いささか、旧聞に属しますが、今年の初めに出た Go1.22 で HTTP サーバーのルーティングに使われる net/http.ServeMux の機能が強化されて、HTTPメソッドの指定ができるようになり、かつ URL パターン文字列にワイルドカードが使えるようになりました。例として、次のような書き方ができるようになりました。

mux := http.NewServeMux()
mux.HandleFunc("GET /test/{id}", Test)
...

このように書くと、handler 側で Request.PathValue メソッドを使うことにより {id} の値を取得できるようになりました。

func Test(w http.ResponseWriter, r *http.Request) {

	id := r.PathValue("id")
	fmt.Printf("id = %s\n", id) // {id} の値が表示される
...

使えそうな機能強化ですが、ふと、疑問が頭に浮かびまして、

mux.HandleFunc("GET /test/{id}.dat", Test)

と、ワイルドカードの後に拡張子を付けて書いてみたらどうなるのだろう、と。
で、実際に書いてテストしてみました。Go のバージョンは 1.22.0 です。
結果は panic でした。

panic: parsing "GET /test/{id}.dat": at offset 10: bad wildcard segment (must end with '}')

「最後が } で終わらないとダメだ」と言ってます。
じゃあ、拡張子の部分もワイルドカードにして

mux.HandleFunc("GET /test/{id}{suffix}", Test)

としてみたらどうか？
これもパニック。

panic: parsing "GET /test/{id}{suffix}": at offset 10: bad wildcard name "id}{suffix"

「ワイルドカードの名前として id}{suffix はダメだ」と言ってます。
よくわからないので、おとなしく Go 1.22 のリリースノートの該当部分を読んでみました。

Wildcards in patterns, like /items/{id}, match segments of the URL path.

訳すと「/items/{id} などのパターン内のワイルドカードは、URL パスのセグメントと一致します」だそう。一つのセグメント全体を一つのワイルドカードにしなければいけない、ということのようです。
じゃあ、２つのセグメントにそれぞれワイルドカードを割り当てたら？

mux.HandleFunc("GET /test/{group}/{id}", Test)

これはいけました。
group も id も Request.PathValue で値を取得できました。
ふ〜む・・・、これでいいのかな？