syncthingをdocker-composeで起動する方法

はじめに

Syncthingは優れたファイル同期ツールですが、Docker Composeを使うことで簡単かつ効率的に管理できます。この記事では、Syncthingをdocker-composeで起動する手順を、セットアップからトラブルシューティングまで簡潔に説明します。

1. 準備

まず、Syncthing用のディレクトリを作成します：

mkdir -p ~/data

注意: このディレクトリを事前に作成することで、後々の権限問題を防ぎます。

2. docker-compose.ymlの作成

$HOMEディレクトリにdocker-compose.ymlファイルを作成し、以下の内容を記述します：

services:
  syncthing:
    image: syncthing/syncthing
    container_name: syncthing
    hostname: my-linux
    environment:
      - PUID=1000
      - PGID=1000
    volumes:
      - ./data:/var/syncthing
    network_mode: host
    restart: unless-stopped

設定の詳細説明

• container_name: syncthing

  • コンテナの識別名です。Docker環境で管理しやすくなります。

• hostname: my-linux

  • Syncthingのノード名として使用されます。他のデバイスから識別しやすい名前を設定してください。

• environment:

  • PUID=1000 と PGID=1000
    • ホストマシンのユーザーIDとグループIDを指定します。
    • これにより、コンテナ内で作成されるファイルの所有者がホストのユーザーと一致し、権限の問題を防ぎます。
    • 実際の値は id -u と id -g コマンドで確認し、適切な値に置き換えてください。

• volumes:

  • - ./data:/var/syncthing
    • ホストの ./data ディレクトリをコンテナの /var/syncthing にマウントします。
    • これにより、Syncthingのデータと設定が永続化され、コンテナを再作成しても失われません。

• network_mode: host

  • コンテナにホストのネットワークスタックを使用させます。
  • これにより、Syncthingがローカルネットワーク上の他のデバイスを適切に検出できるようになります。

• restart: unless-stopped

  • Dockerデーモンの再起動時やホストマシンの再起動時に、自動的にコンテナを起動します。
  • ただし、手動でコンテナを停止した場合は再起動しません。

3. コンテナの起動

以下のコマンドでコンテナを起動します：

docker-compose up -d

4. トラブルシューティング

証明書の生成エラー

次のようなエラーが発生した場合：

Failed to load/generate certificate: save cert: open /var/syncthing/config/cert.pem: permission denied

これは~/dataディレクトリの所有権の問題です。以下の手順で修正できます：

1. ディレクトリの所有権を確認：

ls -la ~/data

1. 所有権を自分のユーザーに変更：

sudo chown -R $(id -un):$(id -gn) ~/data

まとめ

以上の手順で、Docker Composeを使用してSyncthingを簡単に起動できます。この方法を使えば、Syncthingの管理が容易になります。

Syncthingの基本的な設定や使用方法については、Syncthingの公式ドキュメントを参照してください。