Bunでのビルド時に、突然現れる「error: Failed to generate bytecode for」というエラーに悩まされた経験はありませんか？今回は、僕自身が直面したこのエラーの原因究明と解決までの試行錯誤の過程をまとめました。結果、原因はコード内のimport.meta、特にimport.meta.envの参照であることが判明しました。

はじめに

Bunは高速なJavaScriptランタイムとして注目されていますが、ビルドプロセスにおいて独自の制約や問題もあります。特に、--bytecodeオプションを使用した場合、一部のコードパターンが原因でバイトコードの生成に失敗することが報告されています。私のプロジェクトでも、bun buildを実行すると以下のようなエラーが発生しました。

[20ms]  minify  -32.0 KB (estimate)
[28ms]  bundle  9 modules
 [5ms] compile  dist/cli-linux bun-linux-x64-v1.2.2
error: Failed to generate bytecode for ./index.js

試行錯誤の過程

1. オプション設定の見直し

まず、Bunのビルドオプションとして、--format cjsや--target bunを試してみましたが、今回のケースでは問題の解決には繋がりませんでした。公式ドキュメントやGitHubのIssueを参考にする中で、これらの設定は今回のエラーとは直接関係がないと判断しました。

2. import.meta.envの調査

次に、エラーメッセージとソースコードを詳しく確認すると、依存しているライブラリ（例: consola）が内部でimport.meta.envを参照していることに気づきました。Bunのバイトコード生成は、環境変数の動的な参照（特にimport.meta.env）に弱いという特性があり、この点がエラーの原因となっていました。

3. --defineオプションでの置換試行

そこで、bun build実行時に--defineオプションを用いてimport.meta.envをundefinedに置換する方法を試みました。以下のコマンドを実行：

bun build index.js --outdir ./dist --bytecode --define:import.meta.env=undefined

しかし、この方法では意図したとおりに置換が行われず、エラーが解消されませんでした。依存関係内のコードが複雑なため、静的な置換だけでは対応が難しいという問題があったようです。

解決策: sedコマンドによる置換

最終的な解決策として、ビルド前にsedコマンドを使用して、問題となっているライブラリのファイル内でimport.meta.envの参照を削除する方法を採用しました。具体的には、以下のコマンドを実行することで、node_modules/consola/dist/index.mjs内のimport.meta.envが削除され、ビルドが正常に進むようになりました。

sed -i 's/import.meta.env||/                /g' node_modules/consola/dist/index.mjs

この方法により、直接ファイルを書き換えることで、Bunのバイトコード生成時のエラーを回避することができました。ただし、node_modules内のファイルを直接変更するため、再インストール時に変更が上書きされる可能性がある点には注意が必要です。そのため、自動化スクリプトやpostinstallスクリプトに組み込むことを検討すると良いでしょう。

まとめ

今回の試行錯誤の結果、Bunで--bytecodeオプションを使用した際に発生する「error: Failed to generate bytecode for」というエラーは、内部で参照されるimport.meta.envが原因であることが判明しました。以下が今回の解決策です。

試行1: --format cjsや--target bunなどのオプション設定の見直し
→ エラー解消には至らず
試行2: --defineオプションでimport.meta.envをundefinedに置換する
→ 期待通りに動作せず
最終解決: ビルド前にsedコマンドを使用して、ライブラリ内のimport.meta.envの参照を削除する
→ エラーを回避できた

この経験から、Bunでのバイトコード生成時には、依存ライブラリやコード内の環境変数の扱いに注意が必要であることが分かりました。皆さんのプロジェクトでも同様の問題に遭遇した場合は、今回の解決策を参考にしてみてください。