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21年改訂版・ディープラーニングG検定の勉強方法の紹介

Last updated at Posted at 2021-05-24

本記事では、21年7月実施の「ディープラーニングG検定2021#2」より適用される、「改訂版G検定」に向けた勉強方法を解説します。

本記事の目次
- はじめに(シラバス改訂について)
- 勉強方法の流れ(概要)
- 動画講義「AI For Everyone(すべての人のためのAIリテラシー講座)」
- 動画講義「経産省JMOOC AI活用人材育成講座(活用講座)」
- さいごに

【注釈】
私はディープラーニング協会の人材育成委員会の委員であり [link]
本記事はあくまで、最新コンテンツを中心にG検定に向けた勉強方法の”一例”を紹介する記事です。

G検定攻略的な記事ではございませんので、あしからず。

はじめに(シラバス改訂について)

2021年4月15日に「G検定(ジェネラリスト検定)シラバス改訂についてのお知らせ」が公開されました [link]

G検定のシラバスを、2021年7月実施の「G検定2021#2」より改訂するという内容です。

改訂後のG検定の内容は次の通りです(リンク「G検定の試験範囲(シラバス)と例題」)。

リンク先では試験範囲の概要と例題、そしてシラバスの詳細内容(PDFファイル)が紹介されています。

G1.PNG
図1.1 改訂版シラバスの詳細(PDFファイルより、図引用)

重要なポイントは、
「21年7月実施の「G検定2021#2」よりG検定の内容が改訂されるので、G検定の過去の情報には注意する必要がある」
という点です。

勉強方法の流れ(概要)

G検定のシラバス改訂や、日本ディープラーニング協会からの様々なコンテンツの最新情報を踏まえて、
おすすめの勉強方法の流れ(の一例)を紹介します。

G検定を受験しようとされる方はエンジニア系から経営職まで、背景が様々であり、事前知識に差や違いがあります。

本記事では「ディープラーニング協会が公式に関わって作成されたコンテンツ」をベースに勉強方法の流れを紹介します。

勉強の流れは4ステップです

[1] 動画講義「AI For Everyone(すべての人のためのAIリテラシー講座)」の受講(無料)

[2] 動画講義「経産省JMOOC AI活用人材育成講座(活用講座)」でビジネスでのAI活用事例、導入方法を視聴(無料)

[3] 書籍「深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第2版」(21年4月27日発刊)で学習

[4] ディープラーニング協会で公開されている「ディープラーニング関連のおすすめ書籍集(合格者が選ぶ推薦書籍」)から、気になる本を読む

の、4ステップとなります。

その後は、インターネット上で自分に役立ちそうなG検定に関する情報を集めるのも良いと思います。

上記の[1]と[2]は説明が長くなるので、先に[3]、[4]について紹介します。

[3] 深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第2版

dlgbook.jpg
深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第2版
[Amazonリンク]

本書は日本ディープラーニング協会が監修し、2021年4月27日発刊されました。
新シラバスに対応させた、「改訂版公式テキスト」になります。

書名に「公式テキスト」とありますが、G検定の試験問題がこの書籍以外から出題されないという意味ではありませんので、その点はご注意を。

ですが、本書は改訂版シラバスの内容を網羅的に解説しており、重要な書籍となります。

[4] ディープラーニング協会で公開されている、ディープラーニング関連のおすすめ書籍集(合格者が選ぶ推薦書籍)

4ステップ目は、ディープラーニング協会で公開されている、「ディープラーニング関連のおすすめ書籍集(合格者が選ぶ推薦書籍)」の活用です。

[リンク_日本ディープラーニング協会、推薦図書]

G2.PNG

図2.1 推薦図書ページの様子

上記の図のようにホームページ上で書籍が紹介されています。
また、全書籍が分野別にまとまったPDFも用意されています。

●2020年の調査結果・ランキング一覧
●2019年の調査結果・ランキング一覧

これらの書籍は、過去のG検定合格者に「G検定の勉強に向けてどのような書籍を読みましたか?」とアンケートして、上位に入ってきた書籍を、分野ごとに整理して掲載しています。

2021年版も、おそらくもうすぐ公開されるかと思います。

メジャーな本が多く、ラインナップが毎年ガラリと変わるわけではないので、
現状では2019年、2020年の書籍リストから自分がもっと学びたい分野の書籍を選択して、読んでみることをおすすめします。

続いては、[1]、[2]について解説します。

[1] 動画講義「AI For Everyone(すべての人のためのAIリテラシー講座)」

G検定に向けて勉強しようと思った際はまずはじめに、
動画講義「AI For Everyone(すべての人のためのAIリテラシー講座)」の受講(無料)
をおすすめします。

本講義はMOOCsのCoursera上で展開されており、無料で受けることができます。
(有料コースにすれば、Courseraの修了証を獲得することができます)

元々、「AI for Everyone」はCourseraにてAndrew Ng(アンドリュー・ン)先生が実施している、AI入門講座です。

AIリテラシーの獲得に向けて、AIエンジニア以外の方でもAI関連の基礎知識を理解・習得できる講義です。
その評価は32,270件の「4.8/5.0」と非常に人気と定評のある動画講義となります。

上記のコースを日本語版にし、さらに拡充したのが、
「AI For Everyone (すべての人のためのAIリテラシー講座)」です。

日本語版は日本ディープラーニング協会がアンドリュー先生とともに、日本人向けにカスタマイズした内容となっています。

アンドリュー先生の講義のスライドが日本語化され、日本語の音声字幕もついています。
また、松尾先生による講義も追加され、5週間コースになっています。

各週の動画講義の時間は1-2時間なので、実際には6時間程度で終了します。
そのため、1週間ほどあれば終わる内容となります。

q_p1.png

日本語版の「AI For Everyone (すべての人のためのAIリテラシー講座)」は、元の英語版講義とはURLが異なるのでご注意ください。
以下のリンク先となります。

続いて、簡単に、
・講師のアンドリュー先生の紹介
・動画講義の内容
・動画講義を進めるうえでの注意点
を紹介します。

アンドリュー先生とは

アンドリュー・ウ先生は博士号取得後、2002年からスタンフォード大学の教員になります。

博士論文の内容が強化学習関連であったこともあり、

・自動運転ヘリコプターの開発
・STAIR (STanford Artificial Intelligence Robot) project
 (※ロボット開発で現在とても重要なROSの原形になったプロジェクトです)

などに携わりました。

スタンフォードでの機械学習の講義が大人気で、そのコースを全世界に展開するために、オンライン学習サービスのCourseraを立ちあげます(Coursera自体が、アンドリュー先生が中心に構築した仕組みです)。

Coursera上では先生の、Machine Learning講義 [link] が人気です。
今はディープラーニング講義 [link] など、その他講義も公開されています。

スタンフォード大学の教員を続けながら、
2011年から2014年までGoogle
2014年から2017年までBaidu(百度:中国で最大検索エンジン企業)
で働いて、
現在は、企業のAI活用を支援するスタートアップ Landing.aiを立ち上げています。

Googleでは、Jeff Deanとともに、Google Xとして人工知能プロジェクトを実施し、
・TensorFlowの原形となったDistBeliefの開発
・Google Brain(Googleの機械学習組織)の立ち上げ
・ディープラーニングが猫の顔画像を特徴量に獲得することを発見した、Googleの猫

などに携わった先生です。

「AI For Everyone (すべての人のためのAIリテラシー講座)」の内容

動画講義の内容を簡単に紹介します。

第1週の動画講義では「はじめに」で「DXとDXにおけるAIの重要性」が解説されます。
そして、AIの基礎として、

  • AIにまつわる専門用語
  • 機械学習
  • AI企業にするには?
  • 機械学習でできること、できないこと
  • 非技術者でも分かるディープラーニング概要

などが解説されます。

第2週では、

  • 機械学習プロジェクトのワークフロー
  • AIプロジェクトの選び方
  • AIチームとの働き方

などが解説されます。

第3週では、

  • 企業のAI変革の指針となる「AIトランスフォーメーション・プレイブック」の解説
  • AI導入時の注意点/避けるべき落とし穴
  • 各種AI応用分野について

などが解説されます。第3週ではディープラーニングがどのように使用されているのか、様々な活用例を解説しています。

第4週では、AI技術活用の技術的、倫理的な問題点として、

  • AIの現実
  • AIに対する敵対的攻撃

などが解説されます。

元々のオリジナルコースは第4週で終わりですが、日本版は第5週が追加されています。

第5週は日本版オリジナルです。講師が松尾先生に代わり、
「日本におけるAI/DL活用事例」が8つの領域で解説されます。
様々なAI活用の実例について知識を得ることができます。

q_p2.png

動画講義を進めるうえでの注意点

「AI For Everyone (すべての人のためのAIリテラシー講座)」を進めるうえで、気になった注意点を記載します。

  1. 動画講義「AI for Everyone」はCourseraの一コースとして提供されています。
    Courseraの修了証明書が欲しい方は有料(約5,500円)となりますが、修了証明書が不要の場合は無料で利用できます。Courseraに登録する必要がありますが、登録は無料です

  2. 講義の一番最初の動画「このコースのはじめに」にて、アンドリュー先生が日本版に向けて特別メッセージを寄せてくださっているのですが、日本語字幕がありません。
    突然英語onlyで戸惑うかもしれませんが、この動画以外のコース本体では日本語字幕を表示できるので安心してください。また、コース本体のスライドも全て日本語化されています

  3. 第1週、AIの基礎の「動画:データとは?」にて、住宅の価格の表で列名に「価格(10万円あたり)」とあり、115などの数字が並んでいますが、これは、「価格(単位は10万円)」のことで、例えば115は、1,150万円を意味します。
    スライドが日本語化されていて非常にありがたいのですが、この部分はちょっと分かりづらいと感じました。なおこれ以降の動画では列名が「価格(10万円)」に修正されています

  4. 第1週の動画の最後には、「第1週 テスト」があります。テストページに移り、テスト問題を見て回答をチェックしていくことは無料でもできますが、回答を送信し、採点してもらうこと、そして終了証をもらうことは有料です。無料で学習したい方は、各週のテストについては問題を確認して終了となります

  5. 第4週の動画「AIに対する敵対的攻撃」でトースターに誤分類させる話で、日本語訳がバナナのままになっていますが、ステッカーを置いた後はバナナではなく、トースターへの分類確率が増えています。
    スライドの表記がトースターと記載すべきところがバナナのままになっていて、スライドの誤記かなと思いました

  6. 元々のオリジナルコースでは第4週で終わりですが、日本版では第5週が追加されています。第4週で終わりではなく、第5週に松尾先生の日本版オリジナル講義があるので注意してください。

  7. コース本体でいくつか日本語字幕がついていない動画があります。ですがスライドが日本語化されているので、内容は十分に理解できます。

  • 第2週の動画「データの扱い方について(あらゆる職種で学ぶ必要性)」、「AIチームとの働き方」
  • 第3週の動画「ケーススタディ:スマートスピーカー」、「ケーススタディ:自動運転車」、「AI導入の最初の一歩」、「その他主なAI技術の紹介」
  • 第4週の動画「AI と仕事」

以上、「AI For Everyone(すべての人のためのAIリテラシー講座)」の紹介でした。

G検定に向けて勉強しようと思った際はまずはじめに、上記の動画講義の受講(無料)をおすすめします。

[2] 動画講義「経産省JMOOC AI活用人材育成講座(活用講座)」

続いて、[1]の動画講義のあとにおすすめの動画講義を紹介します。

[2] 動画講義「経産省JMOOC AI活用人材育成講座(活用講座)」でビジネスでのAI活用事例、導入方法を視聴(無料)、です。

本動画講義は日本ディープラーニング協会をはじめ、国内の各種機関の先生方が集まり、経産省STEM Library講座としてまとめられた動画講義です(2021年3月公開)。
理論講座と、事例を解説する活用講座があります。

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活用講座は17本からなり、各ドメインについて、
国内でのAI活用の事例、使用されている技術、AI導入までプロジェクトがどのように進んでいったのか
を実際にその企業の方のインタビューと講師の解説を交えて講義されています。

活用講座のリンクは以下となります。

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理論講座は23本からなり、機械学習、ディープラーニング技術の理論が数学入門レベルから順番に、自然言語処理などまで解説されています。

理論講座は以下のリンクになります。

活用講座のおすすめ動画

AI活用人材育成講座の動画は、理論、活用とを合わせると膨大な量です。

活用講座の動画ラインナップは次の通りです。

  • AI活用人材育成講座の紹介~これからAIを学ぶすべての方へ~
  • 企画・マーケティング部門で活用されるAI
  • 営業・新サービス/EC Eコマースで活用されるAI
  • 営業・販売・サービス 営業に活用されるAI
  • 生産・製造 品質管理・品質向上に活用されるAI
  • 生産・製造 新規商品開発に活用されるAI
  • 維持管理・保守 設備・インフラで活用できるAI
  • 交通・物流 設備・インフラで活用されるAI
  • 【AI活用が注目される業界】介護・ヘルスケア
  • 【AI活用が注目される業界】金融
  • 【AI活用が注目される業界】医療
  • 【AI活用が注目される業界】農業
  • マーケティングデータからの顧客行動理解
  • 企業会計データからの不正発見
  • 人の心理とデータ解析
  • 文書データからの知識発見

まずは、活用講座から自分の業務ドメインと関連が深いAI活用の事例講義を見てみる、をおすすめします。

上記リンク先のAI活用人材育成講座は登録は不要です。ブラウザ上ですぐに見れます。

登録(無料)をすると、講義動画がmp4ファイルでダウンロードできます。
また、講義スライドのPDFもダウンロードできます。

なお画面右上の「再生速度」から再生速度を変更できます。

ひとつ、ぜひご覧いただきたい動画を挙げると、

「【業務/領域別に見るAI活用】生産・製造 品質管理・品質向上に活用されるAI」
の動画講義です。
こちらではキユーピー様のAI活用による不良品検知の品質管理事例がインタビュー&解説されています。

僭越ながら私が講師を担当させていただきましたが、キユーピー様のAI活用事例は、事例自体がとても有名です。

そして何より、インタビューに回答いただいた荻野様の
現場でのAIプロジェクト実践のお話が非常に具体的かつ丁寧、そして実践的です。この動画は、自社でのAI活用に向けてとても参考になると思います。

aikatuyo2.png

「キユーピー様の事例の解説動画」のリンクは以下となります。

また、その他、「ディープラーニングの活用事例」として、ディープラーニング協会が監修している書籍では、

●書籍「ディープラーニング活用の教科書」 Amazonリンク

●書籍「ディープラーニング活用の教科書 実践編」 Amazonリンク

があります。

事例をたくさん知りたい方には上記2冊もおススメです。

さいごに

以上、21年7月実施の「ディープラーニングG検定2021#2」より適用される「改訂版G検定に向けた勉強方法」を解説しました。

再掲いたしますと、勉強方法の流れは4ステップです。

[1] 動画講義「AI For Everyone(すべての人のためのAIリテラシー講座)」の受講(無料)

[2] 動画講義「経産省JMOOC AI活用人材育成講座(活用講座)」でビジネスでのAI活用事例、導入方法を視聴(無料)

活用事例講座の一覧

キユーピー様の事例

[3] 書籍「深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第2版」(21年4月27日発刊)で学習

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深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第2版
[Amazonリンク]

[4] ディープラーニング協会で公開されている「ディープラーニング関連のおすすめ書籍集(合格者が選ぶ推薦書籍」)から、気になる本を読む

[リンク_日本ディープラーニング協会、推薦図書]

の、4ステップとなります。
その後は、インターネット上で自分に役立ちそうなG検定に関する情報を集めるのも良いと思います。


以上、日本ディープラーニング協会が公式に携わっているコンテンツを中心に、改訂版G検定に向けた勉強方法を解説しました。

また、AI技術からAIビジネス関連まで最新の情報を、私や多くの方がTwitterで発信されています。

Twitterアカウント:小川雄太郎@ISID_AI_team
(最近のツイート例)

これらもご活用いただければ幸いです。

以上、ご一読いただき、ありがとうございました。


【記事執筆者】
電通国際情報サービス(ISID)AIトランスフォーメーションセンター
製品開発Gr 小川 雄太郎
主書「つくりながら学ぶ! PyTorchによる発展ディープラーニング」

【自己紹介詳細】
https://github.com/YutaroOgawa/about_me

【情報発信】
Twitterアカウント小川雄太郎@ISID_AI_team
IT・AIやビジネス・経営系情報で、面白いと感じた記事やサイトをTwitterで情報共有しています

【免責事項】
本記事の内容は著者の意見/発信であり、著者が属するいかなる企業等の公式見解ではございません


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