はじめに
弊社、株式会社リンクアンドモチベーションでは生成AIを活用した生産性向上プロジェクトを2024年から本格的に行なっています。ChatGPTをはじめとするサードパーティツールを活用する一方、自社内での専用ツールの開発をDifyを活用して行っています。
前提
タイトルにもあります通り、私は元々事業部でコンサルタント業務を行っており、現在所属しているエンジニア組織に移動してきてからも、弊社サービスを導入してくださっているお客様を表彰するイベントの運営を行っており、エンジニア組織に所属しているにも関わらず、AIやテクノロジーには全く触れてきませんでした。
そのような私が10月からミッションが変わり、今では苦戦しながらもDifyを活用し、ツールを作成できるようになった過程をお伝えできればと思います。本記事を通じて、「AIなんて今まで触ったことないから無理だよ」と思っている方や「新規ジョイン者のオンボーディング」時の一助になれば幸いです。
学びのステップ:Difyの習得方法
STEP①:プロンプトエンジニアリングを学ぶ
Difyを活用する前提として、プロンプトエンジニアリングは一定できるようになっておいた方が実現できることは増えます。
インプット:プロンプトエンジニアリングについては、本やnoteなど数多くありますので、1~2冊読めば大枠は理解できると思います。また大枠だけ理解できても実際の活用例があった方が分かりやすいと思いますので、デジタル庁プロンプトは参考になります。
アウトプット:学んだことをアウトプットしないとできるようにはなりません。まずは毎日ChatGPTを活用することを心掛け、使用したプロンプトをシートに記載し、同僚からFBをもらうことを行っておりました。幸いそのような環境があったから実現できましたが、ChatGPTにFBしてもらえば同じことが実現できると思います。
STEP②:Difyの基本を愚直に学ぶ
ノーコードツールといってAIアレルギーの私からするとかなりハードルがありました。まずは、youtubeなどで操作説明をしている動画がありますので、それを観ながら同じ作業を行いました。また弊社では既にDifyで作成したツールがあったので、全く同じものを作成してみました。
作成した後に、1つ1つのフローでどのような処理が実行されているかをノートに書き出し、理解を深めました。
実際のプロダクト開発
作成したプロダクト概要
弊社コンサルタントがお客様の事業理解を深めるためのツールを作成しました。
有価証券報告書からお客様の事業に関する内容を抜き出し、その情報に対して競合情報を踏まえた上で、事業分析を行います。ベテラン社員であれば競合を踏まえた上で事業状況を分析することは可能ですが、若手社員では難しい内容もあり、最初のインプットとして役に立つという声ももらっています。
工夫した点
ChatGPTやperplexityで事業情報を調べることは可能ですが、実際の売上や経常利益などは誤って出てくることがあります。事実情報として正確に抜き出す内容とChatGPTやperplexityなどを用いた仮説情報を分けるようにしました。
AIアレルギーのあなたへ
学びのまとめ
Difyをマスターすることは簡単ではありませんが、一定使えるようには必ずなります。
そのためには、
①プロンプトエンジニアリングをまずは理解する
②とにかく真似ることから始め、フロー単体で理解する
③簡単なもので良いのでまずは最後まで作成してみる
ことが重要になります。
これからDifyを使うあなたへ
これからさらにテクノロジーの進化は加速し、Difyなどのツールを用いて何かを作成することが"できて当たり前"の世の中になっていくと思います。ただ、私たちは今まで生きてきた中で「機械が思うように動いてくれない経験」を味わったことが圧倒的に少ないです。携帯も機種を変えても何となく操作できる。洗濯機を変えても操作が分かる。私はDifyを初めて使った時に、「機械が思うように動かない経験」を初めて味わいました。 AIアレルギー人材からすると非常にストレスですが、「機械は思うように動かないこともある」という前提を持っておくことも重要だと考えています。
サポート担当の皆様へ
私がアレルギーを起こしたシーンをいくつかご紹介できればと思いますので、参考にしていただければと思います。
・チャットボットのチャットフローとワークフローの違いが分からない
・LLM、知識取得、質問分類器など数多くあるが用途が分からない
・if/elseとiterateの概念が分からない
・なぜerrorになっているか分からない
エンジニアの方からすると当たり前の概念で躓くことが多くありますので、是非その際はサポートしてください。