動的に app が選択されるようになっています。
例えば welcome から起動したい場合は a => a.setRoot('welcome') と書きます。

各モジュールの記述はコンパイル済みファイルが展開される dist ディレクトリからの相対パスになっています。
例えば src/routes/sample.js (&.html) を指定する場合は routes/sample と書いてください。

app -> welcome

ルーティング

app.js を見てみると、App クラスに configureRouter() というメソッドが定義されています。
ViewModel に configureRouter() が定義されていると、Aurelia は「この画面ではルーティングをやりたいんだな?」と判断してくれます。

ひな形では最初のルートに対して welcome を設定していますので、app.html の <router-view></router-view> の部分に welcome が表示されるという流れになります。

View と ViewModel

Aurelia は MVVM (Model View ViewModel) という発想に基づいています。

app や welcome はそれぞれ View (.htmlファイル) と ViewModel (.js) ファイルに分かれています。

  • View welcome.html (表示内容のテンプレート)
src/welcome.html
<template>
  <section class="au-animate">
    <h2>${heading}</h2>
    ~省略~
  </section>
</template>
  • ViewModel welcome.js (表示するデータやユーザの操作に対応するアクション)
src/welcome.js
export class Welcome {
  heading = 'Welcome to the Aurelia Navigation App!';
  firstName = 'John';
  lastName = 'Doe';
  previousValue = this.fullName;
  // ~省略~
}

これらは基本的に同じ名前を付けることでペアとなります。ファイル名はそれぞれハイフン区切りのスネークケース snake-case.js, snake-case.html で、ViewModel のクラス名はパスカルケース export class PascalCase にします。
もちろん、別の名前を付けたり別の場所にある View を設定したりすることも可能です。

Aurelia は Angular2 によく似ていますが、この「特に注文がなければ名前だけで役割を決定する」という規約志向なところが Aurelia の特徴となっています。

これは各画面だけでなく、その中で使う部品についても同様です。

画面に表示する部品を作ってみよう

ひな形ではCSSフレームワークとして Twitter Bootstrap が使われています。Twitter Bootstrap は CMS なんかを作るときにとくに助かるのですが、構造的な意味の薄い(見た目のためだけの)コードによって HTML が冗長になりがちです。

dropdown custom element を作る

こちら の例を引用します。そのまま記述するとしたら以下のようになります。

dropdownメニュー部品だけでこのボリューム
<div class="dropdown">
  <button class="btn btn-default dropdown-toggle" type="button"
    data-toggle="dropdown" aria-haspopup="true" aria-expanded="true">
    サンプル
    <span class="caret"></span>
  </button>
  <ul class="dropdown-menu">
      <li><a href="#">Welcome</a></li>
      <li><a href="#users">Github Users</a></li>
      <li><a href="#child-router">Child Router</a></li>
  </ul>
</div>

これを部品 (custom element) として定義することで、以下のように使うことができます。

src/welcome.html
<template>
  <!--作った部品を読み込む-->
  <require from="dropdown"></require>
  <section class="au-animate">
    <h2>${heading}</h2>

    <!--作った部品を使う-->
    <dropdown label="サンプル">
      <li><a href="#">Welcome</a></li>
      <li><a href="#users">Github Users</a></li>
      <li><a href="#child-router">Child Router</a></li>
    </dropdown>
  </section>
</template>

aurelia-hack02-002.png

ボタン部分を表現するためのコードがごそっとなくなって、ドロップダウンメニューの内容に集中できるようになります。

  • View 新規作成: src/dropdown.html
src/dropdown.html
<template>
	<div class="dropdown">
		<button class="btn btn-default dropdown-toggle" type="button"
		        data-toggle="dropdown" aria-haspopup="true" aria-expanded="true">
			${label}
			<span class="caret"></span>
		</button>
		<ul class="dropdown-menu">
			<content></content>
		</ul>
	</div>
</template>
  • ViewModel 新規作成: src/dropdown.js
src/dropdown.js
import {bindable} from 'aurelia-framework'

export class Dropdown {

	@bindable label;

}

ドロップダウンボタンのタイトル部分に表示するラベルと、それからドロップダウンメニューの内容を外部から設定できるようになっています。
knockout.js Components などでは作った custom-element はフレームワークに登録する処理を書く必要がありますが、それらは Aurelia では必要ありません。

@bindable

ViewModel のプロパティに @bindable を付けることで、プロパティを外部から設定・バインドすることができるようになります。
つまり、<dropdown label="サンプル"> のように書けばOKです。
動的に変更するなら <dropdown label="${sampleLabel}"> でもいいですし、<dropdown label.bind="sampleLabel"> でもOKです。

<content></content>

custom element の中身を使うには、中身を配置したい場所に <content></content> を記述します。下記の「ここから~ここまで」の部分が上記 dropdown.html の <content></content> の部分に配置されます。

<dropdown label="サンプル">
  <!--ここから-->
  <li><a href="#">Welcome</a></li>
  <li><a href="#users">Github Users</a></li>
  <li><a href="#child-router">Child Router</a></li>
  <!--ここまで-->
</dropdown>

ViewModel を省略することもできるよ

今回の ViewModel は bindable なプロパティが一つあるだけです。ロジックがまったくいらないので、ViewModel を省略することもできます。

まずは dropdown.html の template エレメントに bindable="label" を追加します。ViewModel の @bindable label と同義です。

src/dropdown.html
<template bindable="label">
複数ある場合は bindable="label,foo,bar" のようにカンマ区切りで記述します。
~省略~
</template>

src/dropdown.js は消してしまって大丈夫です。その代わり custom element としてちゃんと見つけられるように、読み込み部分を from="dropdown" から from="dropdown.html" に変更します。

src/welcome.html
<template>
  <!--作った部品を読み込む-->
  <require from="dropdown.html"></require>
  ~省略~
</template>

部品をどこでも使えるようにするには

追加した部品を使うためには <require from="dropdown"></require> のようにモジュール参照を書く必要がありますが、以下の方法で <require> を書かなくても、いつでもどこでも custom element を使えるようにすることができます。

まず、いろんな場所で使いたい部品は1か所にまとめましょう。さらにまとめたフォルダに index.js を新規作成します。

src/
 └─ resources/   ...共通部品置き場
     ├─ dropdown.html
     ├─ ...
     └─ index.js

新規作成した index.js は以下のように記述します。

src/resources/index.js
export function configure(aurelia) {
	aurelia.globalResources('dropdown.html');    // ViewModel 省略したなら .html をつけよう
    // 部品が増えたら同じようにここに追加していく
}

最後に main.js に1行追加します。

src/main.js
import 'bootstrap';

export function configure(aurelia) {
  aurelia.use
    .standardConfiguration()
    .developmentLogging()
    .feature('resources');    // feature として resources/index.js を登録する

  aurelia.start().then(a => a.setRoot());
}

これで <require from="dropdown.html"></require> は不要になり、管理が楽になりました。
今後のサンプルも resources ディレクトリを使っていきます。

2
4
4

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
2
4

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?