はじめに
プリント基板エディタのpcbeは複数の線の太さを一括で変更することができない。
これでは使いにくいため、保存されたファイルを編集することで一括で変更する方法を述べる。
ただし、一括編集を目的としたため、柔軟に処理できるわけではないので注意。
複数の線(ライン)の太さ(アパーチャ)を変更する
データ形式
線や穴は [DrawItems] 区分に記録されている。
線はLINEで始まる行である。LINEの形式は、
1 | 2 |
---|---|
XS | 開始X座標 |
YS | 開始Y座標 |
XE | 終了X座標 |
YE | 終了Y座標 |
LE | レイヤー番号 |
AP | アパーチャ(太さ) |
となっている。
アパーチャ(太さ)の数値
APの数値がアパーチャの数値であるが、そのまま太さ情報が記入されているわけではない。
以下のような形式になっている。
1 | 2 |
---|---|
0~18 | 0を0.1として、1増えるごとに0.05増える。 18でちょうど1.000になる。 |
19~242 | 19を1.100として、1増えるごとに0.1増える。 242で23.400になる。 |
243~255 | [LineDef] 区分で指定された特別な値。 |
変更手順
特定のレイヤーの特定の太さの線を一括で変更したい場合は、
LINEで始まる行の、LEが指定のレイヤー番号の、APが指定の値の行を見つけ、APを書き換える。
という操作を行えばよい。
操作例
レイヤー1の太さ0.7(AP=12)を0.8(AP=14)にする。
sedコマンドを用いる。CygwinやBash on Windowsを使う。
sed -e 's/\(LINE:.*LE=1.*AP=\)12\(.*\)/\114\2'g
置換後の文字列は後方参照を利用しているためわかりにくいが、
\1 14 \2
のように別れている。
終わりに
一括変更できると言っているが、グラフィカルに複数選択するというのではなく、数値をもとに変更しているため、「これは変更しなくてもいいのにな」などに対応することができない。
他の情報を書き換える場合も、どの項目の値がどのような意味を持っているのかを調べれば、同様に処理することができると思う。