Docker ContextとSSHを組み合わせると、ローカルのDockerを操作する感覚で、リモートのDockerを操作できて非常に便利です。本記事では、Docker Contextのセットアップ方法とその使い方について簡単に説明します。
前提条件
- ローカルマシンにDockerがインストールされていること
- リモートサーバーにDockerがインストールされていること
- SSHでリモートサーバーにアクセスできること
- (オプション)
jq
コマンドがインストールされていること(JSON形式の出力を扱う場合に便利)
セットアップ手順
1. SSH設定
まず、~/.ssh/config
ファイルを編集し、リモートサーバーへの接続設定を追加します:
Host my-docker-host
HostName example.com
User username
IdentityFile ~/.ssh/id_ed25519
Port 22
この設定により、my-docker-host
という名前でリモートサーバーに簡単にアクセスできるようになります。
2. Docker Context作成
次に、新しいDocker Contextを作成します:
docker context create my-remote-context --docker "host=ssh://my-docker-host"
作成したコンテキストは次のコマンドで一覧表示できます:
docker context ls
3. Context切り替え
作成したContextに切り替えます:
docker context use my-remote-context
コンテキストが切り替わったら、あとはローカルのDockerを操作するのと同じ方法でリモートのDockerを扱えます:
docker images
docker ps
# その他のdockerコマンド
デフォルトのコンテキストに戻る
ローカルのDockerに戻りたい場合は、以下のコマンドを使用します:
docker context use default
コンテキストの設定ファイルについて
Docker Contextの設定ファイルは以下の場所に保存されます:
~/.docker/contexts/meta/{ハッシュ値}/meta.json
具体的な場所は以下のコマンドで確認できます:
docker context inspect my-remote-context | jq -r '.[0].Storage.MetadataPath'
この出力は以下のような形式になります:
/home/username/.docker/contexts/meta/00e13ed7af55b27622f1d6eab5bec0147e68efe28dc2b12461117afa1a5ed40e
設定ファイルの内容を確認するには:
cat $(docker context inspect my-remote-context | jq -r '.[0].Storage.MetadataPath')/meta.json
注意: これらのコマンドを使用するにはjq
がインストールされている必要があります。
まとめ
Docker ContextとSSHを組み合わせることで、リモートのDockerホストをローカルと同じように操作できるようになります。これにより、複数のDockerホストを管理する際の効率が大幅に向上します。
この方法を使えば、開発環境と本番環境の切り替えや、複数のサーバーでのDockerコンテナ管理が非常に簡単になります。ぜひ、みなさんの開発フローに取り入れてみてください。
参考リンク
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