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StorybookとLost Pixel を用いたビジュアルリグレッションテスト

Last updated at Posted at 2024-10-31

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ともに働く仲間を募集していますので、興味のある方はこちらまで。

はじめに

Storybookを用いたビジュアルリグレッションテスト(VRT)はChromaticやStorycap + reg-suitなどを用いることが多いかと思います。
しかし、ChromaticはGitHub Enterprise Serverを利用している場合は、Enterpriseプランの契約が必要となり、reg-suitは外部のクラウドストレージが必要です。

上記の制約がある中、ゆるくVRTを検証してみたかったので、リポジトリにベースイメージを保存してVRTを実行できるLost Pixelを使用してみました。

Lost Pixelとは

Lost PixelはOSSのビジュアルリグレッションテストツールで、Storybook、Ladle、Historie、ページスクリーンショット、Playwrightなどを用いたカスタムスクリーンショットをサポートしています。

OSS版の他に有料版のLost Pixel Platformというマネージドサービスも提供されています。
他のビジュアルリグレッションテストツールとは違い、リポジトリにベースイメージのスクリーンショットを保存して比較するのが特徴です。

使用環境

下記ライブラリのバージョンを使用します。

  • typescript: 5.6.3
  • storybook: 8.3.6
  • lost-pixel: 3.21.0

導入

次のコマンドを実行します。

npx lost-pixel init-ts
npm i -D lost-pixel

プロジェクトルートにlostpixel.config.tsが作成されます。

import type { CustomProjectConfig } from "lost-pixel";

export const config: CustomProjectConfig = {
  storybookShots: {
    storybookUrl: "examples/storybook-build/storybook-static",
  },
  generateOnly: true,
};

これだけでLostPixelの導入は完了です。
プロジェクトの要件に応じて設定を変更してください。

ベースラインイメージの作成とリグレッションテスト

事前にStorybookをビルドします。

npx storybook build

現在のストーリを正としたいため、まずは次のコマンドでベースラインイメージを作成します。

npx lost-pixel update

コマンドを実行すると.lostpixel/baselineにベースラインイメージが作成されます。
例えば次の画像をベースラインイメージとします。
components-button--vrt.png

ボタンのテキストをButtonからボタン変更してみます。

次のコマンドを実行すると、現在のスクリーンショットを .lostpixel/currentに出力し、差分が発生した場合は .lostpixel/differenceに差分を出力します。

npx lost-pixel

components-button--vrt.png

差分の画像はこちらです。
components-button--vrt.png

差分が意図したものである場合は、npx lost-pixel updateを実行してベースラインイメージを更新します。

FlakyなUIをマスクする

FlakyなUIでVRTの実行毎に差分が発生する場合は、特定のUIをマスクすることが可能です。
https://docs.lost-pixel.com/user-docs/recipes/general-recipes/masking-page-elements

export const config: CustomProjectConfig = {
  storybookShots: {
    mask: [
      {
        selector: '[data-mask]'
      }
    ]
  }
};

例えばボタンのテキストをマスクした場合は、このような感じになります。

components-button--vrt.png

マスクを使用するほどでもない場合は、thresholdsで調整することも可能です。
https://docs.lost-pixel.com/user-docs/recipes/general-recipes/thresholds

特定のStoryのみを対象にする

全てのStoryではなく、VRT用のStoryのみをテストの対象にしたいことがあります。
LostPixelではfilterShotというオプションを使用します。

export const config: CustomProjectConfig = {
  filterShot: ({ id, story, kind }) => {
    return true;
  },
};

filterShotの引数に渡されるStorybookのid、story、kindを使用してVRTの対象にするか判定できます。
以下がStoryとfilterShotに渡される引数のサンプルです。

import type { Meta, StoryObj } from "@storybook/react";
import { Button } from "./Button";

const meta = {
  title: "Components/Button",
  component: Button,
} satisfies Meta<typeof Button>;

export default meta;
type Story = StoryObj<typeof meta>;

export const Primary: Story = {};
export const VRT: Story = {};

// Primary
{
 id: "components-button--primary",
 story: "Primary",
 kind: "Components/Button"
}

// VRT
{
 id: "components-button--vrt",
 story: "VRT",
 kind: "Components/Button"
}

例えばサフィックスがVRTのStoryのみ対象にしたい場合は、次のような実装になります。

export const config: CustomProjectConfig = {
  filterShot: ({ id, story, kind }) => {
    // S名がVRTで終わる
    return story.endWith("VRT");
  },
};

画像比較のエンジンを切り替える

Lost Pixelの画像の比較にはodiffpixelmatchが使用されており、オプションで切り替えることができます。デフォルト値はpixelmatchです。

ベンチマークではpixelmatchよりodiffの方が高速なため、比較画像が多く、パフォーマンスの問題が発生する際にはodiffの使用を検討してください。

export const config: CustomProjectConfig = {
  compareEngine: "odiff", // 'pixelmatch' or 'odiff'
};

まとめ

今回はベースラインイメージをリポジトリ管理して、VRTを実行できるLost Pixelを紹介しました。
画像をリポジトリ管理することの是非はあるかと思いますが、依存が少なく検証も簡単なため、ゆるくVRTを運用していきたい場合は導入してみるのもありかと思います。

参考

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